F & F嫁の “FFree World”

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エンターテイメントとしてのオケ

2008年01月06日 | Cinema & Musik
 
F log

新年の名物となっているVPOのニューイヤーコンサート。
ここ最近は誰が振るか、なんて話題も気にしなくなっていた。


さて正月休み2日目は縁あって東京オペラシティー・タケミツメモリアルに行ってきた。


ウインナー・ワルツ・オーケストラ ~宮殿祝賀コンサート~


オーケストラの演奏だけではなく、歌あり踊りありの新年にふさわしいエンターテイメントだ。
演奏曲目は、


第1部

  1.春の声
  2.コントルダンス
  3.ティヴォリ・ルーチェ
  4.愛の悲しみ
  5.バーデン娘
  6.トリッチ・トラッチ・ポルカ
  7.ヴィリアの歌(喜歌劇「メリー・ウィドウ」より)
  8.テープは切られた

 
第2部

  1.南国のバラ
  2.ツヴァンツィネッテ(喜歌劇「エヴァ」より)
  3.今日、私と幸せになれる男(ひと)は(喜歌劇「ポンパドゥール夫人」より)
  4.スケーターズ・ワルツ(スケートをする人々)
  5.クラップフェンの森にて
  6.マラプー
  7.私は夢に生きたい(歌劇「ロミオとジュリエット」より)
  8.美しき青きドナウ



の1部2部あわせて全16曲。


指揮者でありこのコンサートの企画人でもある、マエストロ サンドロ・クトゥレーロは
指揮をウィーンで学んだイタリア人である。
ウィーンで身につけたワルツのスキルをより親しみやすいエンターテイメントにして聴衆を楽しませる。


トップ写真は初めて行ったタケミツ・メモリアルのステージだが、とてもキレイで好感の持てるホール。
天井がもの凄く高くて気持ちよい。
ステージは4本のギリシャ柱、赤いリノ、そして花が飾られているだけのシンプルさだが、
どうしてどうして不思議と華やかに見える。やるなギリシャ柱


第1部の1.5.8曲、第2部の4.8曲にバレエダンサーが登場。
オケ前の狭いリノリウムで男女2ペアが踊る。
イメージわかないだろうか?





こんな感じ。
いってみればVPOのニューイヤーコンサートの中継に挿入される、ウィーン国立歌劇場バレエ団の
踊りのようなものである。


踊りだけでなくショートストーリー的なお芝居もありおもしろい。
ワルツに乗って軽やかに舞う金髪碧眼のダンサーは、東洋人から見て雰囲気満点ではある。
ただ踊りとしてはもう一ふん張りも二ふん張りもしてもらいたい。
実際もっと踊れる日本人がいたとしても、場の雰囲気にはそぐわないのだろうが・・・


ソプラノ歌手は第1部の7曲、第2部の3.7曲に出演。
キレイな歌い手だったが残念ながら声量不足。
ヴァイオリン8本、ヴィオラ・チェロ2本づつ、コンバス1本に負けていては、グランドオペラは歌えまい。
生粋のウィーンっ子である彼女には頑張ってもらいたい。




肝心のオケは指揮者に負うところが多いと思うのだが、よく言えば聴衆を楽しませる伝統芸。
逆に言えば正統なウィンナワルツを期待して来場した観客は眉をひそめる場合もあるやに思う。


個人的にはエンターテイメントとしてとても楽しめた。
クラシカルな芸術でおちゃらけるには、基本の演奏技術が確かなことが最低条件だがその点は心配ない。
クラップフェンで悪戯した(もちろん演出)打楽器奏者にイエローカードを出したり、
ポルカのもの凄い爆速、ドナウでの過剰なまでのポルタメントなどで徹底的に観客を楽しませる。


現状ではギリギリの線で成立していると思う。


これ以上ギャグに振るとやはりクラシックのコンサートは呼びにくくなるし、あまりに真面目では
この日の客層に合致しない。
お客さんはクラシックの深層ファン(そういう方はこちらに行く)ではなく、もちろんバレエファンでもない。
毎年クラシックのコンサートはコレだけ、という観客が多数いるのではないか。


