杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・震災地福島の状況 ~ 重要な情報をもっと報道してほしい

2011-03-22 02:57:46 | 報道・情報
現地の状況について、MLに投稿されたメールです
転載可、ということですので、お伝えしたいと思います。

このところのニュースには、心温まる話とか、東京消防庁の武勇伝(正直、立派だと思っていますが)
などが多くなってきているように思います。
でも、それよりも知らせてもらうべき情報は、もっとあるように感じています。

以下転送文

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俵義文です。
俳優の有馬理恵さんが投稿されたメールを
多くの人に読んでほしい、知ってほしいと考え、
有馬さんと布施祐仁の転載許可を得ましたので、転載します。

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初めて、投稿させて頂きます。
憲法ミュージカル「ロラ・マシン物語」でロラ・マ
シンを演じさせて頂きました、劇団俳優座の有馬理
恵です。
宋神道さんのご無事、憲法ミュージカルのメンバー
にもお伝えさせて頂きました。
みんな本当に喜んでいました。
お知らせ頂き、本当にありがとうございます。
さて、
昨日こんなことがありました。もし次の救援便が、
確実に決まりましたら、改めてご連絡させて頂きま
す。


私の親友、布施祐仁くんが、福島原発の周辺に住む
青年(未成年)のツイートの叫びを読んで、昨朝
(3/19)、2歳の娘を保育園に預け、福島原発
付近避難所へ物資を積んで向かいました。
布施祐仁くんを動かした青年の叫びの一部をご紹介
させて下さい。
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mazinal 国なんて信じないぞ!!テレビで本当のこと
を流せ!!何故三号機が爆発したときに南相馬市に
向かっていた自衛隊がマスクをして、消防車がサイ
レンを鳴らしながら戻ってくるんだ!!人を乗せる
バスも何故ユーターンして戻ってくるんだ!?助け
ろよ!!助けてよ!!
1日前
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mazinal 拡散お願いします!! 南相馬市をどうか助け
てください!! 放射能で行政も入ってきませ
ん!!そこの地区の人たちは使命感にかられて残っ
ています!! しかし、中にはガソリンさえあれば
逃げたい人だっています!! 彼や彼女たちに逃げ
る術を授けてください!!
約21時間前
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mazinal 大丈夫なところばかりながすな!!現実をな
がしてくれ!! 相馬市なんかは放射能を浴びなが
ら津波でなくなった人の死体をかたずけてるん
だ!! しかもテレビでやってる放射能どこの問題
じゃない!! 私はなにも出来ない未成年だ!!だ
から皆助けてくれ!!
約9時間前
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mazinal 放射能が大丈夫なら何故国は私達を助けにこ
ない!!??おかしいだろ!!助けてくれ!!見殺しに
しないでくれ!!
約9時間前
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mazinal 放射能はもうあの30キロだけの話じゃなく
なっている!!相馬市でも放射能は凄いんだ!!で
も、南相馬市でも、相馬市でも津波の被害は大きく
て放射能を浴びながら死体を片付けているんだ!!
8分前
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mazinal あの避難地域30キロはなにかっていうと国
が遠まわしにここしか補償しませんよ。というメッ
セージのようにしか感じられない!!
7分前
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mazinal 家もなく、車もなく、車があってもガソリン
なく、私の友達のお母さんは避難出来ないことを息
子に泣きながら謝ってるんだぞ!!母親に泣かれる
のはつらいのは皆同じだろ!!残ってる人たちだっ
て皆と同じような家族なんだ!!お願いだから自分
のように考えてくれ!!
3分前

布施祐仁くんの報告です。
昨夜、福島より帰ってきました。皆さまの協力で何
とか南相馬市(原発の北30キロ圏内)に300キロのお米
をはじめ、野菜や果物、水、漬け物などの食料、マ
スクやおむつ、ガスコンロなどの日用品を届けるこ
とができました。ありがとうございました!少し長
くなりますが、簡単に報告したいと思います。

福島市から南相馬市に向かう途中、10台近く連なっ
てサイレンを鳴らして走る救急車、自衛隊の衛生部
隊の車両、警察の機動隊車両、そして避難する住民
を載せた大型バスとひっきりなしにすれ違い、否応
なしに緊迫感が伝わってきました。

物資を集積している市の体育館に着くと、大きなト
ラックが停まっており、水とお茶を下ろしていると
ころでした。市長が繰り返しテレビなどに電話出演
し危機的な状況を訴えてきたりしたことで、こうし
た支援が届き始めているようでした。このあと、僕
たちも物資を車から下ろし、体育館に運びこみまし
た。

