別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

粋な意匠

2007-12-07 | アートな時間

 乾山の芸術と光琳 を見にいったが 深いことは判らず。 ただ、 色が美しいとか、 カタチの好みだとか、 デザインに惹かれたなど。  絵をそのまま立体化するように、 描くように造られた器は、 料理を盛りつけてこそ完成である。  高級什器を、 奥行きのある一幅の絵として拝見する。 それぞれの器を取り巻く、 宇宙を感じた。

 

 これは はじめて会ったかも知れない


  尾形乾山作 
  色絵能絵皿  十枚     

 各2.8×11.0×19.2 拡大

 タタラによる型打成形。 全体に白化粧を掛け、表面には大和絵風或いは琳派風の筆づかいで、 能の演目の一場面が描かれている。 側面は菊藤文を型紙摺して。

  一枚の裏に十の演目を記し、 九枚には謡の一節が書かれている。 

 

  分かったのは杜若だけ、 そう言えば、 芍薬が見られるのは通小町、 会場では気づかなかった。


     哥人の家の 
    このみには人
    丸のかきほの柿
    山のへのさゝくり
    窓の梅薗の
    桃


 
 延宝三年(1675) 十二・三歳のころ、乾山は「寛三郎」と名乗る能の演技者であったことが近年明らかにされた。   (写真及び引用はカタログから)


                
-☆-

      
  何をするにも、何を見るのも素養がなければ鑑賞も浅い。 情けないものでした。  造形に嵌められる文学的なものなど、 教養にあふれている。 外国の陶磁をモデルにした色絵の皿や向付など、 旺盛な創造の世界は、 職人であり芸術家。 兄光琳をときにリードしていた。 遊び心いっぱいの 楽しい造形が器になったようだ。 見応えあり。

 

  メモ

  銹絵独釣図角皿  
  山水画、 漢詩、 書のハーモニー。 
  銹絵掻落雲唐草文大鉢 
  口径31.6の大鉢。 釘彫りによる掻落も軽快で 創るのも楽しんだに違いない。 銹絵牡丹唐草文鉢、 銹絵牡丹唐草文角向付など

 
 
  
銹絵染付絵替土器皿(上写真)  絵柄も配置も面白い。 斬新なデザインが とても気に入り。 

コメント (4)
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