東京・顕微鏡だけの歯医者さん☆Advanced Care Dental Office ☆ 秘書・滅菌業務管理担当aki

顕微鏡だけで診療を行う歯科医院。☆Advanced Care Dental Office ☆滅菌業務・滅菌管理担当

高圧蒸気滅菌(1)

2017-07-23 09:01:38 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は高圧蒸気滅菌についてです。

1.高圧蒸気滅菌の原理


1)水の性質
水は、大気圧の状態では0℃で凍り始め、約100℃で蒸発を始める。蒸発する環境(圧力)の変化によって、蒸発温度も変化する。水の蒸発温度は圧力と関係し、圧力を変化させることにより、80℃(0.04736MPa:絶対圧力)や150℃(0.476MPa:絶対圧力)の水蒸気を得ることもできる。
0℃で凍り始めた水をさらに冷やすと、やがてすべて氷になるが、この間の温度は0℃で一定である。すべて凍った水(氷)を温めると融け始め、水と氷の混在する状態がしばらく続くが、この状態のときも温度は0℃で一定である。さらに加熱を続けると、やがて100℃で蒸発を始める。水と蒸気の混在する状態がしばらく続くが、この状態の時も温度は100℃で一定である。
このように、相変化(個体から液体、液体から気体への変化)に費やされる熱を「潜熱」といい、一方、相変化を起こさず温度上昇に費やされる熱を「顕熱」とよぶ(図1)。
なお、温度と圧力には相関関係があり、一定の圧力のもとで顕熱を畜えた液体であり水が加えられる熱をこれ以上保有できない状態を「飽和水」といい、その圧力で蒸発の起こる温度を「飽和温度」、このとき発生する蒸気を「飽和蒸気」とよぶ。蒸気滅菌処理するときには、この飽和蒸気(顕熱)を用いることが重要である。


2)蒸気の利点
蒸気滅菌器では飽和蒸気を用いて滅菌を行うが、蒸気が多用される理由には次のようなことがあげられる。
①身近に大量に存在し、安価である水をもちいている。
②加熱により蒸気(気体)となり、加圧することでさらに高温の蒸気を得られる。
③気体である蒸気は、熱を大量に保有し、しかも安易に放出する。
④蒸気は熱伝達がきわめて良好である。
⑤蒸気は熱の放出により水に戻るが、毒性がなく無害である。
⑥水は化学的に安定した分子であり、取り扱いが容易である。
⑦蒸気は微細な空間にもよく浸透する性質をもつ。

3)蒸気滅菌の利点
蒸気熱を利用する滅菌方法は、大量な水分の介在が大きな特徴となる。
蛋白質の熱変性温度は、含水量により相当な変化がみられ、水分の介在量が多いほど低くなり、また、気体の熱伝達は湿度が高いほど良好となる。
卵蛋白(アルブミン)を大気圧下で30分間加熱したとき、アルブミン中の水分量の増加によって変性温度は低下する(表1)。
これは乾いた熱より湿った熱が効率的であり、より低温で滅菌できることを意味している。



参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌

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ウォッシャーディスインフェクター (5)

2017-07-17 07:22:48 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日も引き続きウォッシャーディスインフェクターです。

7.洗剤の効果
洗浄には化学的作用と物理的作用があり、物理的作用としてウォッシャーディスインフェクターの強力な循環ポンプによるスプレーノズルからの噴射による洗浄力があげられる。
しかし、いかに物理的作用が強くても適切な洗剤を使用しなければ満足のいく洗浄効果を得ることはできない。洗浄力の強さは、温度、洗剤(化学作用)、物理作用、そして洗浄時間に密接に関係している。
また、洗剤選択の基本は製造元がそれぞれの使用目的に応じ、推奨する洗剤を使用することが望ましいことはいうまでもない。
1)界面活性剤
界面活性剤とは、水と油のように性質のことなる物質をなじませる働きのある物質のことである。界面活性剤には2種類の界面分子があり、水になじみやすい分子を親水基、油になじみやすい分子を親油基(疎水基)という(図8)。
水に溶けると親油基の部分が汚れのほうへ近づき、汚れを包み込み、汚れを水の中へ引き出す(図9)。
界面活性剤の種類としては、
①陰イオン(アニオン)活性剤
②陽イオン(カチオン)活性剤
③非イオン(アンフィビアス)活性剤
があり、それぞれの用途を生かし洗剤、起泡剤、乳化剤、柔軟剤などに用いられる。
洗剤の種類としては粉末洗剤、液体洗剤があり、各メーカーがそれぞれのディスペンサーを器械に備えており、使用者側で選択することができる。またアルカリ洗剤、中性洗剤と各メーカーにより異なるので、それぞれの性質を理解することが重要になる。
2)洗剤のpH
洗剤のpH(水素イオン濃度指数)によりアルカリ洗剤、中性洗剤に分類される(図10)。
最近、多くの洗浄装置メーカーが汚れを落とすことを意識し、アルカリ洗剤を標準としているが、アルミ、真鍮などを腐食させることになり注意が必要である。また酵素系洗剤も発売されているが、ウォッシャーディスインフェクターは高温で洗浄を行うため、酵素の活性を損なわないような特殊なプログラムを選択すべきである。
洗浄を選択する際、無発泡性の洗剤であること、希釈濃度がプログラムと合っていることに注意したい。発泡性の洗剤を用いると、泡が洗浄やすすぎに悪影響を及ぼし、水漏れや故障の原因になる。また、濃度が低いと汚れの除去性が損なわれ、濃度が高いと汚れの除去性は上がるが、コスト高になり、また工程のすすぎ効率を阻害する。


