F & F嫁の “FFree World”

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K-Ballet 「Romeo & Juliet」 東京文化会館

2009年11月09日 | Ballet

F 嫁 log



11 月 8 日、日曜日。
K-Ballet 設立10周年記念ツアー 「 Romeo & Juliet 」 東京の楽日に観に行ってきました。






ロミオ      遅沢佑介
ジュリエット      shoko
マキューシオ      西野隼人
ティボルト      清水健太
ロザライン      浅川紫織
ベンヴォーリオ      ビャンバ・バットボルト
パリス      ニコライ・ヴィユウジャーニン

キャピュレット卿      スチュワート・キャシディ
キャピュレット夫人      ニコラ・ターナ
乳母      樋口ゆり

僧ロレンス      ブレンデン・ブラトーリック
僧ジョン      小林由明

モンタギュー家の若者たち      浅田良和 伊坂文月 奥山真之介

キャピュレット家の娘たち      浅野真由香 木島彩矢香 松根花子 岩渕もも 三井英里佳

キャピュレット家の若者たち      内村和真 福田昂平 合屋辰美 浜崎恵二朗 高島康平

ヴェローナの娘たち      白石あゆ美 中島郁美 副智美 井上とも美 中村春奈 松岡恵美

ジュリエットの友人たち      日向智子 渡部萌子 梶原莉絵 中谷友香 山口愛

マンドリンカップル      神戸里奈 湊まり恵 荒井英之 長島裕輔 









GX100





<第一幕>


緞帳が上がり、幕にライトが当たると、楽器(マンドリン?)を奏でるロミオの姿。
しばらくすると薔薇色のドレスを着た6人の女性がお喋りをしながら現れます。
その中でひときわ美しい女性にロミオも近づき話しかけます。
その女性はロミオの家、モンタギュー家と長年諍いを起こしているキャピュレット家のロザライン。


ロザラインは近づくロミオに対して、かえって煽るような誘うような表情をして友人達と去っていきます。




(あら~?ロミオの一方的な片思いじゃないのね。)
熊川版ではロザラインの役が膨らませてある・・・と聞いていましたが、いきなり妖艶なロザラインにびっくり。


今日のロザラインは浅川紫織さん。
妖艶で美しく、「この人はダレ!!」と思わず双眼鏡(11列目で・・(笑))を持ってしまった私。
ちょっと今日のロザライン紫織さんが楽しみです


広場に残されたロミオ。
その周りに人が集まり、賑やかなモブシーンが始まります。


モンタギュー家側は薄いブルーがポイントの衣装。
キャピュレット家側はエンジがポイントの衣装。


とても観ていてわかりやすく美しいのですが・・・モンタギュー家の女性達の衣装がなんだかジプシーっぽい・・・動きもジプシーっぽい
???と思っていたのですが、配役表を見ると、「ヴェローナの娘たち」となっていました。


で、ティボルトとベンヴォーリオの小競り合いで争いのシーンが始まるのですが、更にロザラインとキャピュレット家の娘たちが
ヴェローナの娘たちとバチバチ始めるのです。


(ありゃりゃ~かなり気が強いよ、ロザライン)


で、皆が争い始めます。






熊川版はなかなか女性が強い設定です


なので、ロミオがとても優しくうつります。争いも止めようとするし、平和主義的な感じです。


大公が現れ、ようやく両家の争いは一時おさまります。




そして、shokoジュリエットが登場。
私が今まで見たshokoさんの役は、毅然としていてカッコよくて頼れる感じのものばかり。
ジュリエット大丈夫かな?と思っていたのも確かです。


でも現れたジュリエットは背は周りよりも頭一つ大きいものの、繊細な足捌きでとても可憐。
何も知らない無垢な女の子といった感じ。
パリスとの結婚話を嫌がる様子もおっとりしたお嬢様風情でとても可愛いのです。


スチュワート・キャシディ演じるキャピュレット卿はとてもダンディで素敵ですが、そのパパに結婚の事を言われ
「イ・ヤ」と首を振るジュリエット。
かわいい~






そして舞踏会のシーン。


キャピュレット家で開かれる舞踏会にロミオ・マキューシオ・そしてベンヴォーリオの三人も潜り込もうとします。


三人に気がついたロザラインが帰るように押しとどめようとしますが、仮面を付け三人は入り込みます。


この門前のシーンでは、マクミラン版などでは三人の踊り比べのような振り付けになっています。
その印象がとても強いので違和感を感じたのかもしれませんが、熊川版ではロザラインが加わり4人で踊ります。






ここで、熊川さんの考えているロミオ像はたぶん私が描くものとかなり違うのだなという事を思いました。


いろんな形で映画化され、舞台化もされた「ロミオとジュリエット」


私のイメージするロミオは若さゆえの勢いと野心とを持つ男の子・・・鉄砲玉のような・・・
キャピュレット家の舞踏会に忍び込むのは片思いのロザラインに会いたいという思い反面、困難と思われる事をクリアしてやりたい、
皆の鼻を明かしてやりたいという若者独特の浅はかさ。




