音ばぁと絵本と

子どもと遊ぼう。子どもと創ろう。音と色とお話

ママの詩 mama's poem 『風が うたってる』

2008-05-20 | 音ばぁの絵本

   『風がうたってる』

  
子どものいる生活は、かなりしんどい。
   子ども達の はずむ声や 笑い声さえも 聞こえない時間が欲しいとも思う。
   
  

  ノンが、3歳になった早春、
  まだまだ寒い日が続き、久しぶりにポカポカあたたかい日。
  一緒に庭に出ると、
  ふわぁ~と風が吹き、木の葉も花も、ふわり~と揺れた。
  二人とも立ち止まり・・・
  ノンが言った。
  「うわぁ~  いい香り! 風が歌ってる!」
  ドキリとした。
  大人になってしまった私は、風の歌をきいているだろうか?

  

  『やる気まんまんジュース』

 
 ままごとで、「ママへ」とごちそうを作ってくれた。
  「やる気まんまんジュース」と「さんにん茶づけ」・・・
  楽しいネーミングと思いやりに、元気が出る。

    

   こども同士の会話に耳を傾けると・・・
  ぬりえをしているノンのところに、ハルが来て、
  ハル:「ノンちゃんのぬりえ 手伝ってあげるね。」
  ノン:「せっかくやったところ ありがとう。」
  ハル:「うん。 よけいなお世話?」
  意味がわかっているのか、いないのか、
  大人の言葉で話せたことが嬉しくて、笑いあっている。

  

  物語に入り込んで遊ぶのが好きな二人。
  毎日、毎日、ほとんどの時間、何かになりきって、ごっこ遊びをしている。
  ある朝、着替えもせずに、ふたりで毛布にくるまり、コソコソコソ・・・
  「ぼくたち、ふたりとも 親なしなんだな。」
  うん?  ハァ~! 『天空の城 ラピュタ ごっこ!』
  ハルがシータで、ノンがパズー。
  そんな時は、ママも 海賊のお母さんになって、
  「急ぐんだよ!40秒でしたくしな!」
  「きゃ~!!!」と、とび出して、大あわてで着替えを始める。
  
  『なもない のばな』

  
ハルとノンをつれて、幼稚園へ行く道々。
  花の好きな二人は、道端の花を摘んでは、小さな花束にして、
  毎日 先生にプレゼントしていた。
  雑草と呼ばれている花たち。
  「ママ、この花かわいいよ。」
  と、小さな小さな花を、そっと摘む。
  よく見ると、一つ一つは本当にかわいい。
  「なんていう花?」
  と聞かれるので、図鑑で調べてみると、
  どの花にも、どの草にも、ちゃんと名前がついている。
  
  ただでさえ1時間かかる幼稚園までの道。
  5月には、林からたれた枝に、いっぱい実ったもみじいちごの実!
  夢中で、摘んで、食べて・・・もうこんな時間!
  大急ぎで、幼稚園へ向かう。
  
  
  『母の日と父の日』 

  母の日― 小学生になったハルと、幼稚園年長になったノン
  母の日に、ママにないしょで、プレゼント作ってくれた。
  ママを庭仕事に出すと、エプロンして三角巾して、
  台所の戸には、「たちいりきんし!とくに、ママは!」と張り紙をして、
  自分達でそろえた材料で、何か作り始めた。
 
  外には、ふたりの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
  「あ~それいいね。そうしよう。」、
  「うわぁ~!どうしよう・・・」
  何か困ったことも起きてるらしい。
  「ノン、包丁使うから離れてて!」
  「うん。ハル!気をつけるんだよ。」(木屋の子供用の小さい包丁)
  ママは、聞こえないふりで、じっと我慢。

  「ママ~!できたよ。どうぞ!」
  出来上がったのは、びっくりパフェ!
  グラスの中には・・・
  アイスクリームや生クリーム、マーブルチョコ、フルーツソースがたっぷり、
  ポッキ-がポキポキささっている。
  食べ始めると、コアラのマーチがアイスクリームまみれで、いくつもでてきて、
  キュウイも皮付きのまま細かく切ったもの、飴やラムネも出てくる。
  「ママ、おいしい?」
  「うん、でも、何がでてくるかこわいね。」
  「びっくりパフェだもん。ね~。」
  ママのために、たった一つのパフェを、
  一時間以上もかけてつくってくれた。

