OMOを探せ!「作家みたい・・・の巻」

1月27日

メニューにシチューしかないお店に行った。

麻布にあるAという、
20席あまりのカウンターだけのこじんまりとした店だ。
落ち着いた雰囲気の中、シチューが運ばれてきた。
トロトロになるまで煮込んだ牛の頬肉が、
コクのあるドミグラスソースから顔をのぞかせている。
セットされたスプーンも(おそらく)シチュー専用で、
やたらとシチューが飲みやすくなっていたりする。
でもって、味の方もなかなかに美味い。

このお店には、ガラス越しに外の道に面した席がある。
そこから見ていると、麻布の街を行く人たちの様子が、
妙に冷静にウォッチできる。
そこからいろんなことが読み取れる。
実は今日はそんなに寒くないんだとか、雨が降ってきたな、とか。

Aは、当事者になりたくない時に、
なんなら、ちょっと凹み気味の時に行くのがいいような気がする。
誰もが自分の人生の主役だ。
だから日々自分の身に起こる全ての出来事の当事者になる。
けど、時には物事の傍観者になり、無責任になり、
力を抜いて他人を見物するのもいいじゃない。

Aの窓際の席に座って外を見て、
暖ったかいシチューを食べていると、
ちょっと弱気になった傍観者の心に、
まろやかなドミグラスソースがじわっと沁みてくる。
でもってまた明日から、主役張ったろか!　
という思いが湧いてくる。

てなわけで。
「ガラス越しの傍観者メシ」なら麻布のA。

うわ。

なんか今日の僕、作家みたいじゃん。

そんな今日の僕に「OMO」!