受験生のための『世界史B』

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受験生のための『世界史B』―ローマ[⑦勝者の混迷(下)]

2010-11-09 17:07:54 | 受験生のための『世界史B』(未分類)
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 金沢では、秋を通り越してもうすっかり冬の天気です。

 昨日は学校の前で津波に流される夢を見ました。
 そんな暴風雨な火曜日。
 
 ローマも大変です。


 [「内乱の1世紀」]
 
 ・遊民の増加とラティフンディアの発達による貧富の差の拡大
 ・度重なる征服戦争による疲弊
 ・閥族派と平民派の争い

 によって、国の土台が揺らぎ始めました。
 (前回のおさらい!)

 
 そんな中、ある兄弟が立ち上がります。

 グラックス兄弟です。

 ティベリウス・グラックスとガイウス・グラックスのふたりは、
 大きな土地で奴隷をこき使っているやつら(つまりはラティフンディアをしている騎士たち)から土地を没収し、貧しい農民たちにそれを分配しようとしました。

 経済格差を解消するための典型的な方法です。

 しかしまあ、そんなこと大地主たちが了解するわけがありませんよね。
 
 グラックス兄弟の改革はあえなく失敗、兄は殺され、弟は自殺しました。

 紀元前130年ごろのことです。

 これをきっかけにして、ローマ市内で政治家たちがお互いに市民を手先(私兵)として争うようになります。
 前述の閥族派、平民派の抗争が本格化するのもこのころです。
  
 ここからの100年を、「内乱の1世紀」と呼びます。

 さらにイタリアの同盟市のあいだで、ローマ市民権(そのまんまローマ市の人間としての権利:参政権など)を求めて反乱が起こっちゃったり(同盟市戦争)。

 内では内乱、外では反乱。

 まさしく内憂外患ですね、ローマ。

 
 [スパルタクスの反乱] 

 そして共和政ローマに終止符を打ったのは、とある剣奴の反乱でした。

 剣奴というのは、コロシアムで猛獣なんかと闘う、見世物にされた戦士のことです。
 ラッセル・クロウの「グラディエーター」は剣奴をテーマにした映画ですよね。

 その剣奴のひとり、スパルタクスが、大規模な反乱を起こしたのです。
 もともと剣奴とは、ローマ軍の兵士だった人たちです。日ごろからライオンやらトラやらの相手をしてますから、戦闘能力は申し分ないんですね。

 反乱はイタリア半島全体に広がり、よりいっそうの混乱をもたらします。

 その反乱を鎮圧したのが、のちにローマを根底から変革することになる3人の男たちでした。

 アレクサンドロス大王以来の大物が現れます。

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