おりぶろ

オリオン(ラブラドールレトリバー・黄・♂・14歳)と肩を寄せ合う独身男(再)の日常

29歳の人妻が、ある日突然未亡人になったら

2015年10月09日 | カキモノ
29歳の人妻が、ある日突然未亡人になったら。


もしオレがその人のことを好きだったら

すぐにでも付き合ってほしいと思うだろう。

もしオレがその人の親や親戚だったら

すぐにいい人を見つけてくれたらと思うだろう。

もしオレがその人の友達だったら

合コンに誘うだろう。


でも、未亡人が今でも亡夫を愛しているのを理由に

すべての誘いを断ったら

みんなは『もったいない』と思うだろう。


でも、未亡人にとって

夫は喪ってはしまったものの

心の中に失っていなければ

ずっと夫と過ごせるのだと思う。

そしてそれが幸せなら

新しい彼氏も夫もいらないんだと思う。




オリオンが死んでしまったら

たぶん生きていけない。

そう思い、毎日毎日どうか死なないで欲しいと願い続け

16年半経った今、

オリオンはすっかり老犬になった。


ある日の明け方、

ふと目覚めてしまい

眠れなくなったので

傍らで寝ているオリオンを撫でていると

涙が溢れ続けた。

もう、骨と皮と少々の筋肉しかないオリオン。

立ち上がる事は重量挙げをするぐらい必死で

部屋の隅に置いてある水を飲みにいくことは

フルマラソンを走るぐらい息が上がる。


もう一緒に山登りをすることはない。

もう一緒にドッグランで走り回ることもない。

あの時のオリオンはもういない。

でも、オリオンをあの時以上に愛している。

それは、老犬独特の

穏やかな笑顔に癒されるからだけでも、

勝手に漏れるうんこ対策の子供用のオムツが

とてもキュートだからだけでもなく、

何というか、

目の前のオリオンだけを愛しているというよりは

私に『愛する』ということの素晴らしさを教えてくれた

オリオンへの感謝の気持ちが

1日1日、1枚1枚の紙が積み重なるように

オリオンへの愛となって

日々、より重く、より深くなっているんだと思う。

そして私が生きている限り

私はオリオンに感謝し続けるだろう。


一日でも長く生きてほしいと願うのは

愛するということの一部でしかないことを知り

苦しむことなく天寿を全うしてほしいと願うことも

愛するということの一部であると知った。


この先、私の人生において

オリオンと一緒にいる時間よりも

一緒にいない時間の方が長いだろう。

でも、生身のオリオンがいなくなってしまっても

私はオリオンを愛し続けることが出来る。

だからたとえオリオンを喪ったとしても

心の中に失っていなければ

悲しむ必要はない。


風が吹けばオリオンがどこかで呼んでいると思えばいい。

何もない場所に気配を感じたらオリオンが見ていると思えばいい。

何かがコトリと倒れたらオリオンが悪戯したと思えばいい。

きっと辺りを見渡せば

顔を逸らしながらも申し訳なさそうにチラチラとこちらを伺うオリオンを感じることが出来るだろう。

そしてそれらを感じた時

素直に微笑むことが出来れば

オリオンとの日々は永遠に終わらない。













































オリオンに出会えてよかった。

素晴らしき人生をありがとう。

これからも共に生きよう。





ペットロスで立ち直れない未来のオレには書けない

オリオンへの感謝の気持ちを今のうちに書いてみた。(笑)