HITO-OMOI(ひとおもい)

ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。

5028首目・・・葉山嘉樹を読む

2024-04-29 00:00:00 | 日記
全集(筑摩書房1975年版)で、葉山嘉樹(1899年(明治33年)生、1945年(昭和20年)没)の全小説と8割方の随筆を読む。

プロレタリア文学における葉山は、非共産系の労農派。機関誌の名から文戦派、描く対象から素材派とも呼ばれる。

プロ文者には、「生活と芸術」の問題に思想が関わってくる。いわゆる「転向」問題だ。

葉山も、1930年代初頭以来の思想弾圧により、東京における文筆生活に見切りをつける。東濃地方に居を移し、ゆるやか(?)に「転向」し、半農半作家生活に入る。

葉山の作家活動は約20年。前半の10年がプロ文、昭和9年以降の後半10年余が民衆文学、農民文学となる。

プロ文時代は「海に生く人々」・「淫売婦」・「セメント樽の中の手紙」が鉄板のベスト3。

「海に生くる人々」の感想は、以前(4966首目)に書いたとおり。「淫売婦」は、一見陰惨な話しに思えるが、哀感あふれる傑作。「セメント樽の中の手紙」はトリッキーに過ぎるかな。(昭和50年代に高校の国語教科書に掲載されていたのに驚き!)

葉山の後半生の暮らしは概して楽ではなかった。ただ、作物の内容は、私小説家にあるような貧乏自慢ではなく、自虐的ではない。

そして、転向したとはいえ、世捨て人ではなく、声なき者に対する共感や優しい眼差しを決して失ってはいない。加えて子供を書いた作物がとても情愛に溢れていて心に沁みる。

転向以降で、丸印をつけた作物は、「万福追想」・「水路」・「濁流」・「氷雨」・「流旅の人々(長編)」・「凡父子」・「子を護る」・「多産系子孫分布図」・「海に行く」、などだ。

そんな葉山も戦況の深まりにつれ、知らず軍国主義に絡め取られてしまう。昭和15年あたりからの小説、随筆における変貌ぶりを、非難することは容易いが、むしろ痛々しく感じてしまう。

そして、昭和19年には国策としての満州開拓団に志願。昭和20年に再び渡満。終戦後の満州からの引上げ列車の中で客死してしまう。(享年数え52歳)

「馬鹿にはされるが 真実を語るものがもっと多くなるといい」とは葉山がよく口にしていた言葉である。

読み終えて、葉山嘉樹はいろんな意味で純粋な人だなぁというのが端的な感想だ。


「踏み出して気づく歩幅の違ひあり咎めり責めり赦し労(いたわ)る(新作)」

不尽


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5027首目・・・二人乗り

2024-04-27 00:00:00 | 短歌

「二人乗り許されざるを知らぬよに赦されざるを識りたるふたり(新作)」



街なかで自転車の男女の二人乗りを見た。なんだか久しぶりで妙に新鮮だった。

不尽

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5026首目・・・辿り着きし

2024-04-25 00:00:00 | 短歌

「辿り着きし君の扉のボタンにもat your own risk(自己責任)と透かせば書かれぬ(新作)」




喫茶店で『The Long And Winding Road』(ポール・マッカートニー のライブもの)がBGMで流れたのを聞いて詠うった。

不尽

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5024.5025首目・・・時は41年が流れた、、

2024-04-23 00:00:00 | 短歌
You Tubeで、2週間限定全編放映。『時をかける少女』。
とても好きなので、2日続けてみてしまう。



「細くとも撓る身体(からだ)の若き娘(こ)の精神(こころ)の撓りいと安げ無し(新作)」

やすげなし=きがかりだ。


「石段を登るときにも下るときもつぼみの決意を宿せし知世(新作)」

・・・坂のまち、尾道。

不尽




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5023首目・・・立てかけて

2024-04-21 00:00:00 | 短歌

「立てかけてゐるにすぎざる看板はお察し通り替ふるも易し(新作)」 


皮肉を通り越して馴れ合いの歌

不尽

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5022首目・・・入れ子なる

2024-04-19 00:00:00 | 短歌

『入れ子なる人形最も小さきが笑つてゐると思ふべからず(新作)」



マトリョーシカ、、皮肉なんだが下手歌なんで伝わらない。(汗)

