間にたつ人を選ぶにあたっては、自分に委ねられたことをして、その成果を再び忠実に報告
してくれそうな実直な人を選ぶほうが、他人の仕事から抜け目なく何か自分を引き立てることを
考え出し、依頼人を満足させるために、報告事項を粉飾しようとする人を選ぶよりよい。
依頼される仕事が好きだというような人物も用いるがよい。そうすれば、仕事が大いにはかどる
からである。また用件に適しているような人物を、例えば、説き伏せるには大胆な人を、
説き勧めるには話しのうまい人を、調査や観察には巧妙な人を、おいそれとは片付かない
仕事には、強情な一筋縄では行かない人間を用いるがよい。以前にも、やらせたことを幸いにも
うまくこなしたような人々も用いるがよい。以前にも、やらせたことを幸いにもうまくこなしたような
人々も用いるがよい。そうすれば自信がつくし、彼らは信用をおとさないように努力するから
である。
『ベーコン随筆集』渡辺義雄訳 岩波文庫 (17世紀のイギリスの哲学者)
▲人を説得するのは、普通に予想されている以上にむつかしい。こちらの言うことに筋道が
通っていたら相手は必ず納得してくれる筈だと思っている人は説得の使者には向かない。
また誠心誠意を持って臨めば理解を得られるに違いないと考えている人も駄目である。
人間は相手のいうことに理があると思えば思うほど反撥する気持ちが強くなる。つまり、
言い負かされたと思うのが何よりも嫌なのだ。また世に誠実の押し売りほど嫌なものはない。
押しつけがましく感じられるゆえである。
上手な説得とは、こちらが望んでいる落しどころへ、先方から進んで乗り出してくれるよう
仕向ける手立てである。つまり、相手が自分の自発的な意向で、その結論を考え出したと
思わせるように持ってゆく。そのためには結着すべき論点をこちらからはあえて示さず、これこれ
こういう事情がありますと材料、データをこと細かに並べ、そこから先方が考え出すように誘導
すべきではあるまいか。
─『古今東西の珠玉のことば2 古典の知恵 生き方の知恵』 谷沢永一 PHP研究所
■貴乃花は、この教えのように材料、データを事細かに呈示して、先方が考え出すように
誘導することはできなかったか・・・
してくれそうな実直な人を選ぶほうが、他人の仕事から抜け目なく何か自分を引き立てることを
考え出し、依頼人を満足させるために、報告事項を粉飾しようとする人を選ぶよりよい。
依頼される仕事が好きだというような人物も用いるがよい。そうすれば、仕事が大いにはかどる
からである。また用件に適しているような人物を、例えば、説き伏せるには大胆な人を、
説き勧めるには話しのうまい人を、調査や観察には巧妙な人を、おいそれとは片付かない
仕事には、強情な一筋縄では行かない人間を用いるがよい。以前にも、やらせたことを幸いにも
うまくこなしたような人々も用いるがよい。以前にも、やらせたことを幸いにもうまくこなしたような
人々も用いるがよい。そうすれば自信がつくし、彼らは信用をおとさないように努力するから
である。
『ベーコン随筆集』渡辺義雄訳 岩波文庫 (17世紀のイギリスの哲学者)
▲人を説得するのは、普通に予想されている以上にむつかしい。こちらの言うことに筋道が
通っていたら相手は必ず納得してくれる筈だと思っている人は説得の使者には向かない。
また誠心誠意を持って臨めば理解を得られるに違いないと考えている人も駄目である。
人間は相手のいうことに理があると思えば思うほど反撥する気持ちが強くなる。つまり、
言い負かされたと思うのが何よりも嫌なのだ。また世に誠実の押し売りほど嫌なものはない。
押しつけがましく感じられるゆえである。
上手な説得とは、こちらが望んでいる落しどころへ、先方から進んで乗り出してくれるよう
仕向ける手立てである。つまり、相手が自分の自発的な意向で、その結論を考え出したと
思わせるように持ってゆく。そのためには結着すべき論点をこちらからはあえて示さず、これこれ
こういう事情がありますと材料、データをこと細かに並べ、そこから先方が考え出すように誘導
すべきではあるまいか。
─『古今東西の珠玉のことば2 古典の知恵 生き方の知恵』 谷沢永一 PHP研究所
■貴乃花は、この教えのように材料、データを事細かに呈示して、先方が考え出すように
誘導することはできなかったか・・・