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a green hand

圧迫骨折だった

ひと月後、またギクッとなったという母の腰。
痛みが広がってきたので、母も遂に診てもらう決心をした。

母の1番の心配事は寝たきりになる事である。
超高齢な母にとり入院は寝たきり、ボケへの近道と本人が心得ているのだ。

ギックリ腰で横になれないのが不思議であり、楽観視していた私の不安が大きくなってきた。
母の「背中が痛い」が、筋肉痛と思っていたら圧迫骨折だった過去が頭をよぎった。

まずい!もしかしたらの思いを抱いている私に追い討ちをかけたのは夫の言葉。

「あんたは医者じゃないんだから………」
自分だけのギックリ腰の経験で判断するなと言われた気がした。

そこからの行動が早かった。
妹への連絡、
整形外科クリニックの選択と、介護タクシーの手配である。
妹も午前中の仕事を終え、食事もせずに我が家へ来ることになった。

母は、自分で必要なお金とお薬手帳、保険証、現在使っている市販の痛み止めと飲み薬の箱まで準備して私に持つように指示した。
これが間も無く95歳になる私の母である。

近くの整形外科に行こうとしていたが、医療従事者の妹の情報で、より良いだろうクリニックが候補にあがり、だいぶ遠かったがそこに行くことにした。
介護タクシーを使うのは初めてである。

腰の痛い人を遠い距離のクリニックに?
診せるのが遅いのも含めて怒られそうな気がした。

介護タクシー付属の車椅子で、そのままタクシーに乗り込みクリニックへと
Door to door である。

40分ほどかかり某クリニックへ。
出来たばかりのきれいなクリニックであり駐車場も広い。

患者さんの数が多く、受付で聞くと、1時間の待ち時間。

ひと月で治らなかったなら骨折の疑いがあるのでレントゲンを撮ってみましょう、立ったままとるからねと言われている。

レントゲンを見ると、明らかに腰のあたりに変形した骨の箇所が左右にある。

画像を見て「ずいぶん小さくなりましたね」と医師は母に語りかけ、「圧迫骨折です」と告げた。
痛み止めと腰ベルトが処方され、2週間後にレントゲンを撮らせてくださいと言われる。

タクシーの窓から大きな月が見え始めた。

「入院じゃなくて良かった」と母がつぶやく。

椅子に腰を下ろしたままの眠りがきついといっても先生は何も言わなかった。

ベッドに寝てる方が楽になるより良いということかな?と思ってみた。

昨日と今日と妹が母の部屋で寝てくれた。
母は妹が虚弱でないことに感謝してるに違いないと思うことが多々ある。

今年の私は暦通りの八方塞がりで「未熟者」に一層の磨きがかかっている。

でも、もう少しで今年が終わるからと不運続きの家族と自分に言い聞かせるのであった。












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