杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・鉢路元経産相の辞任について

2011-09-11 09:00:03 | 報道・情報
鉢路元経産相の辞任には、あまりの早さ・内容のお粗末さにがっかりしましたが、
鉢路氏の閣内で果たすべきだった役割などについても触れ、
今回の辞任について、問題提起しいている方たちがいます。

友人の元国会議員秘書の勝見貴弘さんから、転載歓迎で下記の文書のご紹介をいただいています。
また、河野太郎さんもご自分のブログの中で、鉢路氏のことについて書かれていますのでご紹介します。

これらのご紹介もあり、
鉢路さんには、もっと本質で勝負してほしかった、残念な気持があります。




<勝見貴弘氏>
http://in-the-eyes-of-etranger.blogspot.com/2011/09/blog-post.html

和訳:引責辞任した鉢呂元経産相を支持する表明
(英語原文)



辞任会見する鉢呂大臣


アメリカが忌まわしい日を迎えようとしているなか、自民党の石原伸晃幹事長は、9・11についてこれを「歴史の必然だった」と発言したとされている。またその父の石原慎太郎東京都知事は、3・11についてこれを日本国民への「天罰だった」と発言したことが知られている。


今日、新任の鉢呂吉雄経済産業大臣は、福島を「死の街」と形容したことについて辞表を提出し、これを受理された。現役の大臣が1回の不適切とされる発言で辞任する一方で、前述の石原親子は既成マスコミの庇護のもと、その権力を維持している。日本の社会正義と報道倫理の深刻な現状を如実に示す出来事である。


鉢呂大臣の辞任は、決して単独で起きた出来事ではない。


福島はどのようにして「死の街」と化したのか。誰がそうさせてしまったのか。
鉢呂大臣の方針はどうだったのか。これらの単純な問いかけをするだけで、
真相が透けて見えてくる。


不適切とされる発言に対する明らかに不公平な扱いを除けば、鉢呂大臣は福島の真の実情を残酷なまでにリアルに表現したともいえる。鉢呂大臣は、情熱溢れる国士だった。彼には大臣として、福島を着実に復興し、回復させ、脱原発社会を目指すという明確な方針があった。彼には大臣として、知り得た事実があった。それは、か弱い者にとっては残酷な事実でしかなかったが、知らせる必要のある事実だった。地元福島の人々だけでなく、日本人全体が真実を知り、現実と向き合う必要があったからだ。

彼の言葉は、こうした文脈で語られたのである。


これまで、政府は人々に真実を伝えてこなかった。人々は、何も問題はないと信じ込まされてきた。この虚構を、鉢呂大臣は打ち砕いた。福島の人々を含む、多くの日本人が、鉢呂大臣はこれまで誰も口にすることすらできなかった真実を訴えたのだと捉えている。誰もがむしろ、それを恐れたからだ。

鉢呂大臣は、真実を語るという、既得権を維持したい一部の人間にとって不利益となるタブーを犯したことで、辞任に追い込まれた。既成マスコミはこの罠を仕掛けるのに大きな役割を果たした。鉢呂大臣は、この罠にいともたやすく嵌められてしまったが、少なくとも彼は私たち国民に嘘はつかなった。

私たちは、そのことを大切に思う。


先行きが不透明で、情報も錯綜するなかでは、福島はまさにいずれ、誰も住めない「不毛の地」となってしまう。鉢呂大臣は、福島という地とその地に住む人々が直面するのこの暗い、現実的な展望を率直に述べたに過ぎない。彼の人々に対する率直な言動は、仮にそれが報道陣に対する不適切とされる行動を伴ったものだったとしても、称えられることはあっても、批難されるべきものではない。

私は、福島の人々、そして日本の人々がみな、鉢呂大臣の辞意は止むを得ないこととして受け入れつつも、決して彼の過失を責め立てない良識を持つことを信じる。


【河野太郎さん】

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鉢呂経産相が辞任した。

一連の発言が失言であることは否定しない。アホといわれても仕方
ない。

しかし、残念だ。

鉢呂経産相は、野田総理の原子炉の新規立地はしない、耐用年数が
来たものは確実に廃炉にするとの方針を着実に進めようとしていた
し、それを実現するためのかなり大胆な人事を考えていた。

