北京日記

北京滞在中に観たこと、エピソードや感じたことなどを紹介し、中国との友好を深めたい。

砂漠化

2007年05月02日 14時12分17秒 | Weblog
中国人は果たして
「黄砂が日本を襲った」
という事を知っているのでしょうか。

確かに北京市は植林政策を進めている。これに間違いはない。だが、市は植林をはじめたばかりだ。植えられた木は低い上に本数も少ない。

にわか仕込みの植林政策に、黄砂を防げるわけがない。

去年の黄砂はひどかった。北京の町が黄色に染まった。息をすると口に砂が入った。黄砂が来ていた時期は毎日喘息に苦しんだ。去年は黄砂の被害を抑えるため、中国政府は薬を空気中に撒いて人工的な雨を降らせた。

中国の工業化はどんどん進んでいる。だが、中国人は
「中国の黄砂の被害は毎年少なくなっている」
と口をそろえて言う。

彼らの言うとおり、今年は北京は無事だった。黄砂は少しは来たが、量があまりにも少ないため、人々は黄砂が来たことにすら気がつかなかったほどだ。その代わり、北京に来るべき砂は韓国と日本を襲った。

黄砂の元となる砂漠の周りでは、貧しい中国人たちの生活が脅かされている。去年畑だった場所が今は砂に覆われている。中国北方圏では農耕ができる土地がだんだん減っている。黄砂は確実にひどくなっている。

それなのに中国における黄砂の被害が少なくなっている。と言うことは、黄砂の進行方向が変わってきているからに違いない。

私が子供の時には、「黄砂」なんて言葉は聞いたこともなかった気がする。なのに、最近では「黄砂が日本にやって来た」と言うニュースをよく聞く。

このまま中国が何の対策もせずに無計画な工業化を推し進めたら大変なことになる。

日本に飛んでくる間に、黄砂の粒子には人体に有害な物質が吸収される。中国の上空を飛ぶことで、中国に満ちている有害物質が黄砂に吸収されるのだ。それを、何の罪もない韓国人や日本人が吸うことになる。

中国人は砂漠の周辺で羊を放っている。羊毛をとるための羊だ。羊は植物の芽を食べる。芽を食べられたら木は育たない。木がなければ、砂漠はどんどん広がる。

さて、100年後にはどうなっているでしょう。100年後に黄砂に苦しむのは中国人ですか?日本人ですか?誰が黄砂を生み出しているのですか?中国人ですか?日本人ですか?

どうせ日本政府が中国に「政府開発援助」を払っていると言う事を知っている中国人はあまりいない。だから、日本は中国が環境対策を推し進めて黄砂を抑止しようと重い腰を上げるまで、「政府開発援助」を払うのをやめたらどうだろう。

「環境保護対策をまじめにやる気になるまで援助はしません。」
こう言っても一般の中国人は怒らないでしょう。中国人にも環境問題の深刻さくらい分かっているはずだ。日本が援助をやめれば中国政府は頭に来るかもしれない。だが、日本はそんなことは気にする必要はない。

むしろ、もし日本が「中国が環境問題に真摯に取り組むまでは政府開発援助を払わない」と自信をもって言えば、中国にいい影響を与えるかもしれない。中国人は環境問題に興味を持ち始めるかもしれない。

「中国が環境問題に真摯に取り組むまでは政府開発援助を払わない」と言うことは、「日本は政府開発援助を今後一切払わない」と言うことではない。「中国が条件を呑めば払う」と言うことだ。

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2 コメント

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gonta (黄砂)
2007-05-25 19:24:57
今北京から出ているので状況がよく分からないのですが、Record of Chinaによると2007年5月25日に黄砂が北京に到来したようです。(Record of China http://www.recordchina.co.jp/group/g8248.html
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ごんた (名前の由来)
2007-05-25 19:36:40
中国語で黄砂は沙塵暴と呼ばれている。その名の由来は「こんな言葉が!(1) 中国で http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-12.html)」に書かれています。
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