不尽

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5021首目・・・手を翳せ

2024-04-17 00:00:00 | 短歌
「手を翳せ揺らせハマスタ応援歌アーチを架けむ我等が2 2 5 (新作)」 


【前奏:横浜の空高く ホームランかっとばせ筒香〜】
さぁ打て筒香 飛ばせ空の彼方 横浜に輝く大砲 かっとばせホームラン


打とうが、打てまいが、ともかくよかった。例えボロボロになろうとも、他のユニフォームを着た筒香を見たくなかった。

不尽


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5020首目・・・高鳴きの

2024-04-15 00:00:00 | 短歌

「高鳴きのひばり翔けあがる菜畠は春よりほかに容れるものなし(新作)」





自然詠が苦手。自然を愛でる能力に欠けてるのだと自認。つくづく俳句向きではない。小理屈を捏ね回して57577を作っております。(汗)


不尽

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5019首目・・・捨つるもの

2024-04-13 00:00:00 | 短歌

「捨つるものことさら忘れものとして忘れまほしき旅立つ重さ(新作)」



まやかし、、、。

不尽

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5018首目・・・ポスティング

2024-04-11 00:00:00 | 短歌

「ポスティング7年8年FA権「I✭YOKOHAMA」(あいらぶ よこはま)形容(かたち)さまざま(新作)」



筒香の件、出戻りなるか大詰めの段階。

取っても守るとこないぞ、いやいやTAはどうせ怪我する、来季は佐野がFAだ、とか。

精神衛生上、極めてよろしくないのである、、。

不尽

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5017首目・・・打つほどに

2024-04-09 00:00:00 | 短歌

「打つほどに遍く心に届きしが打つほど離れし近くの心(新作)」



このまま、一件落着っぽく終わるのか、、やや気がかりだが、、。

不尽

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5016首目・・・日記をば

2024-04-07 00:00:00 | 短歌

「日記をば読み返しをり掘り起こせば墓の深さはまちまちなりて(新作)」



日記はある意味、記憶の捨て場。ただ記憶の深浅は自ずと異なる。

不尽

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5015首目・・・犬猫の

2024-04-05 00:00:00 | 短歌

「犬猫の区画は供花(くげ)が密にしてペットは愛のみ遺せり方(かた)や(新作)」



供花が疎らな人の区画。人に対しては死んでも「憎」や「怨」を断つことができないのだろう。

不尽

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5014首目・・・凡打あり

2024-04-03 00:00:00 | 短歌

「凡打あり美技あり三桁(みけた)の番号を背負ふ彼等の止まざる競争(新作)」



ファーム戦を連日観戦。

三桁背番号の「育成選手」は、一軍の公式戦には出場できない。

彼等がスタジアムでプレーする姿と出会えるのは、ファーム戦だけた。

2日間で100番、116番、133番、144番、193番と5人の育成選手がプレーする姿を見た。

当面の目標達成は、二桁背番号=「支配下登録選手」なのだろう。Hang in.three digits!



Bravo! Fabulous! Shōta!

初登板6回2安打無失点9奪三振勝利投手!

不尽

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5013首目・・・タメ作り

2024-04-01 00:00:00 | 短歌

「壁つくりタメを産み出し面で打つ悩めど十(とお)に七はしくじる(新作)」


ファーム戦を観戦。

バッターの素振りの練習を見ていると、圧倒的にアッバースイングが多いことに気づく。

今更ながら「フライボールレボリューション(革命)」を実感する。

いかなるスイングが理想なのかは、おそらく結論が出ない奥深い議論なのだろう。

不尽


さて、明日はいよいよShōtaのメジャー公式戦のデビュー戦だ!

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