参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌

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ウォッシャーディスインフェクター (4)

2017-07-12 22:53:35 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日も引き続きウォッシャーディスインフェクターです。

6.超音波洗浄装置とウォッシャーディスインフェクターの整合性

わが国では、現在でも多くの施設で超音波洗浄装置が採用されている。しかしながら、ウォッシャーディスインフェクターの発祥の地ヨーロッパでは、超音波洗浄装置をみることはあまりなかった。しかし最近では、多槽型のような大型のウォッシャーディスインフェクターで、超音波洗浄装置を内蔵した機械を多く見受けるようになってきた。またわが国では、中型ウォッシャーディスインフェクターでも超音波洗浄装置が組み込まれた機械が登場している。
超音波洗浄は、28〜40kHz程度の周波数の超音波を利用し、振動のエネルギーを水中に輻射することにより、以下の2つの作用によって洗浄を行う。
1)キャビテーション作用
液体中に強力な超音波を輻射すると、洗浄液は1気圧を中心に変動する。この圧力変動が液体中の溶存酵素などの気泡を核として微小空洞(キャビテーション)を発生させる。この微小空洞は、超音波がプラス圧力になったとき押しつぶされてしまうが、このキャビテーション作用により洗浄物に付着している汚れを剥離する。

2)加速度
液体に超音波を輻射すると、液体分子が振動する。振動の加速度は、周波数28Hzで1,000倍になる。この液体分子の振動により、洗浄物に付着している汚れを剥離する。
超音波洗浄は、医療業界のみならず工業界でも実績ある洗浄方法で、ウォッシャーディスインフェクターとのコンビネーションも決して悪くはない。ただし、超音波洗浄は、①ゴム、プラスチック(超音波の減衰が大きな物)、②空洞がある物(空気層ができるもの)、③マイクロサージャリー器具(周波数、出力により刃先などを劣化させることがある)などに関しては効果が期待できないことを含んでおく必要がある。

参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌

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ウォッシャーディスインフェクター (3)

2017-07-02 21:33:10 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は久しぶりに、ウォッシャーディスインフェクターの続きを書きたいと思います。

5.従来法との比較
従来は、感染の有無により処理工程を変えていた。事前の検査により感染症と判断された患者に使用された器具は、ウォッシャーステリライザーあるいは薬液消毒で処理された後、手洗いあるいは超音波を用いて洗浄されていた。また、事前検査で感染症なしと判断された使用器具は、消毒過程が省略され処理されていた(図7)。
一見、合理的にみえるが、過去に肝炎ウィルスがA、B、Cと少しずつ同定されていったように、現在の科学では安全と評価されていても時間が経つと解明されてくることが多くある。また、緊急手術の場合、検査結果は後先になってしまう。
以上のことから、感染症の有無を振り分けすることが、いかに危険かということがわかる。
わが国においても、スタンダードプリコーションの普及に伴い「どのような患者に使用した器具、器械であっても感染の危険性があると考え、感染の予防策を行う」ことが一般的に広まってきた。
薬液消毒も多くの病院で実施されているが、薬液は使用温度、使用濃度、作業時間の3つの要素からなり、そのうち一つでも欠けたら適切な消毒は行われない。つまり、薬液消毒は適切な管理下においてのみ十分な威力を発揮する。
また、最近ではコスト削減の観点、耐性菌の発生などの観点から、できるだけ消毒剤を減らそうという試みも多くの病院で行われている。
一方、ウォッシャーステリライザーも多くの病院で使用され実績のある機械であるが、洗浄の観点からすると満足な状況とはいえない。しかし、ウォッシャーディスインフェクターは洗浄物ごとのプログラムを有し、それぞれな合ったプログラムで洗浄消毒を行い、また従来法が消毒、洗浄、防錆加工などの別々な器械で行ってきた工程を一つの器械で行うことができる。ウォッシャーディスインフェクターの特徴を表6に示した。





参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌

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【シンポジウム】歯科の感染対策を考える 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団主催

2017-06-28 00:17:44 | セミナー・講演会
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

先日、【シンポジウム】歯科の感染対策を考えるお話しの参加者はB型肝炎感染被害者の参加者が多く、年齢層も割と高く300名定員のとこほぼ満席でした。



B型肝炎とは?
B型肝炎は、B型肝炎のウィルスに感染した場合、身体の免疫機能が働かず、ウィルスが肝臓に溜まったまま感染状態が持続してしまいます(キャリア)。その持続感染状態の乳幼児が大人になると、免疫機能がウィルスを異物と判断し、ウィルスを排除しようとして肝臓の細胞ごと破壊し始めます。これが慢性肝炎です。
さらには、肝硬変、肝がんと進行することがあり、また、慢性肝炎、肝硬変の発症を経ず、いきなり肝がんを発症することもあります。
B型肝炎ウィルスに持続感染しても、慢性肝炎、肝硬変、肝がんが発症しないままの人もいます(無症候性キャリア)。
ただ、現在の医学ではB型肝炎のウィルスの活動を抑制する薬はありますが、ウィルスを完全に排除する薬はありません。そのため、B型肝炎ウィルスに感染すると、いつ、慢性肝炎や肝がんが発症するかわからない状況で生活していかなければならないのです。

実際に被害者の生の声を聞ける機会はないので勉強になり良かったのですが、滅菌に関するお話は…
歯医者さんに行ったら、「スダンダードプリコーションやってますか?」って聞いてみてください。それを言われた歯医者はタービンヘッドをちゃんと滅菌するようになるかもしれません。的なお話しもあり、ちょっと⁇⁇と思うところはありました。

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