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081008 GFPにノーベル化学賞

2008-10-08 23:57:13 | Weblog
ノーベル化学賞、GFPに出ましたねぇ。


(↑GFPの立体構造モデル図。筒みたいな形をしてます。発色団は筒の内側にあります)

GFPおよびその派生蛍光タンパク質を扱う者としてとても喜ばしいです。
自分の研究内容を紹介するとき、向こう半年くらいは「あのノーベル賞の」って言えます。

あ、GFPっていうのは、Green Fluorescent Protein、緑色に光る蛍光タンパク質です。
そもそもは、オワンクラゲっていうクラゲから見つかりました。見つけたのが下村先生です。
僕自身、このタンパク質溶液を調製したりするんですが、ほんとに蛍光インクみたいな色をしてるんですよ。

既にいろんなメディアで報道されてますが、受賞者それぞれの業績は
下村先生: GFPを見つけた人
Martin Chalfie: GFPをクラゲ以外の生き物の実験に利用し始めた人
Roger Y. Tsien: GFPをいろんな色に改良した人
という感じの分担になってます。

ちなみに、下村先生とTsienの名前は知ってましたが、Chalfieの名前は知りませんでした。
ちょっと調べてみた限りでは、ChalfieのメインテーマはC.elegans(センチュウ)の発生分化みたいですね。
GFPをクラゲ以外の生き物の中で使う、というアイディアを最初に実現したのがこの人なんだそうです。(たぶん1994年のScience)

Tsienが開発した、緑色以外の蛍光タンパク質、僕はとってもお世話になっております。
今メインで使っているのは、黄色(YFP, Yellow Fluorescent Protein)と水色(CFP, Cyan Fluorescent Protein)です。
他にも、橙色、赤色、紫色などのタンパク質も使います。
色の付いてるタンパク質を精製するのって、不安にならずに、楽しんで進められるんですよ。

下記のサイトでGFPの歴史がまとめられてます。(ただし英語)
画像を見るだけでもきれいなので、よろしければぜひどうぞ。(特にProf.Tsienのページ)
GFP History

業界の一部では、「ノーベル賞が出た研究分野は、ネタとしてはもう終わり」とも言われます。
確かに、GFPそのものの研究については、今後大きな成果はもう出ないかもしれません。
まぁ、今回は医学生理学賞じゃないですし、GFPが「研究の道具」として認められた、とポジティブにとらえたいと思います。

下村先生が長生きされてて良かったです。
ノーベル賞は故人には出されないので・・・。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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受賞おめでとうございます! (Kazuhiro)
2008-10-09 06:45:45
僕の勤め先には、受賞が発表された昨晩7時ごろから、蛍光タンパク質やグループ会社Cの製品について新聞記者から問い合わせが相次ぎ、ちょっと大変でした。。
返信する
取材対応お疲れ様です (pepo the blog owner)
2008-10-10 00:53:31
そうでした。Kazuhiro殿は関係者様でしたね。
問い合わせ対応お疲れ様です。

国内企業ですと、Kazuhiro殿のお勤め先のほか、MBLさんあたりも大変だったのではないでしょうか?
宮脇先生(R.Y.Tsienの弟子筋なんですよね)もTV出演されてたようですし。
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