TPP論争を毎日聞かされる身にもなってもらいたい。
二国間協定のFTAですら、それぞれの国の事情は考慮
される。日本がなぜアメリカとのFTAではなくTPPの方に
加盟を決めるのかを、その真の目的を、まだ分からぬ連中
の反対論に耳を貸している余裕はもはやないのである。
TPPは明らかに、二十年、三十年の未来を見据えた
対中国軍事同盟である。太平洋をハワイを境にしてアメリカ
と二分割しようとするのが中国の真意であり、それじゃ困った
ことになると考える環太平洋の国々が小異を捨てて大同に
就くのがTPPであることを、未だに分からん農村議員どもが
山田正彦を大将にたてて、喚いているのである。
軍事面に於けるアメリカの衰退を補う安全保障の新たな
組み立てと言ってもよい。アセアンからベトナムとマレーシア
が加盟に傾いた時点で、TPPの真意が表に出たのだ。
外交オンチの日本を救う、最後のチャンスを、みすみす逸す
る馬鹿が何所にいる。民主党の大半は、中国の意図する
世界制覇戦略に組せんとする徒党である。
前にも実例を示して書いたが、日本の零細農家が食糧難に
あえぐ消費者を助けるなんてのは夢物語である。
小六から高卒まで、それを実地に体験した者が言うのだ。
十ヶ国がブロックを形成し、そのどこからも食糧の提供がある
体制の方がはるかに良い。自ら作るコメに自信が無い農家
なんか保護の対象にもならぬ。
零細農家はTPPに参加しようがしまいが関係なく、未来展望
を欠く。
TPPに不参加の場合、かつて李鵬国家主席がオーストラリア
訪問時に述べたように、日本は世界地図から消える運命に
陥るであろう。日本国の危機に際して、農業保護を建前に
TPP参加に反対を唱える輩はあげて国賊である。