今回は、第2回・第3回で取り上げた日本国内3港と東アジア7港を比較することで、日本の空港が東アジア内で置かれている状況を理解し、今後の日本国内の空港がどうあるべきかを自分なりに考えます。
空港同士を比較する方法は多々あると思いますが、今回の産業調査のテーマは「ハブ空港」なので、ハブ空港の条件を満たしているかどうかで比較します。
国際ハブ空港の条件
1:24時間運行が可能
ハブ空港には世界中から多くの航空機が集まるため、時差に関係なく運行出来る環境が不可欠。
2:4000M級の滑走路が複数本
大型機が離発着するには、十分に長い滑走路が不可欠。 更に多数の乗り入れに対応出来るよう、複数本あることが望ましい。
3:多くの航空会社の乗り入れを受け入れられるだけの十分な面積
乗り入れ会社数が多ければ、当然整備上・カウンターもその数に合わせて用意する必要があるため。
4:安い着陸料
ハブ空港を利用する場合、着陸回数が直行便より増えてしまうため、航空会社・旅客の負担になるような高額の着陸料は好ましくない。
以上の4点で、比較をします。
24時間 4000M滑走路 面積(ha) 着陸料(万)
成田 × 1 1086 95
関空 ○ 1 515 83
中部 ○ 0 580 65
仁川(韓) ○ 2 5000 32.2
浦東(中) ○ 4 1252 60.2
香港 ○ 0 1248 37.4
中正(台) ○ 0 1200
クアラルン ○ 2 10000 10
バンコク ○ 0 19
チャンギ(秦) ○ 2 1663 27
(あべこべの表になってしまい、多少見難いかと思いますがご勘弁ください)
(上の表の4000M級滑走路数と敷地面積は、現在予定されている最終段階での数字です)
ハブ空港の条件を全て満たしているのは、仁川・クアラルンプール・チャンギ空港です。
浦東の着陸料が高く設定されているのは空港建設費がかさんだ為と言われているので、将来的には値下げが考えられ、そうなれば浦東空港もハブ空港の条件を全て満たすことになります。
以上4港に比べ、日本の3港の面積の狭さ・着陸料の高さが目立ちます。
では、日本国内にハブ空港は出来ないのでしょうか??
現在、九州有明海周辺・栃木県宇都宮市近郊が国際ハブ空港建設誘致を、また、北海道の新千歳空港のハブ化運動が行われています。
このうち、注目したいのが新千歳空港です。
新千歳空港は日本から欧州への航路の真下に位置し、地理的にも欧州寄りになる為、国内の他の空港より効率的な乗り換え地点としての役割を果たせると思われます。
そして、空港周辺に十分な広さの土地も確保できるため、敷地面積が大きく、かつ騒音問題を起こさず24時間運行可能な空港を建設出来ます。
以上の好条件をそろえた新千歳では、現在国際線専用ターミナル建設が検討されています。
しかし、巨大空港がその国の主要な玄関である以上、首都またはそれに準ずる都市にあるべきではないかと私は考えています。 (以下はあくまで私の考えです)
日本の場合、首都にある国際空港とされているのが成田です。 しかし、地元住民の反対が強い為、敷地拡大・24時間運行はほとんど不可能と思われます。
そこで、私が考えたのは「24時間空港である関空と成田の提携」です。
日本の首都である東京と、2番目の都市大阪へのアクセスの便利さを考えると、この2港ははずせません。
また、東京からは日光・箱根、大阪からは京都・広島・倉敷などの、外国人に人気の観光地へも近い為、外国からのビジネス客・観光客の両方に対応可能となります。
提携というのは、アジア方面への便は関空が、欧州方面の便は成田が主に受け入れ、各空港の地理的条件に合わせて役割を分担する意味です。
現存の空港(特に成田)が今以上に拡大することは困難と考えられるため、2港で1つのハブ空港を形成するのが望ましいと考えています。
