F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

ジゼル  バレエフェス12

2006年08月16日 | Ballet
 
F log

わたしの夏が終わった・・・

ええ、燃え尽きましたとも。真っ白に。



世界バレエフェスティバル30周年記念 特別企画
世界バレエフェスティバル特別全幕プロ 
アリーナ・コジョカル&マニュエル・ルグリ主演「ジゼル」全2幕


をF嫁と観てまいりました。素晴らしい舞台でした。
「ジゼル」のデフォになりそうです。




F嫁が一生懸命電話&クリックして取ってくれた席は4階レフト。
夏の上野の上階は暑いです。すぐ後ろに冷風の吹き出し口があるのに。
なんといっても2幕で下手のお墓が見切れてるのが残念。
左隣のルグリファンの女性も非常に悔しがっていました。
会場を見下ろしてすぐ気づきました。画面中央の黒い物体に。
巨大なテレビカメラです。計3台が客席を潰して鎮座してました。
「すわっDVD発売か?!」と色めき立ちましたが、どうやらNHK芸術劇場用の収録のようです。
ハイビジョンで撮っているので放送もBShiでヨロ
もっともDVDで発売してくれてもいっこうに困りません。保存用と観賞用に2枚買います。
なんならブルーレイでも。そのためだけにハードを購入してもよいです。



ロンドンのYoshiさん製作の衣装 に身を包んだ村娘コジョカルちゃんは可憐。
バレエダンサーは全員選ばれた人達ですが、そのなかで一定以上の技術を持ちながら、
10代の純朴な村娘を演じられるのは、さらに厳選された人です。
いや、努力ではどうにもならないジゼルとしての資質を生まれ持ったダンサー。
それがコジョカルちゃんです。
ベンチに腰を降ろしてアルブレヒトの座る位置を空けるためにスカートをそっとずらす
仕草の可愛らしさ。バチルドに飲み物を渡すとき、そっとグラスの底を自分のスカートで拭く奥ゆかしさ。

ファンゆえの身びいきなのは百も承知で、1幕は絶品だと申し上げましょう。
狂乱の場も外に飛び散る狂気というより、内に深く沈んでゆく(死ぬほどの)哀しみを
表現していたと思います。
ただ観る人によっては狂気の表現が物足りないと思われたかもしれません。
F嫁は1幕途中から横で号泣 「コジョカルが不憫だわ~」
ココでは「ジゼルが不憫だわ~」でないことに注目!!
1幕の素晴らしさに比べて、2幕はこれからの発展の余地を残していると思います。
頭のグラン・スゴンドがピタリと決まったときは、やったーと思いましたがね。





パリオペの、マニュエル・ルグリのアルブレヒトも素晴らしかったです。
じつは開演まえには危惧しておりまして、あちらこちらで(失礼ながら)ルグリは老けた、
との話を聞き、親子に見えちゃったらどうしようと思ってました。
ところが登場からルグリは颯爽と若々しく、どうしようもなく貴族でした。
どういえばいいんでしょう。
ジゼルにちょっかいは出したものの入れ込みすぎてはいなく、最初は冷酷ささえ感じました。
もちろん2幕ではジゼルの変わらぬ愛で変わってゆくのですが。
その2幕のヴァリも含めてじゅうぶん動けてました。ブリゼの連続も見事。
まだまだ踊れますね。もっとも全盛期は知らないのですが。


18番ともいうべき井脇さんのミルタは冷徹さを表現し、ヒラリオンの木村さんも熱演でした。
東京バレエ団のコール・ド・バレエのみなさんにも感銘を受けました。
パ・ド・シスもユイットもみごとな出来だったと思います。
ウィリの皆さまも静かな熱演。テレビ収録がプラスに作用したようです。
収録といえば途中のレヴェランスは極力抑えられており、これも映像作品を意識した
からでしょうか。