経産省内外の抜擢すべき人物の発掘を多方面に依頼していたし、ガ
ンとよばれる幹部の異動も考えていたふしがある。

個人的にはかなり期待していただけに残念だ。

失言にはきちんと陳謝し、撤回する等の対応が必要だが、失言でや
めさせるのではなく、誤った政策でやめさせるべきだ。失言した分
を取り返すために死にものぐるいで働いて、正しい、推進するべき
政策を進めるほうがプラスが大きい。

今回は、不思議なことに与党幹部からも後ろから鉄砲で撃つ発言が
あった。

なにか裏があったのだろうか。

東京新聞特報部、テレビ朝日の玉川さん、自由報道協会、正義を守
るために出動せよ。

この国をどうするのか、政策議論をしようではないか。政治家が揚
げ足取りばかりしていてどうするんだ。

※当レポートに掲載された記事は、全文を掲載する場合に限り転載・
再配布できます。
◎ごまめの歯ぎしり


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4 コメント

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問題の本質 (鉄甲機)
2011-09-11 21:48:01
 まず、はっきりさせておかないといかないのは、鉢呂大臣辞任を決定付けたのは「死の街」発言ではないこと。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110911/plc11091102160006-n1.htm
> --「放射能をうつしてやる」という発言があったと報道されていることについては、否定も肯定もできないということか
> 「私としては否定的なのだが、それでは済ませない問題だと思って決断をした」

 「死の街」については福島の現状を彼なりに表現したものであり、このままにしてはおけないという決意と見ることができます。不適切であったことを謝罪し、被災者に向けて支援策をしっかり講じていけばすむこと。
 しかし「放射能うつしてやる」は、たとえ冗談でも口に出してよい言葉ではない。現実に避難先の学校で、「放射能がうつる」といじめられている子どもたちがいるのですから。そういう事実を知らない、被災民の心情を思いやれない。公人としての立場を忘れ、思いつきに任せて軽口を叩く。つまりは原発の今後、日本の将来を考えていくには不適格としか言えない人物ということ。

 だいたい鉢呂さんという人は、去年の11月、野党による仙谷(当時)官房長官問責決議案が北朝鮮延坪島砲撃で流れたとき「民主党にとって神風だ」と発言したとされる人物であり、12月には国対委員長でありながら、閣僚の失言放言暴言を批判する野党に対して「野党の質問があまりにも低俗だ。答弁者は質疑者の低劣さに合わせなければ答えようがない」と言い放った人物です。
 鉢呂さんに限らず、民主党政府は「私には腹案が」を皮切りに現在の「素人文民統制」「たばこ700円」までまで、権力に酔ったとしか思えない無責任な「個人の思い」発言が多すぎます。
 そしてマスコミは、そういう民主党にとってのマイナス発言をさらっと流し、民主党に発言責任を問うことをほとんど全くしてきませんでした。

 この問題の本質は原発をどうこう、官僚がどうこうというのではなく、民主党には初めから政権を担う能力がなかったこと。そしてマスコミが国民を踊らせ、そんな民主党に政権を任せさせたこと。政権交代後も民主党は政権与党たる自覚と責任に甚だ欠け、マスコミは民主党を甘やかして責任のある政権与党足るべく鍛えなかったこと。
 そして、そんな責任回避体質&危機対処能力皆無の民主党が、これからの日本の針路を定めようとしていること。

>日本の社会正義と報道倫理の深刻な現状を如実に示す出来事である。

 漢字の読み間違い、「産む機械」発言、朦朧会見、絆創膏。
 社会正義が報道倫理がと嘆く権利を持つのは、麻生首相・柳沢大臣・中川大臣・赤城大臣を擁護したものだけでしょうな。

