第3弾リメイク「もとめの父の信じるカミサン伝説34」

2010-07-13 05:56:26 | 小説
第3弾リメイク「もとめの父の信じるカミサン伝説34」

 「二人の死人を生き返らせるために、
一人は死に、一人はこの世から消える?
 これって、絶対真カミサン伝説よ」
 ネネが少し興奮気味に言う。
 「でも、ひさめは祈っていたような気配はないぞ」
 みはるがネネに向かって言うと、
 「だから、
 もとめ先生のおとうさまが...。
 あー、でも、そうだと、生き返るのは」
 ネネはそこで黙り込んだ。
 「まさか...」
 「どうしただすか?ふうた?」
 ふうたは、
 たまおに訊かれて、
 たまおだけに、
 「カミサンに祈っていたのは、別人だとしたらどうなる」

 囁いたのだった。


第3弾リメイク「もとめの父の信じるカミサン伝説35」

 「どういうことだすか?」
 たまおがふうたの耳元で囁く。
 「だから、賢明が助かっているのが不自然なんだよ。
 もとめ先生のおとうさんが祈っていたなら、
もとめ先生のお姉さんが生き返るはずだろう」
 「そう言われてみれば、そうだすな」
 「だとすると、祈っていたのは、
賢明を助けたい人間だったんじゃないか?」
 「永久はどうなるんだすか?」
 「それはだな」
 たまおとふうたがこそこそ囁き合っているのに、
気づいた、
 ケンタが、
 「おい、おまえら、何話してる」

 二人を睨むと、 
 「謎の解明をしてるだけだすよ」
 「そうそう」
 二人はそう答えてごまかした。
 「ねえ、謎の解明って、真カミサン伝説のこと?
 みんなの前で堂々と話せばいいんじゃない。
 ねえ、みんな」
 ネネが二人の顔を見た後、残りの人間に同意を求める。
 「俺たちは」
 「俺も」
 永久と賢明は何がなんだかわからないという顔で答えたが、
 他は黙って頷いた。
 「じゃあ、話してよ」
 ネネはたまおとふうたに
今さっき囁いていたことを話すように迫ったが、
 二人はどうしようか顔を見合わせたのだった。
(続く)