  父の日― ノンは、幼稚園で、父の日のプレゼントを作っていた。
  「パパ!ぜったいに幼稚園に来ないでね。
   パパには、ないしょのことがあるんだ!」
  ないしょと言いながら、言いたくてしょうがない。
  父の日がきた。
  朝起きると、一番に、パパのところにプレゼントを渡しにいく。
  「パパ!目をつぶって!まだだよ。もういいよ。これ、ストラップ。
   これはパパの絵。」
  「これ、ノンが描いてくれたの? これはうれしいな~。」
  「パパ、うれしい?」
  「とってもうれしいよ。」
  ノンは、ママのところにとんできて、
  「パパ、喜んでくれたよ。
   なんだか、うれしくて、うれしなみだが出てきちゃった。」
    
   
  
  もちろんパパにも、二人で、パパの顔のびっくりケーキを、作ってくれた。
  パパは、大感激。
  すてきなケーキだけど・・・
  「ガムを入れるのは失敗だね。とけちゃうもん。」
  やっぱり、どっきりケーキだった。

  子どもは、ママやパパが大好きで、精一杯の思いやりをくれる。
  どの子も、きっとそうだと思う。

   『Our Papa』

  わが家の父親は、昔からいう『かみなり親父』には、ほど遠い。
  まったく、威厳を感じさせない。
  パパが帰ってくると、子ども達は、パパを遊具と思っているのか、
  よじ登ったり、すべりおりたり・・・
  「パパ、王子様ね。」と、スカーフをマントのように首に巻かれ、
  ネックレスやブレスレットを、いくつもつけられ、
  子ども達は、肩にのっかり、
  肩車で、「あっちいって!」、「こっちいって!」と、
  作ったものを見せたり、今日あったことを話している。
  パパは、
  「そりゃぁ すごい!」、
  「これ大切にとっておくよ。」
  と、しきりに感激している。
 
   「今日も、トイレ失敗しちゃって、どうしようか?」
  と、心配ごとを相談しても、
  「そのうちできるさ。」
  と、のんきなもの・・・。
  「すこしは、子どもをおこってよ!」
  と、言いたいときもあるけれど、
  のんびりパパさんのおかげで、子ども達は、どんなにすくわれたか・・・。
  ママにすごくおこられた日も、パパとふざけて笑いながらねむりにつく。

 


ママの詩 mama's poem 『おはなし芸人』

2008-05-20 | 音ばぁの絵本

  『子どもとつくる絵本』

  本の好きなパパとママの子は、やっぱり、本が好き。
  まだねむりたくない日でも、さっとふとんに入り、
  ふとんの中で本を読んでもらう。
 
  「目をつぶってても寝たと思わないでね。
   目をつぶって想像して聞いてるから・・」
  と、自分達の世界に入っている。
  ごっこをしながら、聞いているときもある。
  「ハルは、シータね。ノンは、パズー。ママは、おはなし芸人ね。」
  ママのおはなしは、いろいろな音が聞こえてきて、
  まさに、おはなし芸人なのでした。
  
   
  
   おはなし芸人のママは、子どもと絵本を作ります。
  特別すばらしい絵本というのではなく、
  子どもとの生活から生まれてくる絵本です。
  大人になってしまうと、見えなくなってしまう、
  小さな妖精たちとも、子どもと一緒なら会える。
  子どもと一緒に、ひかりの子と遊び、雨の声に耳を傾ける。
  虹が出たらうれしくなって、風がおこったら近くの木に逃げ込む。
  小さな花たちのおしゃべりが聞こえたら、物語が生まれる。

   

  子どもの言葉に耳を傾け、子どもの時間に、そっと付き合っている時の、
  ちいさなちいさな幸せです。

   

  『子どもの豊な感性』
  
  赤ちゃんは、まだ目の見えないのに、
  窓から跳びこんだひかりの子たちが動き回ると、
  ひかりの子を追いかけて、手をバタバタさせて
  楽しそうに遊んでいる。

  耳に入ってきた音に驚き、喜んだり泣いたりしてる。
  そして手に触れたものは、何でも口にもっていき、
  すべてを体中で感じようとします。
   
 
  人間のもって生まれた感性はとても豊です。
  幼いうちに、感じたものを、表現していく経験をたくさんして
  将来も、感性豊かに、自分を表現してほしい。
  
   
 
  子どもを土と水のある場所においておくと、
  容器に水を入れたり、土を入れたりをくり返し、こねたり、
  たたいたり、何時間でもあそんでいます。
  子どもは、土や水とコミュニケートしているのを感じます。

