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a green hand

83歳になった私の母

昨日は母の誕生日、雪になった。
朝から、誕生日のことで頭が一杯な私はインターネット検索に忙しかった。

雪のため、遠くまでは出かけられないと判断した私、ケーキは手作りにしようと決心した。

午前中、娘から母の好物である蟹が届いた。
シャブシャブ用だ。

数日前、娘から、今年も蟹を贈ろうと思うんだけど、生きてる蟹もあるけどどうする?と問い合わせがあった。
即、私の中では却下、でも夫が蟹シャブを担当すると思ったので一応聞いてみた。
やはり、「生きてない方がいいね」と同じく却下だ。
蟹は揃った。
さて a green hand な私はこういうときに発揮される。

まず、計画を立てた。
母の好きな茶碗蒸しは必ず作る。
それとクリーム仕立てのスパゲティも好きなはず。

素晴らしいアールグレーの紅茶をIさんが送ってくれたのでそれを使ってケーキを作ろう。
検索の結果、「紅茶ババロア」に決まった。

さて雪の中、近くのスーパーへ買出し、あまり疲れてしまわない午前中がいい、いつも母が一緒だが今日は一人で。

スーパーのある町は猛吹雪。
妹からメールが来た。
母への誕生メッセージだ。
喜多方の大雪の写真付き。

スーパーへ行くと富有柿が最初に目に入る。
これも買おう、母の好物だ。
富有柿を2個買った。

ちょっとスパークリングワインもいいかな、これは自分の分。
イタリア、マルチーニ 375mlと小さなサイズで十分だ。

結構な買い物になり、重いこと重いこと。
そういえば重さのあるものばかり・・。

4時ごろから下ごしらえをする。
いろいろきのこのクリーム煮のスパゲティソースを最初に作った。
Hさんからいただいてたパルミジャーノ・リッジャーノの出番がようやく到来した。

次に、茶碗蒸しのだしを昆布と鰹節で本格的に。
海老の背わたをとったりの調理は何年ぶりだろう。
母のチェックが入った。

5時近くなり、夫の帰る時間。

買い忘れのケーキ用生クリームと三ツ矢サイダーと三つ葉を買ってきてくれるよう頼む。

最後がデザート用「紅茶ババロア」これが一番時間と手間と頭を使った。
14工程もある。

プリントアウトの手間を面倒がった私はPC画面とキッチンとの往復は数えきれない。
MINTONのFlowery Earl Greyの香りがたまらない。

夫に何時に出来上がるように、準備してるのと聞くと8時だという。
それでそれに全てをあわせた。

息子は早くて9:30、母はきっとお腹がすいてるに違いない、8時がベストだ。

8時前、茶碗蒸しを出す。
母の反応は上々だった。

次にカニシャブ、文句なしに今年の誕生日もたくさん食べていた。

次にスパゲティ・・。

味がないと申し訳なさそうに却下、再度夫に味見をお願いすると、足りないのは洋風だしだという。

母は、コンソメ味が苦手なので入れなかった。
却下されたので、調理し直しというa green handぶり .

次にデザート、約14工程を苦労の末に終え、最後に雪を掻き分けてミントを採取して飾りつけた。

われながら、形と雰囲気は文句なし!
ちょっと食べてみると、アールグレーの香りと甘さが溶け合って初体験なのになかなかのケーキだと自我自賛。

母も甘さが気に入り、喜んで食べてくれた。

そこへ息子が帰ってきた。ババロアをみるなり「どこの?」という。

主語は「そのババロアは」

オオッ、買ったものと見間違えるほどであったか。
お菓子は家庭料理よりずっと自信がある。と、ここで、おかしな自慢。

息子が大きな包みを抱えて母に差し出す。
今年も太郎庵のお菓子をどっさりだ。

よくみると、本当に母の好きなものをセレクトしてある。
こんなとき、なかなかうちの子たち、素晴らしい人格ではないかと過大評価する。

息子が母に聞いていた。
「Aちゃん、誕生日おめでとうとか、ばあちゃんに電話くれたの?」

息子も美味しいもの好き、顔にすぐにでる。
母は「A子が一緒に食べられないのが残念だ」と。

83歳の母、最近は嫌いだった本について「本って面白いんだわい」という。
これから10年ぐらいは元気さを保つだろう、そんなとき、きっと本は母の楽しみの役にたってくれるように思える。

遅い興味の示し方だが、いいことだ。
めでたしめでたしの誕生日の夜であった。
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