・「ＡＶ神話 アダルトビデオをまねてはいけない」

七生養護学校（現在は七生特別支援学校）の性教育に対する東京都、都議会議員、産経新聞の攻撃、具体的には、校内での性に関わる教育教材を都教育委員会、３都議会議員が取り上げていったことについて、教育への不当な介入であるとして裁判をしています。

この訴えの中で、性教育の必要性について詳細に訴えているのですが、これまで大まかに社会の中では間違った性情報が流れているから、正しい知識を教えなければ性という重要な問題について、他人や自分を傷つけてしまう、といういい方をしていました。

ところが、先日タイトルの本を見つけ、本当に驚きました。
電車のつり広告を見ても分かるように、性が商業主義的に売り物にされているとは思っていましたが、そのような情報（ＡＶアダルトビデオなど）が作られる基にある発想が、女性の蔑視であり、道具化であって、そのために人としてもモラルの喪失、さらには違法行為の分別が付かなくなる事態に陥るということが、とても分かりやすく書かれていました。

そのような情報にずっと接しているときに人間の感覚が馴らされしまうことの恐ろしさを感じました。

たしかに、私の関わった件で
結婚して交渉を持つ際に、ハイヒールを履いて妻を蹴り飛ばして妻に逃げられた、
電車で痴漢行為をするとその女性とつき合うきっかけになる、と思って何度も逮捕されていた少年、などがいました。

自分を守り他人を守るためには、やはり、きちんとした性教育によって個人が防御をするしかないといえます。

この本、何とも目を覆いたくなるような文字が並んでいますが、書かれている内容はとても大きな問題を指摘しています。
「ＡＶ神話　アダルトビデオをまねてはいけない」杉田聡（大月書店）
を読んでいただきたいと思います。