二次元的幻想パラダイス - 小倉県民ラブライバー

平沢唯命の愛生ファンでスフィア中心だったが、現在、小倉県民とラブライバーにもなった。アニメ聖地巡礼、スクフェスやってる。

「萌えOTAKU」の産生の原因とその現状をめぐる基礎分析(正文7[終]と参考文献)

2007年06月13日 13時36分01秒 | ヲタク研究
前:「萌えOTAKU」の産生の原因とその現状をめぐる基礎分析(正文6)

結論 萌えOTAKUの未来
 「非難される今から、芸術として称揚される明日へ」今、萌えはこの辻に立っている。それで、萌えOTAKUをめぐる発展はどのようになるのか?今のACGの世界は到底ただ二次元のものであり、視聴覚以外の触りあうことが無論できない。だが、科学技術の進歩のともに、二次元キャラクターとの「不到達性」も越えられるべきなのである。それで、私は次の三つの可能性を推量する。

可能性の1:女性キャラクターを育成する「たまごっち」
 虚構のキャラクターを身近に持つ欲求を満足するため、キャラクター育成ゲーム「プリンセスメーカー」(ガイナックス,1991)と電子ペット「たまごっち」(バンダイ,1996)の機能の総合し、ある程度の数量の既存人気キャラクターを利用して、携帯電話ゲームソフトなどとして作り上げる。そうすると、人々も自分の好きなキャラクターと朝晩一緒に生活でき、ミニゲームなどを通してサーバーからさまざまなアイテムを入手し、自分だけのデジタル恋愛を具現化する。それは、現有の技術ではもっとも簡単に実現できるものである。

可能性の2:ギャルゲームの三次元化
 現存の二次元ギャルゲームを超え、擬似触覚システムを通じ、眼にゴーグルをかけながら、全身にセンサーなどをつけたスーツを着用するなら、キャラクターと虚構世界のある場所で話しあったり、触りあったりする感触が具現化できる。実行方法は相手としてのキャラクター、天候、場所、境遇などを勝手に選択したら、サーバーが配置した恋愛物語を執行して、物語に関する感触をセンサーを通して身体に接収させる。そうすると、人間はまさにキャラクターと二次元世界で一緒に付き合うようになる。

 上記の二つも人間が全身に二次元世界に入るだけであり、で、キャラクターは三次元の現実世界に出て行く可能性があるか。

可能性の3:女性型「人工知能ロボット」
 現存の等身大の抱き枕[65]、フィギュアやダッチワイフ[66]にしてもただ一方通行の一種の自己愛である。が、人工知能を持つ女性型ロボットは最終的に平面的なギャルゲームと立体的なフィギュアを結び付くものである。キャラクターがまるで人間として存在するように、ユーザーはそれと抱きしめたり、話し合ったり、さらに家事などを済んでくれたりすることもできる。2005年の愛知万博の接客ロボット[67]を見たら、それは決して夢だけではないであろう。しかし、もしそれが本当に普及すると、人間同士との交際はもう要らないかもしれない。特に本来受けのよくない、結婚の条件のよくない人々にとって、面倒くさい人間関係をやめて、ロボットをパートナーとして連れて歩くほうがもっと自在的であろう。もしそういうなら、人類よりロボットのほうがもっと大切にすることがしばしばありながら、既存の倫理道徳や婚姻制度が根底的な衝撃を受けるに決まっている。
 ゲーム「To Heart」(Leaf,1997)やコミック「ちょびっツ」(講談社,2000)といった人工知能を付ける女性型ロボットがヒロインを扱う作品によって、それが誕生した後の世界の人間関係を再検討することは私たちが深く考えなければならない。だが、それは本当に人間に幸せを与えるものであろうか。

 要するに、萌えOTAKUの発展は極端個人主義の恋愛に一途をたどり、既存の人間関係、特に男女関係を軽視しながら、好きなキャラクターの実在の姿のために命を捧げるという奇矯な状況になる。結局、男女の間の責任はただ人類の後代を持続するためであろうか。それは、真に人類の望む未来であろうか。一首の俳句で今の状況を総括して本文を終わらせていただきたい。

「心(しん)を癒(いや)す 大和撫子(やまとなでしこ) 虚構(きょこう)にいる」

[65]等身大抱き枕:キャラクターの全身図像をプリントした抱き枕。長さは140-160cmくらいである。
[66]ダッチワイフ:等身大の女性型の人形の外観を持ちながら、男性との疑似性交用として利用される一種の性具。
[67]接客ロボット:展覧会などで、観客からの質問を聴いた後で、解答やインフォメーションを観客に与えられ、また人間としての基本対話ができる人工知能を持つロボット。ここには、特に愛知万博の会場入口ゲートに「いった」「笹野さん」(日本語・中国語・韓国語・英語ができる)を指す。