  「創造力を育てる」という言葉が、多く使われるようになりました。
  創造力に必要なのは、コミュニケートする力だと思います。
  身の回りの自然と、身の回りのものと、身の回りの音や色、
  そして自分の接している人とコミュニケートして生まれてくるもの。  

  自分の感じたものを、共感してもらったり、
  受け入れてもらえることが、自分の表現が生まれてくる
  第一歩になります。
  自分を表現できることは生きていく中で、豊かさと力になります。

  自分の子どもが、どう生きてほしいか・・・、
  自分らしく、生き生きと、豊かに生きてほしい。
  もちろん、親自身も、子どもとともにいる今を、豊かに生きたい!
  さあ!動き出さなくちゃ!

  この思いから、謎の魔法使いれいれいを招いて、
  仲間たちを誘って、
  「れいれいのワークショップ」をはじめました。  
  『音とあそび、メロディーを描く、音楽はもっとおもしろい!』  
  親も子どもも、ありのままの自分を、楽しんで表現できる場を創りたい。
  心がわくわくするような、おもしろいことをしてくれる人は・・・?!
  れいれい!

            

  
れいれいとは、障害のある人と共に行なった音楽ワークショップで、
  出会いました。
  今まで音楽が苦手だと思っていたのに、音楽ってこんなに楽しいんだ!
  と、毎日わくわくしていたものです。
  子どもが、“音楽”と出会うときも、
  音符を覚えたり、楽譜を読んだり、みんなと同じリズムを打つことから
  始まるのではなく、まず、自分の好きな音、好きなリズム、好きな表現を
  充分に楽しめたら、“音楽”は、ずっと変わってくるでしょう。

  

  れいれいは、オーストリア国立芸術大学モーツァルテウム
  「カール・オルフ研究所」で「音楽と動きの教育」を学び、
  帰国後「シュピールハウス」を創設し、
  カール・オルフの考え方をベースに、音楽教育の枠を超えた
  創造的な音楽表現を指導されています。

   《カール・オルフ━ドイツの音楽家》
  
子どもどもに「音楽を教える」のではなく、
  「音楽を愛することを教える」ことを提唱し、
  生活や遊びの中の音楽的かかわりを、
  即興表現や創作することで、
  子どもが、自分自身の個性や創造性に
  目覚めていくことを願った教育家。)    
  http://www.edutainmentcollege.org/event/carlorff.html

  「シュピールハウス(Spielhaus)」ってどんな意味?
  
  
ドイツ語で、シュピールは遊び、ハウスは家のこと。
  ですから、シュピールハウスは、直訳するなら“遊びの家”です。
  さらに、spielには、“遊ぶ”という意と同時に“演奏”、“演劇”
  
といった意味合いも含まれます。
  つまり、演じたり奏しながら、心を遊ばせることなのです。

  れいれいの 音楽と遊びのワークショップも紹介していきますね。
  おたのしみに   


『 A  Silver  Snail (銀のかたつむり) 』

2008-05-10 | 音ばぁの絵本

   
 『 A  Silver  Snail (銀のかたつむり) 』 

     
  ハルが 生まれた日、   
  イギリスのバーバラから 小さな箱が とどきました。
  中には、小さな 銀の かたつむりと、
  小さなカードが 入っていました。
  
     「 この 銀の かたつむりは、
      妖精たちからの プレゼント。
      子どもの 歯が抜けたら
      かたつむりの 殻をはずして
      その小さな歯を 入れてごらん。
      妖精たちは、お礼に
      銀貨を くれるよ・・・

   
  銀の かたつむりは、ハルの枕元に
  そっと おかれました。
                     
  真夜中
  かたつむりから、ふしぎな美しい音がきこえ、
  キラキラ キラキラ ひかる 妖精のこなが
  ハルの上に、しずかに降りました。 
                   
  つぎの日から、ふしぎなことが おこりました。
  ハルのベッドに、おひさま光がさしこむと、
  光の子たちが やってきて、
  ハルと 遊びはじめました。

  おいかけっこの 好きな 光の子は 
    あっちへ こっちへ 逃げまわり
  まだ 目の見えないはずの ハルが
  光の子は 見えるのかしら・・・?
  つかまえようと 小さな手を動かしています。
    
  一番にやってきたのは、秋明菊の精 
  「生まれてくるの待ってたのよ。
   お庭に来て。みんな お顔をみたいから。」 
  ハルは、パパや ママに 抱っこして
  お庭を散歩しました。

