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彩賀の徒然なるままに…

徒然なるままに,種々様々な事を記す控帳(TB&Comenntは表紙1番目の記事をご参照を。)

【相棒】Case 07-10.「ノアの方舟」(2009年正月スペシャル)

2009-01-04 08:01:30 | 相棒シリーズ
今週の『相棒』(Season7)第10話「ノアの方舟~聖夜の大停電は殺人招待状! 狙われた法務大臣・次の標的は豪華客船?」の感想記事です。

※註
ラテ欄タイトルが長いので,記事タイトルは一部割愛しています。

さて8年という長きに渡って特命係に在籍していた,亀山薫が去ってから初の事件(?)(※註),その最初の事件が『相棒』恒例の正月スペシャルになるのですが…。

※註
今年の春に公開される『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』は,昨年公開された『相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195㎞ 東京ビックシティマラソン』と同時期に発生した事件になるので,薫がまだ特命係に在籍している頃に当たる。

結論から言えば,矢張り薫の抜けた穴が大きい事を改めて感じさせられたエピソードだったと思います。

今回の事件そのものは,

1.法務大臣の息子が失踪し,その行方を追う右京は法務省官房長補佐官の姉川と臨時にコンビを組み調査するものの,その行く先で息子がエコテロリストではないかという疑惑が出ているというのは,ミステリー作品でいうところのミスリーディングなので,視聴者が物語に引き込む様な描写になっている事。

2.中盤に登場したメモ書きから,次の犯行予告を思わせるメッセージと判断したのは良いものの,”真犯人”の意図で捜査陣のミスリーディングを誘うやり方も同様な事が言える。
(レギュラーとは言え,大河内審議官の出番がここだけしかなかったのは少々残念か…。)

3.最終的に大企業が主催するフェリー上でのチャリティーで2つの事件が発生し,そこで真犯人が明らかになるのは事件解決という面から考えると悪くはない(寧ろ最終的に視聴者に対して「おっ!?」と思わせるものがある)。

と3つに分けて考えると,これまでの『相棒』正月スペシャルに見劣りしない内容だったと思います。

特に3番目の要点については,撮影が難しい洋上の撮影ということもあり,昨年の正月スペシャル(Season6 第10話「寝台特急カシオペア殺人事件!上野~札幌1200kmを走る豪華密室!犯人はこの中にいる!!」)であった,「寝台列車=移動する一種の密室」の別パターンとして上手くできているのではないかと思いました。

それでも,どこか物足りなさを感じるのは―。

1.薫がいない事で,特命係と捜査一係をはじめとする捜査陣の”横の連携”の糸が薄くなっている。
2.その為,捜査一係が犯人に振り廻される事で,悪く言えば”道化”と思われる様な描写になっている。
3.”相棒”と謳っているものの,事件解明の大半を右京が解き明かしている―”相棒”ポジションの人物(=姉川)は悪く言えば”余り役に立ってない”印象を受ける。

という,3つの問題点があるのでは―と思います。

1番目については,薫が元々捜査一係から左遷されている為,トリオ・ザ・捜一の面メンバーとは顔見知りという点や,特命係とトリオ・ザ・捜一とのやり取りが薄くなった事で,両者が掴んだ事件の情報が横に流れないという点を感じました。

ただ,あえて横の繋がりを薄くしている事で事態がより悪い方向に緊張していく様を描いているとすれば問題がないと思うのですが,(要は受け留め方なのでしょうが)事件解決まで行き伸ばしている印象を受けるのではないのかと思います。

2番目については,これは『相棒』の基本(原則的に事件の解決は特命係が行う)に立ち返ってのものと考えると違和感がないものの,大規模な事件を解決するのにはそぐわないストーリー展開という印象があります。
(例:『相棒 -劇場版-』,Season5第11話「バベルの塔~史上最悪のカウントダウン! 爆破予告ホテルの罠」)

ただこの2点「もう薫がいなくなったので,これまでどおりの描き方とはちょっと変えますよ」というスタッフの意思表示だったとするなら,これは見ている人間の意識の問題になるのかもしれません。

が,3番目については,これは仕方がないでしょう。

「右京のパートナーは薫」というのが8年に渡ってのものだから,視聴者にとってはそれだけ浸透している事項ですし,前回までの描き方では右京と薫は自然と阿吽の呼吸で事件解明に取り組んでいた様にみえましたし,そういう認識でいる視聴者側からすれば仕方がない事でしょう。

流石に臨時でコンビを組んだ姉川にそこまで求めるのは酷というものでしょうね。
(次回予告から考えると,角田課長が”相棒”ポジションになるようですし…。)

これは今後続いていくであろう『相棒』が,このエピソードを振り返った時に,何らかの「ターニングポイント」として位置づけられるエピソードなのではないか―。

現状では,その様な認識で留めて置く方が無難なところなのかもしれませんね。


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