受験生のための『世界史B』

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受験生のための『世界史B』―イスラーム世界[(2)真の「イスラーム帝国」]

2013-06-02 16:14:49 | イスラーム世界
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 [イスラーム世界とヨーロッパ世界の接触]

 世界史の醍醐味。

 スンナ派のウマイヤ朝は、積極的なジハードを展開。
 東ではインドまでを征服、西では海を挟んで北アフリカを征服、そこを足がかりとしてなんとイベリア半島(現在のスペイン、ポルトガルがあるあの四角いところ)まで征服しちゃうんですね!!

 ちょっと地図で説明してみますと、

 

 こんな感じかな?
 ウマイヤ朝はもともとイベリア半島にいた西ゴート王国(フランク人)を滅ぼすのですが、ピレネー山脈を越え、北西に勢力を伸ばそうというところで当時幅を利かせていたとある王国と衝突します。

 それが、フランク王国でしたね。
 732年トゥール=ポワティエ間の戦いです(どや。
 もちろん、このときのフランク王国の宮宰はカール=マルテルでしたよね。
 地図では、オレンジの×で示してある場所が戦場です。

 この戦いでウマイヤ朝は敗北し、ヨーロッパでのイスラーム勢力の拡大は食い止められた形になりました。

 とはいえ、ウマイヤ朝はイスラーム帝国と堂々と名乗れるような広大な領域を獲得。
 被征服地の先住民に、
 ・地租(ハラージュ)
 ・人頭税(ジズヤ)
 という税金を課しました。
 イスラーム教に改宗しても、この税金は免除されなかったようです。

 ……おっと?

 『コーラン』では「すべてのムスリムは平等」と定められていたハズでは……?


 [750年] 

 ウマイヤ朝は、確かに被征服地の人々を虐げていました。
 この状況の中から、ムハンマドのおじさんの子孫であるというアッバース家による革命運動が起こってきます。

 結果、750年バグダードを首都としてアッバース朝が開かれました。

 こうして成立したアッバース朝ではムスリムは平等に扱われ、イスラーム法(シャリーア)に基づく政治が行われたそうです。
 「シャリーア」とは、アラビア語で「水場へ導く道」だそうです。砂漠が大部分を占めるアラビア半島らしい言葉ですね。

 アッバース朝は、マムルークという騎馬民族の奴隷をトルコから大量に雇い入れ、軍隊を強化。
 ハールーン=アッラシードの代に全盛期を迎えました。
 彼は、『千夜一夜物語』(『アラビアン=ナイト』)に時の王様として登場します。

 いやあ、めでたし、めでたし。

 
 ◎今日のポイント
 ・ウマイヤ朝とフランク王国が衝突した戦争を何というか。また、その年代はいつか。
 ・ウマイヤ朝が被征服地の先住民に貸した税金を二つ挙げよ。
 ・アッバース朝が購入したトルコ人奴隷を何というか。

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