 逆に勝見貴弘元民主党議員秘書は誇るべきでしょう。「日本の社会正義や報道倫理がかくも地に堕ちたのは、我々の政治活動とマスコミ支援の功績である!!」と。

 あー、こんなこと書くと、私も勝見さんから「キモい」とか言われるんでしょうか。(分かる人だけ笑ってください。
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国語の素養のない記者達 (小原雅夫)
2011-09-13 17:58:07
「鉢呂氏の「市街地は人っ子一人いない『死の町』だった」の発言から彼の閣僚としての資質に疑義が生じた」と共同通信の岡部英氏が述べたようであるが(朝日新聞9月11日朝刊)、この判断に大きな疑問を感じた。
今の現状は誰が見ても客観的に『死の町』であり、多少ショッキングな表現だったとしても、それは逆にそのような状態にした東京電力やかつての原子力行政に対する批判を含んでいると感じる。『死の町にしてやる』とか『死の町のままでいい』と言うなら勿論問題だが現状を表現する言葉としては何ら問題ない。
「放射能うつしてやる」といったふざけた表現も番記者とのなれ合いから多分冗談交じりに言ったことであり、適切ではないが特に問題とすべきとは思わない。
こんな些細なことを問題にしたのは新聞記者による『言葉狩り』であり、そちらのほうにむしろ怖さを感じる。「死の町と化した」「まさに死の町だった」という表現は古来より頻繁に使用されてきた表現であり(建物はちゃんと残っているのに、人の姿が全く見えない場合などによく用いられる)、チェルノヴィリ報告などでも頻繁に登場する。インターネットで書かれた福島についての他の記事でも見ることが出来るし、被災者自身でも「自分の町は死の町だ」と書き込んでいる。大きな問題が起こった直後は特に神経質に言葉を選ばねばならないが、状況描写としての「死の町」は全く問題ない。
多分国語的センスが無い無知な記者達が騒ぎ立てているに過ぎないと思う。福島県民だって一部に嫌だという人が居るかもしれないが、大多数は問題を感じていないと思う。(記者はとかく都合のいい取材・意見の集約を行うものだ)
記者がこんな言葉狩りをしている現状は実に嘆かわしく、自分たちの罪悪性に気付いていないのでより恐ろしい。自分で自分の首を絞めているのが分からないのだろうか。

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もうろう会見みたいですね (tk)
2011-09-13 18:10:26
まるで「もうろう会見」を見ているかのようですが、鉢呂氏の言動にはツイッター上では同情論がかなりあり、あの時ツイッターが普及してたら、今は亡き中川昭一さんも、少しは浮かばれたかなと思っていました。

ちなみに佐藤優氏はかなり厳しい意見を示しており、うーん辞任もやむを得ないかと、納得?してしまうほど。


【佐藤優の眼光紙背】鉢呂経産相辞任と「オフレコ破り」問題
http://news.livedoor.com/article/detail/5854294/
【佐藤優の眼光紙背】鉢呂経産相の『放射能をつけちゃうぞ』発言を野田佳彦首相が放置してはならない
http://news.livedoor.com/article/detail/5851023/
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「やけくそ」は問題発言かな? (村の老人)
2011-09-15 20:51:01
何を騒いでいるのかのう~
経産省の記者達は優秀で国語の素養あるんじゃないかね。昔からのありふれた表現とわかっておったのじゃよ。意図的に騒ぎ立てて、言葉狩りを正当化するために、被災地のせっかちな人達を利用して「けしからん」と言わせた・・。鉢呂さんの会見全体を読むと全く騒ぐ必要ないのがわかるはずじゃがな。
ちょうど、「・・・何糞の気持ちで頑張って下さい!」「あっ、糞って言った。大臣なのに!ひどい」みたいなもんじゃな。

冷静に考えると馬鹿な事で騒いでいるのが分かるのじゃが、マスコミ全体が鉢呂氏非難一色。みんな思考停止してしまっている。それは被災地への間違った配慮なんじゃろうな。
(被災地の人が一人でも嫌がったら言葉が使えなくなるとなったら、日本語は後退するんじゃよ)

まともなのはこれを正面から捉えた昨晩のニコニコ生放送ぐらいじゃ。
政治家達は自分の真の声を、記者達に潤色されずに、ストレートに伝えたいと考えてインターネットの動画を利用するんじゃね。
これからはますます新聞離れがすすむだろう。経産省の記者クラブのおかげで新聞業界は痛いつけを払う事になるじゃろな~
ちなみにワシもしばらく新聞はお休みじゃ。
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