すると、そこに一人の杖をついたおばあちゃんが
やってきて、「食料が欲しいのですが、どうしたら
手に入れられるのですか?」と尋ねられました。そ
れで、市役所の職員を呼んでその方法を説明しても
らったあと、僕は「おばあちゃんは、避難するつも
りはないのですか?」と聞きました。すると、「私
は足が悪くて障害者なので、段差があると歩けない
し、(避難所で)毛布一枚で寝るのはしんどいの
で…」と。そして、こう言ったのです。

「もし再臨界になったら隣の街に家を借りて住もう
と思っています」

再臨界とは、原発で再び核分裂の連鎖が始まり、制
御不能になって暴走する最悪のシナリオです。当
然、それが起こってからでは遅いし、おそらく生き
ていることはできない。それを伝えると、おばあ
ちゃんは「(再臨界は)危ないんですか…」と絶句
し、「考えます」と言って立ち去りました。

南相馬市は市長の決断で全市民避難を決めました
が、市役所の職員によれば、このおばあちゃんのよ
うに残る人が相当数いるだろうとのことでした。数
日前の段階で約3万人が市内に残っていて、市の用
意したバスに乗って避難したのは約6000人。自力で
避難した人を加えても、おそらく一万人程度と思わ
れます。つまり、まだ二万人もの人が残っている可
能性があるのです。通常の物流はすべて止まってい
るので、この人達のいのちをつなぐ物資が必要です。

しかし、街はまるでゴーストタウンのようでした。
屋内退避指示が出されているため、みんな家の中に
いるからです。ときおり犬の散歩をさせている人な
どを見かける程度でしたが、そのなかにはマスクす
らしていない人もいました。国が繰り返し「ただち
に人体に影響はない」と繰り返していることで、大
変な思いまでして避難しなくても大丈夫と思ってい
る人が少なくないのです。

しかし、事態が深刻なことは警察官の服装を見るだ
けでよく分かります。全身防護服に防塵マスク。外
から見えるのは目だけ。その上、手足の袖口までガ
ムテープをぐるぐる巻いて放射性物質が入らないよ
うにしています。これは彼らが内部被曝の危険性を
はっきり認識している証です。テレビでは繰り返し
「レントゲンと比べて…」などと説明されています
が、外部から一瞬照射されるレントゲンと違って、
放射性物質が体内に入って半永久的に内臓などが被
曝し続ける内部被曝は、たとえ低線量でも人体に影
響を及ぼすリスクが高いのです。しかし、住民はそ
のことを知らされていない。このままでは、いや、
すでに甚大な被害が出ると思います。その上、再臨
界などか起こったら…。想像もしたくありません。
残った人を避難させるためには、国が危険性を認め
て、また最悪のケースを考えた予防措置として、避
難指示を今の20キロ圏内から少なくても30キロに広
げるべきです。

この日も、海岸では400体の遺体が収容されたようで
す。津波被害が大きかった南相馬ですが、原発事故
と屋内退避でこれまで行方不明者を捜すことも、遺
体を収容することもできませんでした。これも、住
民が避難を躊躇する理由になっています。まだ帰っ
てくるかもしれない…、遺体を置いて自分だけ離れ
るわけにはいかない…、やはりそういう気持ちがあ
るのです。

僕たちも海岸まで行ってみました。そこで見た光景
は、ちょっともう言葉では言い表せない。灰色の死
の世界。どこまでが陸地でどこからが海だったか分
からないほど、廃墟の世界が広がっていました。

帰り、誰もいない道端に、黒い小さな可愛い犬がさ
まよい歩いていました。おそらく室内犬として飼わ
れていた犬。バスで避難した人が連れていくことは
できないと、置いていったのだと思います。それを
見て、本当に悔しかったです。連れて帰ればよかっ
たと、今になって悔やんでいます。

南相馬は、景色も素晴らしいし、何もなかったら本
当にいいところなんだろうなと思いました。こんな
ことでふるさとを離れざるを得なくなった人達の心
中を想うと、本当にやりきれない。

僕には、南相馬がこれからどういうことになってい
くか、まったく想像できません。ただ言えること
は、国は一刻も早く退避指示の範囲を拡大すべきで
す。

また状況を見て現地に行くかもしれませんが、それ
までは東京で、日常生活のなかで、できることを
やっていきたいと思います。

あと今回、ツイッターでつながりこの行動のきっか
けとなった南相馬に住む女子高校生は、家族と一緒
に無事に岩手に避難することができました。しか
し、おじいちゃんだけは、国の避難指示が出るまで
は残るといって来なかったそうです。

最後に、今回急な呼びかけにもかかわらず、貴重な
物資などを提供していただいた全日本民医連、福島
農民連をはじめ、力になっていただいた皆さまに心
より御礼申し上げます。これから救援と復興は長く
困難な道程になるでしょうが、そういうときだから
こそ希望を持って、みんなで連携し合い協力し合っ
て一歩一歩前に進んでいきたいと思いますので、今
後もどうぞよろしくお願いいたします。




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