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7月28日から8月1日は久々の海外出張だったのだが、こうまでトラブル続きになると思いませんでした。だいたい、旅券をパスポートセンターから受け取ったのが出国の前日だからね。

■7/28(水)
伊丹⇒成田のフライトが出発30分の遅れ。離陸直前で搭乗を取り止めた奴等がいて、貨物室の荷物を引っ張り出す作業で時間を食われた。機の窓から見える大量のダンボール。うーむ。アジアの某大国のお金持ちのわがままとも考えられる。でも機体は国際線仕様のB-777。チケットはエコノミーなんだけど、シートはビジネスクラス。シートをフルフラットにして爆睡

成田⇒シンガポールのフライトが出発1時間30分の遅れ。機体はエアバスA-380。でかっ

でもエコノミークラス席はボーイングと変わらん。せまっ

シンガポール⇒ペナンの乗り継ぎは、チャンギー空港の巨大ターミナルを走ってぎりぎりセーフ。機体はA-319。 A-319
現地時間21時ごろ、ほぼ予定通りにペナン空港到着、マレーシア入国。現法のマネージャーIKEちゃんの出迎えをうける。IKEちゃんとは20年ぶりの再会である。

■7/29(木)
ペナン大橋を通ってマレーシア本土に渡り、2顧客2工場・現場事務所・現法ペナン事務所で業務。順調、最近ないほどの充実した内容。ローカルの人たちともランチで交流

夕食はシーサイドの海鮮料理。その後現法日本人スタッフと2次会。ちょっと騒ぎすぎ
で、旅券紛失
ホテルで気づき店や心当たりを探しまくるも出てこない。気分的にも朦朧として床に就く。

■7/30(金)
旅券紛失という事実が、夜明けともに心身にずっしりとのしかかり、心の半分は空洞である

シンガポールへ向かう同僚をペナン空港で見送り、10時ごろ空港ポリスに紛失届け提出。

街中の写真屋で写真を撮り、大急ぎで日本領事館に行って帰国のための渡航書
を申請する。すなわち、帰国のみに使用できる1回きりのテンポラリーパスポートである。日本人の担当官に事情説明。発給手続きを急いでくれるという。

2時間後、渡航書発給。

同時に、紛失したオリジナル旅券は失効となった。帰国のための渡航書だから第3国には出国できないのだ。げげっ、てことはシンガポール入国ができん。シンガポールの日程をキャンセルし、本来の帰国予定日までに出国できるよう、IKEちゃんとマレーシア現法の優秀なローカルスタッフ・Jasmineが一緒に走り回ってくれることになった。
ホント、トホホな申し分けなさである

ペナン州出入国管理事務所で渡航書に入国スタンプ押印を受けなけらばならない。パスポートを紛失した今、入国の証拠がないからだ。ペナン州出入国管理事務所に着くも、金曜日はイスラム教のお祈りの日だから、12時から14時45分までは業務停止。マレーシアでは役所関係のたちはほとんどがムスリム...というのが風海庵の印象。

この待ち時間中に、昨夜の2次会の店から連絡があり、
「パスポート見つかった。あんたたちがいた隣の部屋に落ちてたよ。」
ばっかもん
もう2時間早ければ、こんなややこしくならんで済んだのに
でも、アホなのは俺だからなあ~
大至急日本領事館に連絡。紛失旅券が出てきたので失効を取り消して欲しいと、ダメもとのお願いをする。領事館の人はわざわ外務省に連絡をとってくれたのだが、機械的に失効処理を済ませてしまったので復活は無理と返事だった。

入国を証明するもの(航空チケットの半券や宿泊したホテルの領収書)を用意して相談窓口で受付票をもらい、多人種多人数の人々ともに、待合室でじっと待つ
待っている間、Jasmineに片言で話しかけ、英語の勉強をする。
力強い「Yes!!」という発音が特徴の、実にはきはきとした女性で、一目でクレバーさがうかがえるキャラ。お互いの家族の話をしたり(Jasmineはお祖父さんの代からペナンで生活している華人...多分)、近々マレーシア現法全員で上海万博に行くんだけど、アタシがコーディネーター...3グループに分かれて行くんだけど、アタシのグループはアタシ紅一点なのよね~...アタシも3○歳になっちゃたわぁ...なーんて世間話。

