連日テレビで洪水に漬かった工場の様子を見ているから
大変な事態だとはご存知の筈。
被害を受けた工場も460社と報道されてきたが、タイ国に
進出している日本企業の数はといえば、なんとこれが6000
社だと聞いて驚いた。
それだけの企業が、規模の大小を問わずタイ国に進出して
いる背景に何があるのだろう。
タイ国はアセアン諸国とはもとより、中国ともインドとも関税
を撤廃している。つまり日系の部品メーカーは、無税で中国
やインドにある企業とも取引が出来るのである。
法人に課税される所得税だって、日本のそれとは比較に
ならぬ安さである。
「微笑みの国」と呼ばれているようだが、国民は仏教徒で
穏やかであり、温和でもある。
つまりは日本企業が求める条件の中枢が揃っていた。
残念なことに気象関係が悪かった。50年に一度というが、
それなら50年後にまたも今回のような大洪水が起きること
になる。
日本もそうだが、なまじ経済状況が良くなってインフラ整備
が進み、道路をはじめコンクリートで固めてしまったのが、
大雨の行きどころを失わせてしまったのではと思えてならぬ。
今の女性首相はタクシン元首相の妹だそうで、ならば
タクシンには莫大な個人資産がある。
権力にものを言わせて、携帯電話の普及時に販売権を
一手に収めて得た資産だ。
妹もせっかく得た首相の座を手放したくはないだろう。
大型予算を組んで、せっかくの外資を守ろうとするだろう。
日本から進出し企業群も「これは大変な場所だ。逃げ出そう」
ではなく、有数の友人国の再建と更なる発展に努めてもらい
たい。