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Peter Grahamが描く幾何学的音楽とその考察

2006年08月07日 00時35分59秒 | Stigma
一昨日の記事で書いた、ピーター・グレイアムの「モンタージュ」について。

Arch:
巨大な質量を感じさせる旋律が軸となり揺れ動く。
その陰鬱なメロディから、破壊を連想する人も多かろうと思うが
これは破壊ではなく、前述したとおり巨大な質量の権化なのだ。
ここがグレイアムの凄いところなのだが、これは後で述べることにする。

Circles:
全曲を通してもっともドラマティックな楽章。
おそらく円と言うより曲線全般をイメージしたものと思われる。
古来より円や曲線は神聖、美しいものとされているということを踏まえてメロディが展開される。

Arrows:
激動的な楽章。まさしく矢が飛び交うかのような急展開の数々。
ここも破壊と捉えるべきではない。あくまでも抽象的、幾何学的イメージの表現なのである。
破壊性を抱くことが間違っているのである。

こう書くとなんとなく気付くと思うが、
グレイアムの凄いところは物質的事象を音楽化する能力に特化していることである。
その最たるものが「The Red Machine」なのだろう。
そしてその物質的音楽は人にある種の気持ち悪さを起こさせる。
簡単に言うと、灰色の空間に、銀色の球体やら立方体やらが浮かんでいるような感じだ。
故にグレイアムの音楽は酷く冷酷に聞こえる。しかしそれは当然といえば当然のことなのである。
ただ、勘違いして欲しくないのは、グレイアムはただ単に物質を音楽化しているのではなく
物質に様々な観点から性格を与えることでそれらを音楽化していることである。


じゃあ定演の曲案に出せよ

だってグレード6だったし。

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