沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

市町村による一般廃棄物の民間委託処分に関するリスクを考える

2015-08-30 10:51:00 | ごみ処理計画
廃棄物処理法の規定により市町村は一般廃棄物の処理責任者とされているため、民間に処理や処分を委託する場合であっても、有価物として第三者に譲渡されない限り最後まで責任を負うことになります。

その場合、民間の業者は市町村の自治事務を「補佐」する役割になります。つまり、一般廃棄物の処理については市町村がプレイヤーで民間はサポーターということになります。

したがって、市町村が一般廃棄物の最終処分を民間に委託する場合は、最終処分場が閉鎖されて廃止されるまで(一般的には15年以上)処理責任者としての責任を負うことになります。

通常、廃棄物の処分場は15年程度は埋め立てを行っているので、仮に市町村が新設された最終処分場を所有している業者に処分を委託すると、その日から30年程度は委託した責任を負わなければなりません。

その間に、委託費の値上げ等のリスクもありますが、業者の許可取り消しや倒産といったもっと大きなリスクがあります。また、環境汚染(地下水汚染等)という更に大きなリスクがあります。

このため、国は市町村による一般廃棄物の民間委託処分については「やむを得ない場合」の選択肢としています。なぜなら、万が一、業者が倒産して数十年後に環境汚染が生じた場合は、処分を委託した市町村が費用を負担して環境汚染を除去する措置を講じなければならないからです。

一方、排出者が民間の場合(産業廃棄物の委託処分等の場合)は、処理責任者は最終処分場を経営している業者になるので、委託費を払い、きちんと処分されたことを確認すれば、その後の責任(排出者責任)はなくなることになります。

このように、市町村による一般廃棄物の委託処分には、将来、今の子供たちに想定外の財政負担を与えかねないリスクがあるので、国の言う通り「やむを得ない場合」を除いて委託処分を回避するのが懸命な措置になります。

※最終処分場の場合は閉鎖(埋め立てが完了)しても、環境を汚染する恐れがない状態(汚水処理等の管理を必要としない状態)になるまでは廃止することはできません。

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