カーテンコールは7~8回に至ったでしょうか?
すごい拍手とブラヴォーです。1階席はほとんどスタンディングオべーションです。
コジョカルちゃんはレヴェランスのたびに、ちゃんと左右の上の階に目線をくれるのです。
10倍の双眼鏡で見ていると一瞬目が合ってドキッ。アホみたいですが






さて、実演の感想もそこそこにまたまたやって来ました出待ちの聖地(笑)文化会館楽屋口。



4階席でカーテンコールにつき合っていたらすっかり出遅れて、こんなポジショニングに。
おまけに係員の男性が「ルグリさんたちはお食事中ですので、何時に出ていらっしゃるか
わかりません。まだだいぶかかるとおもいます」と恐ろしいことを。
ええ、あの舞台を観た後なら待ちますとも、何時間でも。

ルグリファンが多いかと思っていましたが、おそらく半々くらいだったでしょうか。
フェスのパンフレットを用意する人、雑誌の切り抜きを出す人、撮影した過去の写真にと思ってる人
いろいろです。
ただ、今回のF&F嫁には秘策あり。


結局主役のふたり(+1名)が出てきたのは10時半過ぎ。並んで2時間以上経ってました。



初めて間近で見るルグリ。F嫁のサインペンに手を延ばしてくれたところ。
ライブビュー一眼(稼動式液晶モニターを見ながら撮影可)のメリットを生かしウエストレベルで
親指シャッターで撮ってみました。
ありゃりゃ? 手にピンがきてて肝心の表情が甘かったですね



やって来ましたジゼル@コジョカルちゃん。隣の隣の人あたりにサイン中。
今回、F嫁がルグリ&コジョカルにいただいたサインはこちら。



秘策その1。昨年、ルグリとパリオペで共演したときの写真です。
ルグリはとくにリアクションもなく、さらさらっと書いてくれましたが、コジョカルちゃんは
「わぉ~パリの写真ね?」(以下日本語訳は推測)と見事に反応。
コジョまではわかりますけどカルの部分はほとんど省略だ。狭い場所でゴメンネ。
それよりなにより死んだ写真でごめんね~


と、ここでFがサインをもらうのに秘策2を・・・



この写真の直後にコジョカルちゃんが眼を丸くして「お~~」と笑うんですが、
その瞬間は撮影できないんですわ。目が合っているんで。残念無念。いい笑顔だったのに。



もったいぶりましたが、それは雑誌の写真です。
ただその雑誌はロンドンの新聞、デイリーテレグラフ誌の4月29日の付録、ロイヤル・バレエ75周年
記念特集号です。
ロンドン留学時のりょうこさんに教えてもらったものです。
ロイヤル・バレエに関する新旧の人々がそれぞれ個性的な写真で紹介されてます。
先日プリンシパルに昇進した、サラ・ラムちゃんの記事にもその雑誌の写真をお借りしました。
日本に居ながらこの雑誌が入手できたのは、ある方の御厚意によるものです。
改めて感謝いたします。

なぜか白鳥のようなロングドレスを着たコジョカルちゃんが、公私とものパートナー、
ヨハン・コボーと写っています。
この写真にサインお願いします、と差し出したらこれがまた受けてました。
直後に拙い英語で二言三言お話したのですが、その内容はナイショ


主役二人は捕まっていますが、一緒に楽屋から出てきたコボーは待たせてあるタクシーの前で待機。
チャーンスと思い思い切って近づき、ここにサインをくださいと言ってみました。
コボーもバカ受けしていて「こんなのどこで手に入れたの~?」と笑いながらサインしてくれました。
でもよく乾く前に閉じたので、コボーのサインだけ前のページが写って剥げてしまいました。
サインがひと段落すると、ルグリ、コジョカル、コボーは同じタクシーで宿泊先へ帰っていきました。
残っていた人々は走り出すタクシーに拍手です