このコンサート(なんと9年目の来日公演だ)を楽しみにしている固定ファンは多い。


マエストロもわかっていて絶妙な外し具合と決めるところは決める、というスタンスを貫いている。
これはこれで楽しいのだ。それで良いのだ。なにしろ・・・


ラデツキー行進曲で手拍子できたことはとても楽しかった。


昔はVPOのテレビ中継を見ながらシャンシャンしており、いつかはムジークフェラインに
行きたいなぁと思っていたのだから。
オケも会場も違えど、それが生演奏で実現できたので嬉しい。
まぁカルチャーショックに近いな。クラシックの演奏中に手拍子するというのは。


会場の反応に気を良くしたのかマエストロはアンコールを4曲もかますサービス振り。





終演後、ロビーに出たら手書きで本日のアンコール曲目が掲示されていた。
これはとても気の利いたサービス。
マエストロの怪しい英語ではよく分からなかったので(笑)
スタッフのご苦労がしのばれる。



いろいろ意見はあるだろうが、エンターテイメントとしてとても楽しかった。
今後もこの絶妙な線を踏み外さずに頑張って欲しい。






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6 コメント

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ブラボー! (トミー)
2008-01-06 18:19:52
楽しい一時を過ごされたようですね。
タケミツ・メモリアル・・・よかったでしょう!
ここには結構何度も通っていますが、音響も落ち着いてきたように感じるし、気に入っています。
ピラミッドの下で歌曲などを聴いた日にゃぁ、天から音楽が降り注いでくるように感じますよ。(笑)

テレビでニューイアーコンサートを見ましたが、Fさんはオペラシティーで楽しまれていたわけですね。
ラデッキーはカルチャーショック?
クラッシックでも、もっとぶっ飛ぶのがありまっせ!(笑)

今年も色々感じて、楽しい一年になりますように!
アンコール! ()
2008-01-06 22:48:48
今日聞いた話だと、大宮でも「ブラボー!」の声がかかったにも関わらず、アンコールは3曲だったそうです。モンティのチャルダッシュはカットだとか。
このアンコール曲が書いてある紙、そう言えば去年のコルソ・ウィーンでも見たのを思い出しました。光藍社の持ち物なのか、それともオペラシティのものなのか…。

なんにせよ、こういう音楽の底辺を広げてくれる光藍社はいい仕事をしてくれてると思います。本格的なファンには物足りない部分も出てくるでしょうが。
素晴らしいホール (F)
2008-01-06 23:23:50
トミーさん、こんばんわ。

とんとクラシック音楽がご無沙汰になってしまいました。
久しぶりの演奏会でこんな素敵なホールだったのでよかったです。
ラデツキーで手拍子して喜んでましたが、もっとぷっ飛ぶのが気になります。
観客参加型の何かがあるのでしょうか。

今年も素敵な演奏会で耳も目も心も豊かにしたいですね

問題あり? (F)
2008-01-06 23:33:28
Hさん、こんばんわ。

昨日はたいへんお世話になりました。
やはりあの曲で締めるのは、問題が噴出したのではないでしょうか。
ステージはすごく楽しめました。
来年は F 嫁もラデツキーでシャンシャンしたいと申しております(爆)

光藍社の方々にはこのチャレンジ精神を忘れずに頑張ってもらいたいです。
着実に間口を広げる効果は出ていると思いますので

私は夢に生きたい (yol)
2008-01-06 23:36:12
おや?
第二部で、『ロミオとジュリエット』から「私は夢に生きたい」を歌ったのですね、、、、。

ということはやはり運命も行け行けと後押し?
ところがどうして・・ (F)
2008-01-07 00:09:28
yolさん、こんばんわ。

先程はお会いできてよかったです。
また「~祭り」(笑)でご一緒しましょう!!


>「私は夢に生きたい」を歌ったのですね、、、

私も期待していたのですが、これがまた・・・
madokakipさんにお聞かせしたら国際紛争になりそうな。
いずれにしてもライブ・ビューイングには行きたいと思ってます。
それはとても楽しみです

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