あめ~ば気まぐれ狂和国(Caprice Republicrazy of Amoeba)~Livin'LaVidaLoca

勤め人目夜勤科の生物・あめ~ばの目に見え心に思う事を微妙なやる気と常敬混交文で綴る雑記。
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真っ白な穀物の麺を見付けるだろう

2014-06-17 20:08:22 | 日替わりchris亭・仮設店舗
前回『水戸黄門の食卓』をご紹介した際に述べた通り、日本で初めてラーメンを食べたとされるのは徳川光圀。これは彼の好奇心・学究心のためでもありますが、そもそも麺類が好きだったという理由も大きいようで、蕎麦や素麺も好んで食べていた記録が残っています。そこで今度はそんな麺類の歴史を。歴史書籍レビュー、第八十五回です。


石毛直道『麺の文化史』(講談社)

「麺」という漢字は「麦」+「面」で、「麦」を「面にする」、つまり粉にしてこねて平らに延ばすという動作を行うものの総称でした。そのため中国ではパンを表すにも「麺」という漢字を使います。
日本の辞書を引くと「小麦粉などをこねて作った細長い食品」(大辞泉より)とありますが、この本では麺として扱うものの定義として、

・麦や米などの穀類か、豆類を挽いて粉にし、水分を加えてこね、引き延ばす(延べ麺)、平らに伸ばしてから切る(切り麺)、圧力を加えて細い孔に通す(押し出し麺)のいずれかの方法で細長くしたもの
・茹でるか、あるいは蒸すかして調理する
・主食として扱われる

以上の3つを満たすものとしています。

食文化史という分野は世界的にもあまり研究が進んでいないのだそうで、著者は体当たりのフィールドワークで麺の誕生と伝播の歴史を追います。一般向けに書かれたものなので文章は平易で、写真も豊富に使われています(モノクロなのは残念ですが)。

個々の麺料理についての記述はあくまで淡々としたものですが、読むと麺類が食べたくなることうけあいです。

蛇足。『麺の文化史』というタイトルは講談社学術文庫から再刊されるときに付け直されたものです。個人的には初版時の『文化麺類学ことはじめ』というタイトルの方が、洒落が利いていて良かったと思うのですが。

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