お盆の間ということもあり、空いているだろうという読みでクルマで来てみたんです。
帰りの車内でも素晴らしかった今日の舞台の話がいっぱい出ました。
BGMはもちろんアダンのジゼル。
コジョカルちゃんもすごくにこやかで、納得のいくステージだったように思われます。
希望しながら昨夜の舞台を観られなかった方々にご参考になればと思いますが、やはり
技術的なことはたいして書けませんでミーハー路線でした。
しばらくはNHKの番組案内を注視していてくださいね




写真の整理と記事でいつの間にか朝の5時です。ホントに燃え尽きました・・・





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18 コメント

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Unknown (A)
2006-08-16 10:51:11
レポ、ありがとうございます。

Fさんの熱狂ぶりが伝わってくるレポですね。

アリーナは華やかでゴージャス、という形容詞より、控えめながら可憐で、かわいらしく、その動きもあくまでも軽やかで、おとぎ話のお姫様にしても妖精にしてもお似合いです。内容表現が難しいと言われるジゼルでもFお嫁様の号泣は想像に難くありません。



サプライズのサイン用紙(?)は、彼女をして自分に並々ならぬファンがいることを感じさせたでしょう。F家の家宝が増えてよかったですね~。



彼女はまだまだこれからどんどん活躍してくるでしょう。次は新国のシンデレラですが、これも可憐ではかなげなシンデレラが王子と結ばれるおとぎ話プリンセスの王道。

今からとっても楽しみですね!

返信する
Unknown (奈央)
2006-08-16 15:54:58
すばらしいレポありがとうございました。

画像・・・全部保存しちゃいました^^笑



映像化されるなんて夢にも思ってなかった!!

NHKブラボーーです!!!!!!!!!!笑

早く放送してくれないかなぁ~~♪♪



今回は足の調子もよかったみたいなので、

次のシンデレラも無事来日してくれるといいですね♪♪



学生券はホント謎ですね。

ロイヤルが来日したときは普通にとれましたが・・・。

(その時はギエムと都さんの方がみんな狙ってたからかな?)

まぁ、今回のジゼルを放送してくれるとのことなので、

すべて許してあげようと思います。笑
返信する
やっと終わりました~ (F)
2006-08-16 18:33:36
Aさん、こんばんわ。



長いようであっという間のバレエフェス月間が終わりました。

全幕、Aプロ、Bプロ、もうお腹いっぱいのてんこ盛りという感じでしたね。



やはりひと言でコジョカルちゃんを表現するなら「可憐」ですね

可憐だけのダンサーはいるでしょうが、あれだけの表現力をもって全幕に望めるというのはやはりたいしたもんだと思います。



あいかわらず、写真を撮ったのサインをもらったのとアホなレポですみません。

サインばっかり増えてどうするつもりでしょう。

一応、「バレエ・テクニックのすべて」なんて本を片手に書いているのですが、前傾姿勢でジャンプし足を打ち鳴らしながら前進していく技とかよくわかりません。

プリゼでいいんでしょうか?



ってわけでダンサーが膝を打つレポを書くのは永久に無理そうです



返信する
夢のDVD (F)
2006-08-16 18:56:21
奈央ちゃん、こんばんわ。

素晴らしい舞台でした。

そんなありきたりな言葉でしか表現できない自分が悔しいほどです。



終演後、彼女の明るい表情は、舞台の成功の証のような気がします。

体調もほんと良さそうですね。



その意味でも昨夜、収録が入ったのは福音です。

全員目立った失敗もなかったし、オケもいつもよりはがんばってました。

放映だけでなく是非、映像作品として販売してほしいのですが。



ところで、これカメラのアップです。



http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/c1/4354798e2602b181bf79f301c8dd0acd.jpg



少なくともここで5席は潰れてます。

客席上には計3台ですから少なくとも15席から20席は着席不可能だったわけです。

このしわ寄せが学生券に・・・というのは考えすぎでしょうか。



テレビ放映が決まって、奈央ちゃんにも昨日の舞台の感動が一部だけでも伝われば幸いです。

ホントはDVDで出して欲しいんですよ。ヴィシ&マラみたいに。



そういえばその二人の「ジゼル」は明日ですね。

奈央ちゃんのレポも楽しみにしています。







おまけ・・これもどーぞ!!