ここで、関空に期待するのは、
24時間空港として本格的に機能すること
全体構造(4000M滑走路×2 3500M滑走路×1 敷地面積1300ha)の早期実現
です。
更に欲を言えば、現在建設中の神戸空港と直接つなぎ、関空の国際線の受け入れ枠を増やすことを期待しますが、伊丹空港の問題もあるので実現化は厳しいと思われます。
成田に期待することは、
空港内施設の充実化
です。
敷地面積の拡大・24時間運行の導入を期待出来ない成田は、チャンギ空港のように充実した設備を整え、他の空港と差別化を図る必要があります。
関空には機内食を食べられるレストランがあり、今年開港する中部国際空港では挙式を行えますが、現在成田には他の空港に比べ特化した施設・サービスがありません。
敷地が限られており大規模施設の建設は厳しいと思われますが、東京から遠くても足を運びたくなるような魅力的な空港造りをして頂きたいと思います。
そして両港に期待するのは、着陸料の値下げです。
上の表からも明らかなように、日本の空港の着陸料は他国に比べて飛び抜けて高く設定されています。
アメリカNY・JFKが38万、イギリス・ヒースローが8万、フランス・シャルルドゴールが27万というように、他の先進国も物価の高さに関係なく、非常に安く設定しています。
現状の着陸料を続けていけば、国際競争力が間違いなく低下します。
成田・関空に限らず、日本国内の空港の着陸料値下げを早期に実施して頂きたいと思います。
上記の私の考えでは中部国際空港について触れていませんが、中部出身者として、この空港には大きな期待を寄せています。
ただ、これを書いている時点では開港しておらず、運行が開始されないと分からない部分が多々あるため、今回は外しました。
空港同士を比較する方法は多々あると思いますが、今回の産業調査のテーマは「ハブ空港」なので、ハブ空港の条件を満たしているかどうかで比較します。
国際ハブ空港の条件
1:24時間運行が可能
ハブ空港には世界中から多くの航空機が集まるため、時差に関係なく運行出来る環境が不可欠。
2:4000M級の滑走路が複数本
大型機が離発着するには、十分に長い滑走路が不可欠。 更に多数の乗り入れに対応出来るよう、複数本あることが望ましい。
3:多くの航空会社の乗り入れを受け入れられるだけの十分な面積
乗り入れ会社数が多ければ、当然整備上・カウンターもその数に合わせて用意する必要があるため。
4:安い着陸料
ハブ空港を利用する場合、着陸回数が直行便より増えてしまうため、航空会社・旅客の負担になるような高額の着陸料は好ましくない。
以上の4点で、比較をします。
24時間 4000M滑走路 面積(ha) 着陸料(万)
成田 × 1 1086 95
関空 ○ 1 515 83
中部 ○ 0 580 65
仁川(韓) ○ 2 5000 32.2
浦東(中) ○ 4 1252 60.2
香港 ○ 0 1248 37.4
中正(台) ○ 0 1200
クアラルン ○ 2 10000 10
バンコク ○ 0 19
チャンギ(秦) ○ 2 1663 27
(あべこべの表になってしまい、多少見難いかと思いますがご勘弁ください)
(上の表の4000M級滑走路数と敷地面積は、現在予定されている最終段階での数字です)
ハブ空港の条件を全て満たしているのは、仁川・クアラルンプール・チャンギ空港です。
浦東の着陸料が高く設定されているのは空港建設費がかさんだ為と言われているので、将来的には値下げが考えられ、そうなれば浦東空港もハブ空港の条件を全て満たすことになります。
以上4港に比べ、日本の3港の面積の狭さ・着陸料の高さが目立ちます。
では、日本国内にハブ空港は出来ないのでしょうか??
