カカポの庭

本を読んだり、お茶を飲んだり。

いつかのお菓子の色の本

2005年09月20日 | 
「ぼくとくまさん」
作:ユリ・シェルヴィッツ
訳:さくまゆみこ
あすなろ書房

おとこのこのへやにはなんでもあります。
山や谷、それに月だって!でも、いちばんたいせつなのは…シュルヴィッツのデビュー作、待望の初邦訳。

この絵本の微妙な色合いが写真できれいにうつらないのが残念・・・。
草色の表紙、わかるかな。
中のページは真っ白の背景に、繊細なペンのライン。
色は、すいかの赤と、マスカットの緑のみ。
その色がとてもいい。懐かしい、いつかどこかで食べたお菓子みたいな色。
ページを繰るだけでやさしい気持ちになります。
作者ユリ・シュルヴィッツは、「よあけ」や、「ゆき」など、素敵な作品をたくさん制作されていますが、「ぼくとくまさん」というデビュー作が、今年邦訳されるとはびっくり。

シュルヴィッツは、1935年ポーランド、ワルシャワの生まれ。
4歳の時にナチスの迫害を受け、幼少期はパリ、イスラエルなどで過ごします。
24歳の時に挿絵の仕事を探し、ニューヨークに入りましたが、当時挿絵の仕事はあまりなく、出版社の有名な編集者から「自分で絵本を作ってみたら?」と言われ、生まれたのがこの作品だそうです。

シュルヴィッツが絵を入れている、復刊されたばかりの「空飛ぶ船と世界一のばか」も読んでみたいです。
ロシアの昔話なんですね。
タイトルに惹かれます(笑)

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