[終]

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参考文献
参考書目 (作者名五十音順)

[1] 石原慎太郎.仮想と虚妄の時代―援助交際と純愛―[J].文芸春秋,2005,2005.5
[2] 大塚英志.「おたく」の精神史 一九八〇年代論[M].第4刷.東京:講談社,2004
[3] 岡田斗司夫.オタク学入門[M].第4版.東京:太田出版,1996
[4] 小倉千加子.結婚の条件[M].東京:朝日新聞社,2003
[5] 斎藤環,酒井順子.「性愛」格差論―萌えとモテの間で―[M].東京:中央公論新社,2006
[6] 森永卓郎.オタク批判に答える[J].メカビ.東京:講談社,2006,Vol.1
[7] 森永卓郎.萌え経済学[M].東京:講談社,2005
[8] 東浩紀.動物化するポストモダン オタクから見た日本社会[M].東京:講談社,2001
[9] 堀田純司.萌え萌えジャパン 二兆円市場の萌える構造[M].東京:講談社,2005
[10] 本田透.電波男[M].東京:三才ブックス,2005

インターネット参考資料

日本政府機関ウェブ:
[11] 厚生労働省 国立社会保障・人口問題研究所 http://www.ipss.go.jp/
人口動向研究部.第13回結婚と出産に関する全国調査 出生動向基本調査 夫婦調査の結果概要[EB/OL].(2006-6)[2007-4-26].http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou13/doukou13.asp
人口動向研究部.第13回結婚と出産に関する全国調査 出生動向基本調査 独身者調査の結果概要[EB/OL].(2006-9)[2007-4-26].http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou13_s/doukou13_s.asp
[12] 内閣府 国民生活政策 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/index.html
竹中平蔵.平成15年版国民生活白書[EB/OL].(2003-5-30)[2007-4-26].http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h15/honbun/index.html
竹中平蔵.平成17年版国民生活白書[EB/OL].(2005-8-12)[2007-4-26].http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h17/01_honpen/index.html

一般会社ウェブ:
[13] 株式会社リクルートワークス研究所 http://rikunabi-next.yahoo.co.jp
豊田義博.「28歳の年収格差」実態レポート[EB/OL].[2007-4-26].http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/01/kakusa/kakusa_01.html
豊田義博.「33歳の年収格差」実態レポート[EB/OL].[2007-4-26].http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/01/kakusa/kakusa_02.html


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2 コメント

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論文、お疲れ様です (don777)
2009-02-21 22:58:38
こんばんは。

全文読んだ上での、私の感想です。

”technologyの進化によって、(virtual girlfriend的な方向は)このまま、行き着くところまで、行ってしまうのではないか”という予想に、おおむね、私も同感です。

(その方向が、道徳的、倫理的に正しいかどうかは、正直、私も、よく分かりません。それなりに時間が経過しないと、誰も答が出せないと思います)

ざっと思いつく、仮説にそった事例は、以下のようなところですね。
(博識なqooalex83さんは、既知の事例ばかりかもしれないし、既に論文の書かれた後の事例が多いのは、お許しを)

●2001:ときメモ3
 ユーザーの名前の読み上げ機能(EVS)が、ありました(今にして思うと、結構画期的だった)。単なる棒読みではなく、ユーザーの気持ちを引きつけるように、intonationも変化する機能が付いていました。

●2008:電脳フィギュア「ARis」
http://www.geishatokyo.com/jp/ar-figure/
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0811/06/news045.html
 ARを使って、webcamのユーザー環境にCGフィギュアを合成するのは、virtual彼女の実現への、歴史的第1段階だ(^^)。

●2008:NTT DoCoMo「iコンシェル」
http://imode-press.jp/imode/top/new_service/concierge/index.html
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/11/05/068/
 ”たまごっち”よりは、こういった携帯との一体型を、予想しています。いまは、偶然に”ひつじのしつじ(羊の執事)”だけど、これが、知らない間に、腐女子向け”黒執事”や、萌えるメイドさんに変化していても、私は、別に驚きません。

ちなみに”ちぃ”が現実になるのは、もっとずっと先の遠い未来かなと思っています(少なくとも、20~30年は、かかりそう)。そのころには、きっと婚姻の概念も変化していると思います。
---
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Unknown (qooalex83)
2009-02-23 19:50:37
日本の厳しい人間関係によって、毎日仮面をかぶっているが、自分の休憩時間には思い切って望むことを職人級までやることが多くて、別な話といえば「人格分裂」とも言えるほど辛い状態に落ち込む。

そのため、自分で恋愛相手をカスタマイズできたら何よりだ。条件がよくない男性にとって、厳しい戦いで失敗をしか呑まないより理想的な仮想現実でごまかすほうがもっと簡単に「自分で支配できる欲望」を狙えるだろう。
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