いい加減待つのも飽きてきたころ、出入国管理コンピュータがシステムダウン。様々な処理待ちの人々を残して、17時ジャストにきっちり業務終了。3時間待ってこれかよ
申しわけなさのカケラもなし。Jasmineが、ムスリムの女性管理官にスタンプぐらい押してよって詰めよってくれたのだが、
「システムがダウンしてるからダメ。土日は休み。次の窓口業務は8/1月曜日。システムが復旧していればスタンプを押せる。月曜日に来なさいよ。優先的に受け付けられるように、アタシのサイン書いとくから...。ただし、システムが復旧したらね。」
「ペナンから橋を渡ったクチン州の出入国管理事務所なら、日曜日もやってるよ。ただし、システムが復旧したらね。」
しかたねえ。帰国一日遅れで帰ることにする。日曜はIKEちゃんが動けないので、Jasmineが風海庵のクチン州出入国管理事務所詣でに付き合ってくれることになった。

会社のペナン事務所でJasmineと分かれて、とりえず出てきた旅券を受取にIKEちゃんと店に行く。思わず旅券にチューをした。俺の手元にあったのはたった2日間だった...て言ったら、店のチーママが、
「あたしの知り合いに旅行代理店の社長がいて、テンポラリーパスポートに入国スタンプがなくても、入国カードにスタンプがあれば出国できるって言ってるわよ。何人もそれで出国させてるってさ。」
なにい~。こりゃ出入国管理事務所で確認しなきゃならん。うまく行けば、シンガポールに入国はできないが、当初の予定通りの帰国便に同僚と搭乗できる。でも、ペナン州の事務所は閉まっちゃったなあ。
「ペナン空港の出入国管理事務所ならずっと開いてるはずだ!そこに行きましょう!」
とIKEちゃん。さっそく車をとばして空港へ。ペナン空港の出入国管理事務所は、今朝、旅券に紛失届けを出したポリスステーションの対面だった。

ここでもムスリムの女性管理官が応対してくれた。最初は、入国カードがあってもテンポラリーパスポートに入国スタンプをもらわないとダメだ!と言っていたのだが、旅券が見つかっていることを告げると、急に表情が明るくなって、
「出てきた旅券に入国スタンプが押してあるのなら、それで出国しなさい。テンポラリーパスポートは見せなくていい。」
「へっ。だってこの旅券は失効してまっせ。日本外務省の処理で。」
「大丈夫。ノープロブラムよ。旅券を出国窓口で見せなさい。」
「ほんとですかあ~。」
こっちも急に表情が明るくなって、サンキューを連発して事務所を出た。

IKEちゃんはお客との会合があるので、今夜は一人で食事をとることになった。
「風海庵さん。領事館とか州のイミグレとか、僕も行かないような、なかなか普通の人では行けないところに行きましたね。」
ホント迷惑をかけた
ホテルの部屋に入る。鏡に映る自分の顔がここのところ見たことないゲッソリ顔だ。どっと疲れた。
どんな病気にかかってもプレッシャーがあっても、食欲だけはなくならないという風海庵だが、この日はルームサービスでナシゴレンを頼み、半分残しました(つくねとかタンドリーチキンとか付いていて量はある)。
アルコールなし。ぼけーっと寝る

■7/31(土)
6時ごろ目覚める。外は真っ暗。夏のような気候だから、日本のように夜明けが早いかというとそうじゃない。熱帯だから太陽高度に日本の四季のような変動はない。日本から5千キロ以上西に離れているのだけれど、時差は1時間しかない。したがって夜明けの時間は日本人の感覚よりはずいぶんと遅いのだ。

昨日の残りのナシゴレンで朝飯。午前中はホテルでパソコンをたたいてレポートを作成したり、ラウンジでコーヒーを飲んで過ごす。

昼過ぎにIKEちゃんが迎えに来てくれた。車中で段取りを相談する。早めにペナン空港に行って、もう一度出国手続を確認する。ペナン空港の出発ロビーからイミグレの窓口は丸見えなので、IKEちゃんが風海庵の通関を見届ける。うまく通関したらIKEちゃんはKL(クアラルンプール)に戻る。Jasimineに段取りを連絡して、取りあえず日曜はフリーにしてあげた。日本の海外部門の某部長にIKEちゃんが連絡すると、「ホントにそれでいけるのお?」とは言わないけど半信半疑の応対。疑問の塊。

