大阪急行 無人駅線ブログ

このブログは、サイト「WEB無人駅線」内のコンテンツです。

バンバン!!郷愁・陸中八木駅編

2009-10-22 14:07:24 | ◆バンバン!郷愁・陸中八木編


◆この1週間、土曜、日曜もなく、ただただ、スケジュールに追われた。
 追われることには慣れている。
 苦にもならない。
 だが、追われる過程で、自分の内側からにじみ出てきて、さらけ出される人間としての〈小ささ〉〈軽さ〉〈狭さ〉〈卑しさ〉……。
 これらに直面させられるのは、ホンマ、辛いね(>_<)。

◆本日、そして、明日は、一転して100%休日。
 しかし、もう何もやる気にならない。
 午前中、ずっとソファーに横になり、うつらうつらと暮らす。

 夕方近くになり、ようやく、半覚半睡の視野の端に、ポテンシャルが発火する。

◆海岸をゆるゆる走るローカル線(もちろんJR八戸線)の旅に出ることにした。
 いつものようにポケットにデジカメをいれていたけど、今回は、パチリパチリは、やめた。
 メモも、やめた。
 気動車の振動に、ただ身体をゆだねて、どこまでもどこまでも「ぼんやり」していたかった。


◆本八戸駅でソフトクリームやショートケーキを手にした、部活動帰りの女子高生たちがドッと乗り込んでくる。
 わたしが座っている4人掛ボックスシート以外は、ほとんど埋まってしまった。
 「父さんのシャツがタバコ臭くて、部屋中、臭いのォ!」
 「キャッキャッキャッ(*^_^*)」
 「そんで、ファブリーズをジュジュジュ、ジューーーーッてかけてやったのォ」
 「キャッキャッキャッ(*^_^*)」

◆食べながらしゃべりまくるから、クリームやチョコレート、チーズの混じった甘い香りがト★ロ~ンと車内に充満し、息苦しくなる。

 何ゆうとるんじゃ!
 おまえたちのほうが、甘っ臭いよ。
 おまえたちの頭からファブリーズをかけてやりたいよ。(←と言いながら、ホンマは、自分のボックスシートにも女子高生が来ればいいと思っている(*^_^*))

 市街地を出ると、陸奥白浜、種差、大久喜、金浜、大蛇……と無人駅がつづいた。



◆どの無人駅の駐車場にも、そのシャツがタバコ臭い父さんや、あるいは母さんが自動車で迎えにきて、テールランプを点灯させて待機していた。

 バン!
 女子高生たちが、それぞれの車に乗ってドアを閉める音が聞こえてくる。
 バン! バン!
 そして、車のダッシュする音。
 車掌のホイッスル。
 ボワン~!と響く気動車の警笛音。

◆無人駅ごとに、バン! バン!が、繰り返され、漁港の駅・陸中八木に到着したときには、乗客は、3両連結の車内に数名しかいなかった。

 車内放送で、待ち合わせのために20分間、停車すると告げられた。

 プラットホームに降りると、運転手も車掌もホームに出て、たばこを吸っていた。


◆デジカメは撮らないといったが、ここで撮ったよ(*^_^*)。

 もう日没の時刻を過ぎていた。
 港を眺めると、防波堤の突端で赤い灯標が点滅していた。

 宇宙の果てに置かれた1つの目。
 それがこちらをのぞき込んでいる。

 バン!バン!郷愁編。
 自己に追われ追われて、遂に、こうして自己の果て果てまで疾駆してきたぞぉ~。


最新の画像もっと見る