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――パナソニックを中心とした電機業界の記事集.

電機大手10-12月決算 TV事業損益、明暗分かれる

2011-02-05 | 決算


 ソニーやシャープなど電機大手の2010年10-12月期決算が3日出そろった。

 家電エコポイント制度変更の影響で日本で需要が大幅に伸びた薄型テレビは、全社とも販売台数を伸ばした。

 ただ、テレビ事業の損益面ではシャープや東芝が黒字だったが、ソニーやパナソニックは赤字が続くなど明暗が分かれた。

 日本市場の比重が大きいメーカーがエコポイント特需の恩恵をより大きく受けた格好。


明暗分かれる

 シャープは、10-12月期の液晶テレビの国内販売台数が前年同期に比べ約2倍。海外の出荷も中国を中心に好調だった。

 テレビ事業の損益も黒字で営業利益率は約3%と、4-9月期に1-2%で推移したのと比べて改善した。

 11年3月期通期でも黒字を確保できるという。通期の販売台数の見通しは1500万台と従来予想を据え置いた。

 東芝も、10-12月期の国内販売台数が前年同期の2.5倍だった。

 同社のテレビ事業は10年4-9月期まで6半期連続で黒字で、10-12月期も黒字。通期の世界販売目標である1500万台も達成できる見込みという。

 ソニーも10-12月期の販売台数は前年同期比46%増の790万台で、売上高は19%増の4070億円。

 特に、日本の売上高が2.5倍と市場の成長率(2倍)を上回った。ただ、営業損益は前年同期から200億円悪化し、130億円の赤字。

 2500万台だった今期の販売目標を2300万台に下方修正して、通期の黒字化も達成できない見通し。

 パナソニックの10-12月期のテレビ販売台数は前年同期比28%増の638万台だが、損益は赤字が続いている。

 ただ、11年1-3月期は新製品の投入や海外での部品生産。調達で原価を抑えて、黒字転換を見込む。

 今期2100万台の販売目標は「十分達成できる」(上野山実常務)という。


海外開拓不可欠

 損益面で明暗を分けた理由の1つは、「日本比率」。

 米ディスプレイサーチによると、薄型テレビ世界出荷台数に占める日本比率(10年7-9月)は、シャープ(57%)、東芝(39%)、パナソニック(25%)、ソニー(13%)と続く。

 ただ11年は地上デジタル放送完全移行など一定の駆け込み需要が見込まれるものの、反動減は避けられない見通し。

 10-12月期に好調だったメーカーほど、新興国市場の開拓など日本以外でシェアを高める施策が不可欠となる。



【記事引用】 「日経産業新聞/2011年2月4日(金)/4面」