ペナン空港の出入国管理事務所には昨日の女性管理官がいて、僕たちを見るなり、
「ノープロブラム。」
と言った。再度、失効している旅券で出国できるのか尋ねると、
「マレーシアのイミグレーションは、この旅券のスタンプであなたの入出国が確認できるから問題ないの。旅券の有効無効は日本のイミグレの問題なわけ。アタシたちは日本のアクションが分からないから、コメントできないけど、がんばってねん。」
と、まあ、おおよそこんな会話をしてバイバイした。

SILK AIRのカウンターがオープンするまで、マクドナルドでハンバーガー食ったりカフェでコーヒー飲んで、「通関さえしちまえば、こっちのもんだ。戻されることはまずないっすからなあ。」「成田の入管がいちゃもんつけても、間違いなく本人だし、日本人なんだからどーってこたあないでしょう。」。

16:30 SILK AIRのカウンターが開いた。搭乗券を受けとって国際線ゲートへ。入る前にIKEちゃんとがっちり握手。
彼の視線を背中に感じながら、出国窓口へ。何食わぬ顔で、紛失し再び帰ってきた旅券と出国カードを提出。感じの良さそうなマレー人の男性管理官。
「シンガポールでは出ないね?そのままNARITA?」
「そう。トランジットオンリー。」
「OK!Have a nice day.」
「Thank you Officer!」
で出国。おもわすガッツポーズで振り返ると、30m向こうのガラス越しでIKEちゃんも手を上げてガッツポーズ。手を振ってお互い分かれる

18:05 ペナン離陸。
左に見えるのがペナン島東部。
奥の街並みがジョージタウンあたり。

無事シンガポールはチャンギー空港で同僚と落ち合い、予定のA-380で出発。
機内は冷房効きすぎで超寒。おかげでさまですっかりゲリピー。飛行中の大5回は新記録

■8/1(日)
早朝。定刻に若干遅れて成田到着。
入管で失効旅券と渡航書を提示。若い入管担当。
「ああ。旅券出てきたんですね。」
と状況を即理解。続いて、
「あれぇ。おっかしいなあ。すいませ~ん。」
と年配の人を呼ぶ。
「この旅券、失効してるはずなんですけど、機械通っちゃうんです...
へっ。なんで。
すぐに年配の入管が来て、
「ちょと処理に時間かかるから別の場所で手続しましょう。」
と一緒に歩きながら紛失失効四方山話。一応入管なんだろうけど、CRTが並ぶ雰囲気が全く別の場所で、チャカチャカとキーを叩いて処置終了。渡航書に出入国スタンプ。
「はい。お疲れ様でした。残念ながらこの旅券は失効してますから、再度申請していただくことになります。申しわけないけど...。」
で、普通の人とは別のゲートから入国しました。
うーむ。さっき機械通ったってことは、物理的に失効したのはいつなんでしょうかねえー

今回の出張は最後の最後までいろいろとありました。大阪に帰っても上役にらたっぷり皮肉をいただきまして。ぐちぐちと。
結局張り切って仕事したかったシンガポールに入国できず、中途半端な出張になったこともあって、落ち込みの日々がいささか長引いた。最近までブログ更新の気力沸かなかったのだ

でも、本当にマレーシアスタッフにはお世話になりました。
いずれご尽力にふさわしいのお返しをせねばなりません。お待ちを...

後日、マレーシアのあれやこれやの記事、アップします


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コメント
 
 
 
お疲れ (DENKO)
2010-08-14 16:01:32
やー 読んだだけで ぐったり疲れた
まぁ このトラブルも 何かしら人生に意味があるのでしょう。私は26日から イギリス リベンジです。
以前火山灰で行けなかったから・・。帰ってきたら 働かなくっちゃ
 
 
 
お気をつけて... (風海庵)
2010-08-15 00:15:45
反省を込めてあえて申し上げますが、えるそろのハジメ操舵長が何年か前に欧州視察したとき、ロンドンで旅券すられました。数カ国をまわらなければならなかった彼は、日本大使館が再発給してくれるまでの3日間、ひとりロンドンで過ごし、ドイツに旅立ったのであります。
お気をつけて...。

素敵なリベンジ旅行になることをお祈り申し上げます。
 
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