別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

繋がる楽しみ

2007-02-12 | アートな時間

即位直後の乾隆帝 4年程まえ。 中味より、 意匠が気に入って香港の空港で買ったジャスミンティー。 この肖像がずっと気になっていた。

 昨日 NHKTV 夢の美術館 世界の至宝 工芸100選を見る。(再放送らしい。 後半は12日)。 
 なかに「竹糸纏枝番蓮チクシテンシバンレン 多宝格圓盒タホウカクエンコ」が出てきた。 台北の故宮博物院で見逃したもの。 図録で確かめる。

 小さな、しかも精緻な玉を収める箱である。 25歳で即位した乾隆帝ケンリュウテイ、 10回に及ぶ遠征で敗れたことは一度もない。 100万点を超える文物を収集。 以下に NHKTVより引く

 乾隆帝は戦いに明け暮れるなか30代半ばで、 皇后と、 ふたりの王子を相次いで失う。 最愛の家族を亡くしたかなしみ、 小さな宝物への思いは一層深まっていく。
  高さ24㎝の筒の(多宝格は開閉式で閉じると円柱形、 逆に閉じると方柱計になる 右写真)外側表面は数百本の竹で覆われ、 精巧な細工がほどこされている。 いくつにも区切られた、わずか5㎝の棚は回転し、 お気に入りの玉を収められる。 乾隆帝はいつ、どこでもミニチュアを鑑賞し、 ときに沈みがちな心を満たしていた。 

  まさに乾隆帝はジャスミンティーのお方であった。 ようやく解ったうえに驚くのは、以前書いたコオロギ入れも おなじ皇帝のものと知ったからである。

  豪華で美しい衣装に惹かれ 帰国間際のドル精算に、 何気なく求めたジャスミンティーはコオロギ入れへ、  さらに竹糸纏枝番蓮多宝格圓盒チクシテンシバンレン タホウカクエンコへと、 次々につながる不思議。  わくわくしてくる。 拡大してご覧下さい  
   

  

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前の記事へ | トップ | 夜べの雨 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
世界の至宝 工芸100選 (boa !)
2007-02-15 06:24:34
同じものをラグさんに重ねてNHKで見ていました。
日本人の発想とは桁が違いますね。偏執といってもいいほどの執念を持っての蒐集と、美しいもの、玉に寄せた意欲に打たれます。

贅沢とはこういうのを言うのでしょうか。お陰で、すぐれた至宝の数々が伝世されたのをありがたいと感謝しなくてはなりませんね。

ずっと前、お近づきに加えていただいてまだ間がない頃、”闘蟋”の話や、こおろぎ入れの画像に、どんな方だろうと憧れていました。

一つの関心が、次なるものに繋がるのは、決して偶然だけではなく、想いと目があるからでしょう。でないと通過してしまいますもの。

豊かなものに満たされた旅をあらためて祝福申し上げます。


返信する
すさまじ (ラグ)
2007-02-15 22:10:27
ほんとうに恐ろしいほどの執念です。 そして金より玉なのですね。 精緻な細工は 兼好さんではないけれど、やはり、すこし鈍い刀で彫ったのでしょうか。
 故宮で見たなかにお弁当入れがあります。 象牙を薄くうすく削って、まるでレース刺繍のように上品に、繊細に彫ってある、ここまでしなくても。 お弁当をいれるより飾っておくのでしょう。 全く驚くばかりです。 これが象牙とは信じられません
 ご覧下さい

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/0c/17603c03eee59d3f69973b57b3223381.jpg

ありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アートな時間」カテゴリの最新記事