http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/09/46e028031355e6426800d8ba0f594210.jpg



http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/6c/1bea46dd9c47f17e682c257c179848d0.jpg



返信する
Unknown (くらら)
2006-08-16 22:40:06


すごく素敵なレポでした!!ありがとうございます。

写真も素敵ですね♪

ほとんどの人がプログラムにサインをしてもらっていますから、このサイン用紙はとても印象に残ったのではないでしょうか



テレビ放送ですか!?

昨年の新国立のドン・キ以来でしょうか?

また楽しみが増えました
返信する
恐れ入ります (F)
2006-08-16 23:30:29
くららちゃん、こんばんわ。



アイドルの追っかけと同レベルなレポを読んでいただいてありがとうございます。

文章の中身が無い分、写真をしっかりと思いますが、これもなかなか・・



出待ちで欧州のバレエ誌を持っている女の子を見かけました。

やはりみなさん、いろいろ工夫してるようですね。



>とても印象に残ったのではないでしょうか



だとしたならすごく嬉しいです。





新国のドン・キは収録後、ほとんどすぐに放映したんでしたよね。

とりあえず短縮版でなく、ハイビジョン同時放映だと最高ですがね。

バレエだけじゃない変なブログですが、また遊びにきてくださいね~



返信する
その技は (A)
2006-08-17 00:32:11
また来ちゃいました。

「前傾姿勢でジャンプし足を打ち鳴らしながら前進していく技とかよくわかりません。」

ブリゼですね。

ジゼルでは2幕でアルブレヒトがミルタに命令されて踊り続けなければならないシーンで舞台を対角線上に連続して行うのが見せ場になっています。

ちなみに「ブリゼ」は「屈折する」と言う意味だと聞いていました。その意味では「前傾姿勢で」というのはその通りなのですが、某大学フランス語学専攻のHはブリゼ??屈折??と頭を捻っているので、語源は定かではありません。

「ブリゼ」の連続技でも有名なのは「眠り・・・」の「ブルーバード」。男性がコーダでやりますが、これは前傾前打ちと後傾後ろ打ちを繰り返します。これは「ブリゼ・ボーレ」と言ってますが、やはり語源はわかりません。

返信する
よかった! (F)
2006-08-17 07:48:17
Aさん、おはようございます。



よかった、とりあえず合ってはいたんですね。

実際に踊らないとなかなかパの名前は覚えられませんわ。

あの場面はけっこうなスピードで2回繰り返しでしたから、ブラヴォーの声も自然にかかってました。

アルブレヒトの2幕はけっこうたいへんですね。

ルグリはまだまだイケてる気がします。



書籍によって諸説あるようですが、語源についていろいろ調べてみるのもおもしろそうですね。

でもその前に仏語はちんぷんかんぷんですが。



「ブルーバード」は観るだけで自分の脚がつりそうになります

返信する
大満足 (genova1991)
2006-08-17 10:31:03
念願の舞台がご覧になれた歓びが、こちらにもよく伝わって参ります。それもこれもFお嫁さまの必死のチケット入手のおかげでしたね~~本当によかったですね。



夏はまだ残っていますが、バレエの夏はひとまず終了でしょうか?エレガントな夏で羨ましい限りで~す



コメント欄を拝見していたら「ブリゼ」という言葉を見つけました。

パイ生地でしかありませ~~ん。私には。F

様にパイ生地なんて、もってのほか!
返信する
はじめまして! (放蕩主婦)
2006-08-17 14:21:40
あつ~い思いのこもったレポ、拝読させて頂きました。それと、写真も素敵です♪

恥ずかしながら…TBもさせて頂きました。

まだまだ未熟者ですが…また遊びに来させていただきますのでヨロシクお願いします

返信する

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