現在、九州有明海周辺・栃木県宇都宮市近郊が国際ハブ空港建設誘致を、また、北海道の新千歳空港のハブ化運動が行われています。
このうち、注目したいのが新千歳空港です。
新千歳空港は日本から欧州への航路の真下に位置し、地理的にも欧州寄りになる為、国内の他の空港より効率的な乗り換え地点としての役割を果たせると思われます。
そして、空港周辺に十分な広さの土地も確保できるため、敷地面積が大きく、かつ騒音問題を起こさず24時間運行可能な空港を建設出来ます。
以上の好条件をそろえた新千歳では、現在国際線専用ターミナル建設が検討されています。
しかし、巨大空港がその国の主要な玄関である以上、首都またはそれに準ずる都市にあるべきではないかと私は考えています。 (以下はあくまで私の考えです)
日本の場合、首都にある国際空港とされているのが成田です。 しかし、地元住民の反対が強い為、敷地拡大・24時間運行はほとんど不可能と思われます。
そこで、私が考えたのは「24時間空港である関空と成田の提携」です。
日本の首都である東京と、2番目の都市大阪へのアクセスの便利さを考えると、この2港ははずせません。
また、東京からは日光・箱根、大阪からは京都・広島・倉敷などの、外国人に人気の観光地へも近い為、外国からのビジネス客・観光客の両方に対応可能となります。
提携というのは、アジア方面への便は関空が、欧州方面の便は成田が主に受け入れ、各空港の地理的条件に合わせて役割を分担する意味です。
現存の空港(特に成田)が今以上に拡大することは困難と考えられるため、2港で1つのハブ空港を形成するのが望ましいと考えています。
ここで、関空に期待するのは、
24時間空港として本格的に機能すること
全体構造(4000M滑走路×2 3500M滑走路×1 敷地面積1300ha)の早期実現
です。
更に欲を言えば、現在建設中の神戸空港と直接つなぎ、関空の国際線の受け入れ枠を増やすことを期待しますが、伊丹空港の問題もあるので実現化は厳しいと思われます。
成田に期待することは、
空港内施設の充実化
です。
敷地面積の拡大・24時間運行の導入を期待出来ない成田は、チャンギ空港のように充実した設備を整え、他の空港と差別化を図る必要があります。
関空には機内食を食べられるレストランがあり、今年開港する中部国際空港では挙式を行えますが、現在成田には他の空港に比べ特化した施設・サービスがありません。
敷地が限られており大規模施設の建設は厳しいと思われますが、東京から遠くても足を運びたくなるような魅力的な空港造りをして頂きたいと思います。
そして両港に期待するのは、着陸料の値下げです。
上の表からも明らかなように、日本の空港の着陸料は他国に比べて飛び抜けて高く設定されています。
アメリカNY・JFKが38万、イギリス・ヒースローが8万、フランス・シャルルドゴールが27万というように、他の先進国も物価の高さに関係なく、非常に安く設定しています。
現状の着陸料を続けていけば、国際競争力が間違いなく低下します。
成田・関空に限らず、日本国内の空港の着陸料値下げを早期に実施して頂きたいと思います。
上記の私の考えでは中部国際空港について触れていませんが、中部出身者として、この空港には大きな期待を寄せています。
ただ、これを書いている時点では開港しておらず、運行が開始されないと分からない部分が多々あるため、今回は外しました。
まだざっとしか拝見しておりませんが、私にとっては非常に興味深い考察がされていると感じます。今回の記事でおっしゃっています成田と関空の連係話は、私も個人的に強く感じていることです。
何かの折、トラックバック記事を書かせていただくことがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。
私のブログでよければ、どんどんTBして下さい。 大歓迎です。
現在就職活動中で成田空港の説明会にも参加したのですが、その時多くの発見があり、成田も経営努力を必死に行っていることを改めて知りました。 この事についても、後々ブログに書いていく予定です。
今後更に良くなる成田と関空が連携すれば、かなり強力なハブ空港になるはずです。
実現は厳しいと思いますが・・・。