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限定10cmウッドコーン(DCU-F122W)イベント速報(2)

2010年04月29日 22時13分01秒 | オーディオ

F122W試聴会

F122W試聴会(2)

こんばんは。無事にイベントを終了することができました。それにしても予想以上の沢山の方のご来場があり、写真のように開演20分前くらいには既に満席状態で、途中からはお店の入り口付近まで立見の方でいっぱいとなってしまい、急遽予定を変更して2回公演とすることになりました。販売店様のお話では、前回のフォステクス製限定ユニットの試聴会の時と同じくらいの大盛況とのことで、本当に嬉しい限りです。それにしてもバックロード人気は凄いですねぇ。本当に驚きました。

で今日のデモですが、今までのPARCのイベントと違い、主役および進行は炭山さんで、私は炭山さんから何かを振られてそれに応えるという予定だったのですが、結果としては炭山さんと私が交互に試聴CDを紹介しながら試聴するというパターンになり、今までのPARCのイベントの中では最も沢山のソフトが聴けたのではないかと思います。私の裏話なんかを楽しみにして来ていただいた方にはちょっと物足りない感じがあったかも知れませんが、まぁ私の長話をいろいろやるよりは、今回のような感じもいろいろと音が聴けるという点では良かったかも知れません。それにしても炭山さんはこの手のデモは場慣れされている感じで感心いたしました。

デモの中でもお話がありましたが、今回炭山さんが持参された小型バックロードはF122WのTSパラメーターを参照して製作されたものですが、TSから予想される音とはかなり違いこのサイズでは低域不足で合わないとのことで、急遽以前製作されたフォステクス製バックロード用ユニットに合わせて製作した大型バックロードに搭載してデモを行いました。また実際に販売されているモデルの代表例としてハセヒロバックロードのMM-151STも同時デモしたことは昨日お話しましたね。

ここでこのTSパラメーターの件でちょっと説明させていただくと、TSパラメーターというのはそのユニットの基本的な特性を示す定数で、主に低域関連について重要な内容があります。バスレフのポート設計はこれをベースに行いますが、炭山さんのお話ではバックロードに関してはまだちゃんとした理論式はないようで、皆さん経験的なことをベースに設計をされているようです。海外メーカーなどはユニット設計を行う段階で目標のTSをあらかじめ設定して、それに合わせてユニット設計を進めていくというやり方のところもあるようですが、PARCの場合はどうかと言うと、実は私自身はTSに関してはあまり気にしていません。というか私にとってはTSとはあくまでユニット設計をした結果であって、目標値ではないと考えています。ではどうしてTSをあまり重要視しないかと言うと、それはTSの測定値自体が測定する度に毎回違ったりして完全には再現性が無いという経験が一番大きな理由です。実は以前TSがかなり大きく違ったため、実験として全く同じユニットを中国のユニット関連メーカー3社に測定してもらったら3社とも全て違うデータが出たということがあり、それ以降あまりこれに神経を使うことを止めました。もちろん毎回違うと言っても、全く別物のデータになるということではなく、バスレフ設計をやる上で支障の出るレベルではないので、今までの推奨箱の設計等で致命的な問題が出たことはないのですが、やはり精神衛生上気持ちのいいものではないですね。この件を知人の元P社のベテランエンジニアにしたら、彼もTSはあくまで参考程度と考えた方がいいと言っていましたので、やはり同じなんだなぁと納得した次第です。今回DCU-F122WのTSを見た時も、正直に言えばマグネット強化した割りにQtsがオリジナルよりも高かったりしてちょっと変だなぁとは感じましたが、先にも書いたように私は音が良ければ全て良しとの思いがあるので、それ以上の詮索はやめました。実は以前別のモデルでやはりTSで少しおかしいことがあり、いろいろ再測定をしたりしましたが毎回違うデータが出たりして、何かいろいろ言っていることがばかばかしくなったなどという笑えない笑い話もあったりします。

さて少し脱線しましたが話を本題に進めると、結果としては今回のDCU-F122Wはバックロードの経験が豊富な炭山さんからも「このユニットはバックロードにも使えますというレベルではなく、本格的な大型バックロード用として使えるユニット」とのお墨付きをいただきましたので、まぁ結果良しということかと思います。それにしても今回あらためて感じたのは、バックロードというのは本当にパワフルで朗々と鳴るなぁということ。このスケール感はなかなかバスレフでは出せないものですし、この辺がファンが多い理由かも知れません。イベントでは、「このスケール感はなかなかバックロードでは出せません」と間違ってしゃべってしまい、ちょっとあせりました。(本当は「なかなかバスレフでは出せません」と言いたかったのですが)
反面、そのパワフルさとはトレードオフで中低域に独特の響きがあるのも事実で、これを豊かな響きと感じるか、不快な鳴きと感じるかはやはり個人差があるのではと思います。ただ私見ではありますが、今回のF122Wはその辺の弱点はかなり少ない音の出方をしているように感じました。バランスの悪いユニットをバックロードでならすと本当にひどい音になりますからね。

