別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

琳派と

2005-10-20 | アートな時間


 文化祭に枇杷の絵を搬入・ 展示し、 30分で終える。 すぐさま電車に跳び乗った。 目的は、出光美術館と東京ステーションギャラリーにある。 五日ぶりの晴。 後の月見もかなわなかった.。 心にもようやく晴れ間、気持のいい日。  家族の昼食も用意して、 ちいさな羽ばたきである。

 出光では 「京の雅び・都の人びと-琳派と京焼-
 併設 仙展 
 洛中洛外図屏風にはじまり、 赤と黒の楽茶碗を九点、
 光悦赤楽兎文香合」 
 光琳/乾山銹絵秋草図角皿」 「銹絵竹図角皿  兄弟競い合い、みごとに調和している。
   写真:出光美術館絵はがきから

  宗達扇面散貼付屏風」  線書きの薄、かすかに見える。 扇面に切り取られる花もおもしろい。 はみだすところにあそび心、 見る側に想像させる。 たのしくデザインされた絵柄がモダン。 
   伝宗達  「月に秋草図屏風」  遅ればせの月見をしてよろこぶ。 月明かりに萩も桔梗もあざやかだ。 虫の音も聞こえてきそう。   

 野々村仁清 色絵芥子文茶壺」   華やかな色絵。
 
柳宗悦は 「器にも活きた人の姿がある」 と言う。 頭部 ・ 耳 (時として耳を添えたものがある)・ 肩 ・ 胴体 ・ 手(手がある場合も)・高台は足… と。 なだらかな肩や 胴の肉づけ、皮膚とも言うべき器の面。 それらをなぞり眺めると、 ますます楽しくなる。 
  仙  「堪忍柳 
 気に入らぬ風もあろふに柳かな  
何でも受けとめて… あるがまま               

       加守田章二展  東京ステーションギャラリー 
10年以上も前、東京国立近代美術館工芸館で初めて見た。 いままでの陶芸の概念を超えた作品にショックを受けた。 美しくダイナミック。  好もしく思い、もう一度会いたいと願っていた。
 まさに彫刻、 トルソー。
 おさえた色、 おおきな形にも惹かれる。 一点、一点、 ドキドキの連続。 つぎは何を? 期待しながら進む。 芸術を、 歩きながらスケッチした。
 いかにして生まれたか、   この か・た・ち 

「自分の外に無限の宇宙を見る様に、 自分の中にも無限の宇宙がある」 
加守田章二
  
ずんと 心にひびいた。 はみ出した芸術から、 創造のほんとうの姿を見たような気がする。 すでにあるものを壊すところからはじまる、 とこのごろ思う。

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6 コメント

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ここにも一人月の客 (boa !)
2005-10-21 19:59:02
黒いお月見ですね。羨ましく涎をたらしながらトラックバックをうちました。

「すでにあるものを壊す」自分の見たものを大事にすることの大切さ、よく解ります。

 その難しさも。

ラグタイムさんには、まだまだ時間がたっぷりあります。ご研鑽の成果が期待できます。これも、羨ましくも、妬ましいことです。
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去来するもの (ラグタイム)
2005-10-21 22:47:31
 いつもご教示ありがとうございます。 未だおぼろげ、考えが固まらないままに書いたことも、 boa!さんのコメントで より深められ、確信となってきます。 思いも寄らなかった発見をすることもあります。  

  知恵くるる友を今宵の月の客  笈日記もどき



今宵の寝待月 月に秋草に似ています。月の入り22日9時45分 ご覧になれますでしょうか
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ぐるっとパス (たこ)
2005-10-21 22:56:36
ラグタイムさんこんばんわ。



浅間山がきれいに見えたのですね。皆様お揃いでいい旅をなさいましたね。



そして出光美術館。私もこの美術館は大好きです。近いうちにぐるっとパスで行く予定です。ぐるっとパスでここやブリジストン美術館は無料で入れます。



ぐるっとパスは2000円で2ヶ月間有効です。46の美術館や博物館の入場券や入場割引券が綴られています。もうお使いになられましたか?交通費はかかりますが、入場券は得した気分です。
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感謝! (ラグタイム)
2005-10-22 06:50:36
感激! 雨、あられ。 先日も目にしたような。使ったことはありません。 たこさんの情報うれしいです。ありがとうございました。 パソコン回復しましたか。 大きな写真は見応えがあります。 楽しみにしています。

  
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こんにちは。 (Tak)
2005-10-22 15:20:28
コメント&TBありがとうございました。



出光とステーションギャラリー私もはしごして観て来ました。

記事を別々にupしてあるので両方のTB送らせていただきます。



宗達の「月に秋草図屏風」に感動。

加守田章二の想像力の泉に驚愕してしまいました。
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ふつうは一つ (ラグタイム)
2005-10-22 20:24:17
 Takさん ありがとうございます。 複数だとごちゃごちゃになり印象も感動も薄れる気がして、時間があっても、いつも一カ所ときめています。 今回だけ、はしごしました。 創造の泉、創作にむかう姿勢も気迫も圧倒されました。 
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