  
    
  秋明菊の精は、
  まゆみの小枝に とびのって、
  まゆみのブランコゆらしてる。

  「 まゆみの あかちゃん ブーラ ブラン 
    ブランコ  のってる   ブーラ ブラン
      
わたしも  のりたい   ブーラ ブラン 

  

  いちじく酒で、ほろ酔いかげんの いちじくさん
  「生まれてきて おめでとう。 ヒックゥ

  

  冬になると 何日も 何日も 雪が降って
  遊びに来てくれるのは
  雪ランだけ・・・
  ハルは じっと 窓の外を 見ています。
  「あ・・・う・・・  あ・・・う・・・」
  だれと お話しているの?

  
  
  つららじいさんが、雪ん子つれて 
  やってきた。やってきた。
  あっというまに 消えてしまったけど
  えんがわの石の上には 
  きれいなせりが 一束 おいてあった。
  ふゆの おみやげ ありがとう。

  

  あったかい 春の光がさしこむと
  スノードロップが鐘を鳴らして、
  ふくじゅそうを ゆりおこし、
  春の歌をうたってもらいます。
  
  

  かたくり
が 目をさますと
  さぁ 春の始まりです。
  かたくりは 小さな花の芽に
  毎日せっせと 水をやり
  スノードロップは 楽しそうに踊ります。

  

  やがて、 スイセンムスカリも、
  起きだして、庭じゅうを行進です。

    おなかがすけば、お料理上手な
                      みやこわすれに ごちそうになります。
  
  

  真夜中に 散歩してごらん。
  きっと どこかで お食事してます。
  どうやって さがすのかって?
  よーく よーく 見ていると
  すずらんちょうちんの 光が
  ほら 動いてるでしょ。
  そっと そっと ついていって
  ごちそうになりましょ。

   庭じゅうが 花でいっぱいになって
                     いかりそうの 子どもたちが
                     パラシュートで 降りてきたら
                     夏の運動会の はじまりです。
  

  ふうせんかづらも あさがお
  よーいどん!で 登りはじめます。
  
  「 のぼれ のぼれ
   そらに  とどくまで
   のぼれ のぼれ 
   フレー フレー  」

  春・夏・秋・冬 庭の花たちは、
  いつでもハルと 遊んでくれました。
  ハルも、幼稚園に入り、
  妖精たちは、 まだ見えるかしら?
  もうちょっとで 5才になる 8月の暑い日
  ハルの 歯が ひとつ ぽろっとぬけました。

  

  「ぬけちゃった~」と 走ってきて
  銀のかたつむりの カラをはずすと、
  その小さな歯を そっと入れました。
  
  
 
  ハルとノンはいっぱい銀貨をもらったはず
  

  


てんてん堂

2008-05-04 | 音ばぁと遊ぶ

  
  「てんてん堂」のお話カフェ

  ひょんなことで出会った 宴さん。
  「宴(えん)」という本名も、ひょんで、ひょんな仕事をしている。

      

  清らかな水が湧き出る泉のような人で、
  でもその水を飲んでみると、
  薬にも毒にもなるような養老の滝のような人であり、
  母親のあたたかさも持っている不思議な人だ。

    

  「てんてん堂」
  平成十二年十二月に、ちばえんを代表として結成。
  刺繍をベースに 新しくも なつかしさが感じられるような
  表現を模索するユニット。
  「歳月不待人(歳月は人を待たず)」は、
  絵本初挑戦の作品。

  お話カフェは、イポップサンのテクノな紙芝居から始まり、
  てんてん堂の「歳月不待人(歳月は人を待たず)」の朗読。
  宴さんの遊び工房「キドコ工房」で作ったおはなしマトリョーシカ
  てんてん堂の絵巻物朗読で終わった。
  イポップサンのテクノな歌も心地よく、
  マトリョーシカの作品は、一見の価値あり
  てんてん堂のコンピューター刺繍は、現代の古典。

  イポップサンのHP http://epopsan.com
    イポップサンのクレイアニメ   http://jp.youtube.com/user/epopsan12345
    てんてん堂のHP    http://www.d6.dion.ne.jp/~rejigon/
    HAPTIC HOUSEのHP http://www.haptichouse.com/
 
    最後に、お楽しみ?おみくじをひいた。
  一の位が0の人から好きなお菓子をもらってかえる。