ちなみに販売店様のお話でもデモの反応は良かったようで、残り在庫分8セットのうち本日3セットが予約となり、通販でも3セットの注文が入ったため、コイズミ無線様では今日時点で残り2セットのみとなったようです。あとは六本木工学様に少し残っているかも知れません。まぁスタート時点では、限定販売といいながら何ヶ月も在庫が残ったりしたらかっこ悪いなぁと心配していましたが、本当に良かったです。今後このモデルをレギュラー化やシリーズ化するかについては全く未定ですが、バックロード人気の凄さを考えると少し真面目に考えた方がいいのかなぁとも思ったりしています。炭山さんからも、「今までバックロードというとF社製しか選択肢が無かったので、PARC製ユニットが出てユーザーの皆様も喜んでいるのでは」とのコメントがあり、なるほどなぁと感心した次第です。

最後に本日ご来場いただきました沢山の皆様(懐かしい顔も多々いっらしゃいました)や、音も聴かずにご予約いただきました多くの皆様、デモの写真をいただきましたkeik様、デモにご協力いただきました炭山様、コイズミ無線様にこの場を借りて心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


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7 コメント

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お疲れ様でした (ひでじ)
2010-04-29 23:43:49
こんばんは!2時前にはこいづみさんに着いたのですが、大勢の参加者が居てなりよりでした。1回目ははじかれ組(爆)なので出直し、3時半から1時間ほど聞かせていただきました。イベント進行が炭山氏でしたので、代表の色々な話が聞けなかったのは残念でしたが、BHの人気の秘密を垣間見れて良かったです。私にはまだバフレフで要修行という感じで、BHはまだまだ手に余りそうですね。
情報が無ければ、イベントにも参加出来なかったので、今回は参加出来て本当にありがとうございました
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Unknown (PARC)
2010-04-30 00:18:40
ひでじ様

>1回目ははじかれ組(爆)なので出直し、3時半から1時間ほど聞かせていただきました。

そうでしたか。それはお疲れ様でした。私も今日の混雑ぶりには驚きました。本当にありがたいことです。


>私にはまだバフレフで要修行という感じで、BHはまだまだ手に余りそうですね。

まぁどちらも奥が深いので、じっくりとお楽しみいただければと思います。またコアキシャルの方で進展がありましたらお知らせください。では今後ともよろしくお願いいたします。
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Unknown (さすらいのあめおとこ)
2010-04-30 11:21:45
お疲れ様でした。
それにしてもすごい混んでましたね、時間通りにいらした方は驚いたでしょうね。
と、試聴でかけたCDを教えて欲しいです。
以前のブログのお勧めCDであげたものがほとんどでしょうが、書いてないものがあれば教えてください。
特に社長さんが低音を聴かせる目的で使ったベースが目立って入っていたCDを教えていただきたいです。
音についてはド素人で好きな音か嫌いな音かしか基準がないので気ままに楽しんだだけですが、個人的には社長の職人としてのプライドが所々で垣間見えてとても面白かったです。
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Unknown (keik)
2010-05-01 00:12:02
長丁場お疲れ様でした。

ああいうイベントでよその音を聞くと工作意欲が沸いてくるので、機会があればまたよろしくお願いします。
ところで自分も会場で聞くのを忘れたのですが、「Change the world」のカバーを歌っていた人のCDを教えて下さい(^^;)
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Unknown (PARC)
2010-05-01 01:10:36
さすらいのあめおとこ様
keik様

試聴ソフトの件、了解しました。それでは次のエントリーで久しぶりにソフト紹介をしたいと思います。そう言えば、炭山さんのソフトでも素晴らしくいいのがありましたねぇ。私も番号を聞くのを忘れておりました。(^^;
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Unknown (GX333+25)
2010-05-04 23:42:18
PARC 様

 よい連休をお過ごしになられましたか?

 バックロードといえば、朗々と鳴り渡る音色に魅せられることもないわけではなかったし(特に屋外で聞かされると、驚いたものです)、ハセヒロ工業さんのRR-10などを写真で拝見していると、ウッドコーンとマッチして姿かたちも美しくて、「さぞかし魅惑的な音がするんだろうな」とも思います。

 でも、たしかに特定の領域に残響めいた響きが残り、それを下手に殺すとバックロード特有の朗々とした感じもなくなってしまう、という印象があります。逆に、古の名機・オートグラフは、複雑怪奇なバックロード、しかもコーナー置きという条件付ながら、いかにもジョンブル魂そのもの、渋い音を聞かせてくれた、と記憶していますが、これもちょっと気になる領域に気になる残響があって、すとんと胸に落ちない印象がありましたかね。

 いずれにしても赤PARCの高評価、よかったなぁ、と思います。
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Unknown (PARC)
2010-05-05 00:02:54
GX333+25様

>よい連休をお過ごしになられましたか?

今回は久しぶりにゆっくりとと考えていましたが、結局なんだかんだあって、ゆっくり休養とはあまりいかなかったですね。中国も今日から仕事が始まっているので、今日は朝からメール対応で大変でした。

>いずれにしても赤PARCの高評価、よかったなぁ、と思います。

ありがとうございます。今はPARC初の限定ユニットが無事発売前に完売となって、ほっとしております。
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