上野 成就院 やすらぎ修行会「プチ法話」

御大師さまのご縁日である毎月21日。成就院では「やすらぎ修行会」を行っております。
ご参加お待ちしてます。

第八十二回「やすらぎ修行会」プチ法話 2018/2/21

2018-02-22 12:29:45 | 第81回~第90回
 「一時保護所」にお勤めの方が、モグモグ食堂に来てくれました。子供の脇にそっと座ると、魚の骨を取ってあげたりと食事の世話をしてくれます。ごく自然なふるまいで感心しました。「一時保護所」とは、虐待や育児放棄など、社会的養護を必要としている子供を緊急的に預かる施設です。

 施設で暮らす子供の中には、七歳というのに平仮名が読めない子がいるそうです。でもマクドナルドのメニューは読める。マクドナルドで食事を取るのが常なので必然的にメニューが読めるようになる。また、上下すべての歯が虫歯という子もいるとか。歯磨きをまったくしていないのでしょう。

施設職員は、子供たちと一緒に食事を取ることが常だそうです。隣に座ると「こんにゃくだよ。プルプルした感じだね」「にんじんは赤い色できれいだね」「ピーマンのにおいは嫌いかな」「お魚を一度食べてみよう。おいしいよ」など声をかけながら、話をしながら食事を取る。ファーストフード、コンビニ弁当しか食べてこなかった子供たちは、野菜や魚、肉という食材そのものをよく知らない。

食べ物をただ飲み込むという行為はおよそ「食事」とは呼べません。食事とは「おいしいものだ」と子供たちに知ってもらうのが大切な仕事。「おいしさ」を認識してくれれば、食事そのものが楽しみとなり、仲間と食べる喜び、作ってくれる人への思い、いろいろな料理への興味・関心、そして自ら料理をしようという思いなどが次から次へと湧き起こり、自らの世界が広がっていくに違いありません。

食事とは毎日の営み、生きる力の源です。毎食毎食、楽しくおいしく頂きたいですね。

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