杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

GCMふくしまへ行く(追記あり)

2012年07月17日 | 原発
7月15日、福島市で「ガイガーカウンターミーティング(GCM)ふくしま」が開催されました。
今までネットでしかお目にかかった事がない人の本物の講演が聞けるという事で、以前からずっと楽しみにしていました。

 (クリックでサイトへ)

当日は会場にはちょっと遅れて到着、入り口は質素な感じでした。





会場に入ると、既に早野さんの講演が始まっていました。そしてそこにはまた楽しみな放送の告知が。
これ、何とか他地域でも聞ける様に出来ないものでしょうか。



会場は満杯、皆真剣に聞いております。



線量が徐々に下がっている様子、こういう形でデータを見せられると納得します。



今回の講演内容ともダブる部分もありますが、早野先生の話はこちらでも聞くことが出来ます(↓クリック)。
「福島で日常を暮らすために♯2」
講演の中で早野先生は、ヨーロッパでの福島の言われようはひどいもので、来週WHOに行って本当の数字を話してくるという事でした。早野先生、頑張って下さい。

第2部は高エネルギー加速器研究機構の野尻美保子さんの講演、こちらはとっくに忘れていた化学の授業を思い起こさせる内容でした。



でも具体的にセシウムの分子レベルでの挙動などを教えられると、ゼオライトでの除染の有効性に大きな信頼が加わる気がしてきます。
ゼオライトの分子の穴って、セシウム分子にぴったりなんですね。



そして今回の講演のハイライト、初めて披露した内容がこれです。



要は、

微生物除染、やめれ

という事で、野尻さんはその理由も理論的に、はっきり反対の立場を表明した訳です。私などは思わず拍手を送ろうかと思ったほどです。
まあ、きっちり土壌と結びついているものをわざわざ自然の循環サイクルに加える事もないし、もしそうなれば更なる拡散を引き起こしてしまう恐れもあるのですから、ジャブジャブかけるだけの微生物除染などは、問題ばかりあって一利もないというのは当然と言えば当然なのですね。

そして第3部は「生産者・流通業者と共に考える」という演目のデスカッションと、第4部「福島のみなさんとざっくばらんにお話する会」、私は「お話しする会」の方にお邪魔しました。

会場は小さな会議室、初めはゲスト・参加者共々堅い雰囲気です。こういうお見合い形式はお互い緊張してしまうんですね。



取り合えず参加ゲストの方の自己紹介から。
まずは司会進行役の「八谷和彦」さん。
 
この方実は凄い人だったんですね。こちらでも詳しく紹介されておりますが、僕的には何と言っても本当に空が飛べるメーヴェ。
これが「福島現代美術ビエンナーレ 2012 SORA」というイベントの、『福島空港まつり/「空の日」フェスティバル』で見る事が出来ます(→こちら)。
また一つ福島に行く予定が出来ました。9月15日、覚えておきましょう。

続いて漫画家の「鈴木みそ」さん、「僕と日本が震えた日」は買いました。
今回はあくまで取材旅行との設定だそうで、果たしてこの日の事も後々マンガ化されるのでしょうか?


(鈴木みそさんのブログはこちら

続いて@kikumacoですでにお馴染みの菊池誠さん、今更ながら紹介は必要ないですね。
自己紹介では期待通り、しっかりテルミンを演奏してくれました。曲目は「グリーンスリーブス」(誰か動画撮っていなかったのかしら?)。


ご本人曰く、この時よりは10cmほど髪切ったそうです。

マンガ家のしりあがり寿さん、「あの日からのマンガ」の帯には【第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞】の文字が。このマンガには泣きました。
この時のインタビューもぜひ。



現在は放射線のビジュアル化に挑んでいるとの事、これから何が出来上がるのか、何とも楽しみであります。
(公式HPはこちら

放射能オタクSF作家の野尻抱介さん、しゃべり始めたらたちまちハイテンションになって話はだんだん危ない方向に。



話の中に星の村天文台が登場しましたが、ここには野尻さんが寄付したロシア製ガイガーカウンターがあるはずですし、ここも無事新たな反射望遠鏡もセットされた事もあり、個人的にいずれ訪れなくてはと思っている所でもあります。

奥村晴彦さん、三重大学の教授さんです。twitterではお見かけしておりましたが、正直どのような方かいまいち分かっておりませんでした。
でもHPを見てみますと、大変重要な事をしていたのですね。



最後は今回初参加、歌手の小峰公子さん。
ご自身が語ってくれましたが、色々なCMソングや「おかあさんといっしょ」の曲などにも関わっていた方なのですね。



で、探してみましたら「機動戦士Vガンダム」の挿入歌、『ひなげしの旅のむこうに』なんての見つけてしまいました。こういうのも歌ってたんですね。
(ブログ「小峰公子の脳内旅行記ーkoko's blog」はこちら

時間が経つにつれ、だんだん打ち解けた雰囲気になってきましたが、ざっくばらんとは言っても、内容はやはりどうしても放射線がらみの事になってしまいます。



詳細は今現在togetterにまとめられておりますのでそちらを参照してもらえばと思います。
ガイガーカウンターミーティング(GCMふくしま)2012/7/15福島会場
ガイガーカウンターミーティング(GCMふくしま)2012/7/16郡山会場