けれど、ここまで見る限り、ロミオは思慮深く、どちらかというとロザラインというファムファタールに翻弄されているような気がします。








そして舞踏会、バルコニーのシーンへ。


バルコニーはフワフワと幻想的なシーンですが、飛び込みリフト、飛び込みリフトが続きます。
shokoさんは相手を信頼しきっている感じで飛び込んでいきます。
ので、私はフワフワ揺れるスカート、優しく嬉しそうに伸ばす手、幸せな二人のダンスに見とれていました。
一度だけ、回転しながら飛び込んだ瞬間に「パチン」と音が。
一瞬、(ちょっとでもタイミングがずれたら危ないわね)と思いました。


shokoさんのジュリエットは木の葉が舞うようで・・・可憐。でも、すっきりした大人っぽさもあるのです。









GX100







<第二幕>




熊川版は第二幕(約65分)で、物語を最後まで一気に駆け抜けます。


ジュリエットの想いに浸るロミオのもとに、結婚式を挙げたいという手紙を乳母が持っていきます。
樋口ゆりさんが乳母を演じていますが、なかなかの好演です。
コメディエンヌの素質があるのでしょう・・・自然な動きながらも、なんだか目がそちらに吸いつけられます。


そして、二人の結婚式。
この時の舞台転換がとても上手く、十字架と照明で教会の中にいる情景を作り出すのです。




そして、祭りの広場へ。
ティボルトの清水さんが傲慢な感じを好演。嫌な奴です(笑)
マキューシオを刺殺し・・・この後、ロミオは剣を取って、ティボルトを刺殺す。


でも、ここが何故か違和感。
誤って殺してしまうのならわかるけど、今までの流れを見ていると穏やかなロミオが刺し殺すのはとってつけたような・・・。


そして、更にここで謎が。
死んでしまったティボルトの身体にロザラインがしがみつき、慟哭する。


この時の紫織さんの踊りは素晴らしく、(一皮むけたかな)なんて嬉しくなったのですが・・・。




ロザラインはティボルトと恋仲だったの?
ロミオとは火遊び?それとも、敵対しているから破滅させようとして?


実は、この後、ロザラインの出番はないのです。
彼女の役回りは、ちょっと見ているものには説明不足な筋書きになっているように思うのです。


私の感じたように「<ファムファタール・ロザライン=運命>に翻弄されたロミオ」という設定ならば、もう一つ何か説明が欲しいような・・・。




さて、ジュリエットの部屋で一夜を共にし、旅立つロミオ。
パリスとの結婚から逃れるために、教会で神に祈るジュリエット。
そして、僧ロレンスが偽装自殺を思い付き、薬瓶を渡し、追放されたロミオには手紙でその旨を知らせると約束。
しかし、手紙を届けるジョンは夜盗に殺され・・・




そして、誰もが良く知る悲劇の結末へ。









GX100





一夜の後、去っていくロミオの後に床に伏して泣くジュリエット。
パリスとの結婚を強要され、キャピュレット卿に殴られ、まるで屍のように立つジュリエット。
もちろん、shokoさん特有のオフバランス、ポワントワーク、そして雄弁な首筋、アームス・・・
shokoジュリエットから目が離せませんでした。


shokoさんの踊り方はやっぱり好きだな~。




第一幕 約55分  第二幕 約65分  の ロミオとジュリエット。
とても、わかりやすく作られていましたが、第二幕がやはり盛り沢山の感はぬぐえませんでした。
どうしても流れを追ってしまうために、説明部分ばかりを見てしまうようで、踊りの印象が薄くなってしまったのです。
まばたきも出来ない・・・という位、ちょっと内容が詰まっていました。













帰り道
「お腹すいたね」とF。
「すいちゃったよね」と私。


あ~ お昼はしっかり食べた のだけどね・・・。
悲しくても腹は減る、生命力の強すぎる私達。(とほほ)






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2 コメント

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不滅の名作...(^^ (トミー)
2009-11-10 12:54:59
こんにちは。
F嫁さま久々のエントリーですね。待ってました!

K-Balletは、一度も拝見していませんが、恵比寿のスタジオの前は
何度も通っております。(^^ゞ
詳細な解説を読ませて頂くにつけ、演出や監督で舞台は変わるものだという事がわかりますね。
いろいろなアプローチがあって然るべきでしょうが、観る側もそれなりに準備が出来ていないと面白さも半減するのかも知れません。
それにしても「ロメオとジュリエット」は不滅ですね。

Fさまの「お腹すいたね」はオオウケでございました。(笑)

月末、いよいよマリンスキーの白鳥とに行ってきます。
今から楽しみです。

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ロパさま (F嫁)
2009-11-10 23:39:33
トミーさん

K-Balletのスタジオは恵比寿でしたね
恵比寿には美味しい天麩羅屋さんもあるし・・・良いとこですね♪

トミーさん御紹介のカラスのジュリエット「私は夢に生きたい」
あまりに素敵で、youtubeにて他の方の映像も見てみました。
全然違う~音楽も表現する人のフィルターによって本当に違いますね。


ロパさまの白鳥、楽しんでいらしてください♪
私は実は未見(実物を)なのです。
バレエ好きの友人は「ロパートキナの踊りはワインのようだ」と言っていました
素晴らしい時間になると思います
返信する

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