四駒笑劇漫画

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『地球で最後の男』の中に天才を発見!!

2005年04月16日 | 誰も知らないZ級映画評
あなたは驚異する・・・タイトルの魔力に
地球で最後の男

 皆さんはレンタルビデオ屋さんでビデオ(あるいはDVD)を借りる時、『今日は何を借りようか』と思った事があるはずだ。ビデオ屋さんに行って、内容の知らない作品を選ぶ時の基準はパッケージとタイトルだろう。僕も勿論そうだ。僕の目に止まったのは、廃墟の街を歩く警官の後ろ姿のパッケージ。そしてタイトルは『地球で最後の男』。裏の写真を見るがほとんど、ブラックで何がなんだかわからない。そこで解説文を読む『目を覚ますと世界が消えていた・・・』僕は目を閉じ、想像する。

 廃墟の街を歩く男。男は考える「ここはどこだ?俺はなぜここにいる?人間はどこに行った?」そこには何日か前まで人がいたのだろう、その気配、道路に渦巻く新聞、動かない車、割れたガラス、商品が並んだままの店舗。一体、何が・・・・。

僕はハッと目を開け、レジにビデオ(本当はDVD)を持って行く。ピアスだらけのちょっと太めの女性の店員に「新作ですので、二泊三日でいいですか?」と聞かれ「ハイ」と言う。この時、既に僕は気づいていなかった・・・。僕にとっての『地球で最後の男』が始まっている事を・・・。家に帰ってすぐに仕事をしようと思ったが、ビデオの内容が気になり、クライアントに電話して「急用が出来たので、少し仕上がりが遅れます」と告げる。もちろん、急用とはビデオ鑑賞だ。そしてポテトチップスと麦茶を用意して、DVDをスタートする。

最初の3分のあるシーンを観てピンとくる。その時、心の中で叫ぶ『まさか!』。しかし、的中していた。そう、このビデオ映画は最初の3分で最後のオチがわかってしまう映画なのだ。でも、失望してはいけない!と言いたいが、そうも言えない。なぜなら・・・

ストーリーは警官ガブリエル・グッドマン(聖人って意味?)は犯人を追跡し、突然、気を失う。目がさめると街(と言っても近所1キロ範囲内)は廃墟になり、人はいないが死神らしき者が歩いている。その上、時計は逆戻り、ニュースは意味不明。そこにピストルを持った神父があらわれ、意味不明なセリフを連発する。「予言の通りだ!!聖書の黙示録だ!!私は人を殺した」という感じだ。大抵の人はここでDVDを切るか、返却してしまうだろう。しかし、僕は我慢する事にした。
主人公のガブは物語の最初から最後までフラッシュバックで幸せだった自分や妻の笑顔、それに頭に穴の空いた自分の姿を見る。(このシーンだけでさっきも言ったように、子供以外の大抵の人はオチがわかってしまう)とにかく、そこから先も永延に黒人の若者とグチグチ話したり、変な男と人生相談したりしている。その上、ほとんどの撮影は何かの廃墟ビルだけで行われている・・・たぶん病院だろう。僕が思うに予算のない映画オタクが廃墟の病院と小道具のピストル、死神のマスクを手に入れて、『俺は天才だ』と勘違いしながら、撮ったのがこの作品だろう。それを日本の業者が安くで買い取り、『DARK HEAVEN』というタイトルでは売れないと言い出し、『地球で最後の男』と言うタイトルをつけたのだろう。もし、この映画関係者に天才がいるとしたら、この映画のタイトルをつけた奴だ。

DVDを観終わって、仕事の事を思い出し、つぶやいた・・・「これも夢であってほしい。」


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