今日もどこぞでエネルギー政策聴取会でやらせがあったとかなかったとか、反原発デモ参加者が今年最高とか、EMだんごを一斉に投げ込もうとか、色々な情報・ニュースが入り乱れ、何かごちゃごちゃしてしまいます。
ただ帰りの車の中で何気に聞いていた福島のローカルラジオで、まるで道路情報の様に自然な感じで「今日の放射線情報」などというコーナーが始まったりして、こういうのを聞いていますと、福島県ではこれから先も長い期間、放射線と付き合っていかなければならないのだとしみじみ思ってしまうのです。
そして福島県内の人でも、未だに確かな情報も持たず不安に取り付かれたままの人がいる事も事実なのです。
学校のプール開きで放射線が気になって多くの児童が見学したというニュースを見ましたが、福島市内の学校では皆除染も済み、プールサイドよりもプール内の方が放射線量は0となるので安心だという事も周知されていて、生徒達は皆普通にプールに入っていると親戚から聞きました。

事実を伝える、このあまりにも当たり前の事が今までどこまで行われていたのか、そしてその重要さというものを、今回の講演でつくづく感じたのでした。

(7月18日追記)
早野さんが16日に「GCM郡山」で使用したスライドデータを公開されました。ぜひご覧下さい(→こちら)。
(7月19日追記)
野尻美保子さんの講演データが公開されました。こちらもぜひご覧下さい(→こちら)。
(7月20日追記)
Youtubeに、7月17日のGCM郡山を取材したテレビU-福島のニュースがアップされてました(→こちら)。
これ、お願いですから消さないでね。


4 コメント

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Unknown (すみれ)
2012-07-29 04:24:22
はじめまして。
私は福島県外に引っ越した者です。
県外に出てしまうと、あまり詳細な情報が手軽に入りません。まさにそこが問題でした。
かえって福島県にいるほうがこのような催しに参加する機会があったりして良い情報を早く手に入れられ、早く不安を払しょくできたなあ、と思います。
ブログにこのように詳しくアップしてくださり、本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
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自分に出来る事 (OSATO)
2012-07-29 14:03:41
いらっしゃいませすみれさん、初めまして。

現在はネットの発達により多くの情報は得られる様になりましたが、それでも福島県内と県外との情報の差は歴然としています。
私が出来るのはこんな事ぐらいですが、参考にしていただければ幸いです。

>県外に出てしまうと、あまり詳細な情報が手軽に入りません。まさにそこが問題でした。

ちょうどこの件に関して思うところを次のエントリーに挙げてあります。
よろしければそちらの方も参照していただけたらと思います。
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帰りたい (すみれ)
2012-08-18 00:39:20
お盆休みに福島に帰ってきました。
地元の新聞は原発関係の情報が詳しく、久しぶりにいろいろ読めました。
事故当初は、大したことになったらどうしよう、という危惧心のほうがどうしても強く、半分は「大丈夫」と思いつつ離れることを選択しました。
でも、今は福島何とか本当に大丈夫と思えるし、福島に住みながら気を付けて生活していくのが最善だろうと思えます。
でも、そう簡単に帰れない事情もあるのが苦しいです。子供の人生を変えてしまい、もう帰っても元には戻れません。それならいっそ引っ越し先でより良い人生を歩む努力をするのが最善か、と親は考えますが、子供は簡単には切り替えられないのです。生まれ育った我が家が落ち着くのは当たり前のことですね。落ち着く場所にいてこそエネルギーが湧くわけで。
まったく後悔してもしきれない償いきれない私の浅はかさです。
もっと早くこちらのようなブログにたどり着きたかったです。
とりとめのない愚痴を書いてしまいました。すみません。
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自分を責めぬように (OSATO)
2012-08-18 09:48:08
>すみれさん
ご自分を責めないで下さい。あの時の状況では仕方がなかった事です。
逆にすみれさんの様に避難する事が出来なかった人の中で、福島に残った事を後悔している人もいるのです。
ですからあの状況下では、どれが正解かなどと言う事は出来ないのです。

私の親は転勤族でして、私は子供の頃から5回も引越しを繰り返していました(その引越し先の一つが郡山市でした)。
幼い頃から友達との出会いと別れを繰り返してきましたが、子供って意外とすぐその環境には馴染むものです。ですから問題は親の意識です。

すみれさんが今どこにいて、福島県のどこが故郷なのか分からないので勝手な事は言えませんが、あの時の自身の決断を責めるより、今すぐ帰れないとしても「いつか帰る」という希望を胸に、これから先の事を前向きに考えてほしいと望みます。

私の巡回先で、福島県出身で現在他県に在住の方のブログがあります。
そこも色々参考になると思いますので紹介しておきます。
「Maybe Blue」 ↓
http://leika7kgb.blog114.fc2.com/
この方もお盆帰りしてたみたいです。↓
http://leika7kgb.blog114.fc2.com/blog-entry-832.html#more
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