さじかげんだと思うわけッ!

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『崖の上のポニョ』の感想

2008-09-16 22:47:03 | 

久方ぶりに映画の話をしましょう。といっても、だいぶ旬を過ぎた映画なのですが、『崖の上のポニョ』です。
本当は、いかにも評判が高い『パコと魔法な絵本』を見に行ったんですけど、残念ながらもはや座れずということになり、第二候補だったこちらを見ることになりました。

なんかいろいろ賛否両論の作品のようですが、わたしは何の先入観も持たずに見に行ったつもりです。
知識といえば、ズームイン!!SUPERで得た断片的な映像と、あの歌ぐらいのものです。

話自体は面白かったですね。宮崎駿(1941~)的ではないと思いましたが、スタジオジブリ的だったのではないかと思います。
児童文学にたとえると、宮崎監督やここ数年来のスタジオジブリ作品というのは、小学校高学年~中学生ぐらいの読み物。舞台は空想の世界だったり、現代ではなかったりといろいろしますが、作品がはらむテーマやねらいというものは複合的で、その真価の捉え方は千差万別です。
しかし、ポニョの方はそうとは言い切れないところもあります。
ポニョの対象年齢を、今まで通り10代前半のつもりで見ると、きっと否定的な意見しかでないように思います。
ポニョは保育・幼稚園の上級生から、小学校低学年が対象でしょう。まぁこれもテーマについてはいろいろな受け取り方があるようですが、最終的な「愛の告白」により大団円を迎えますから、はっきりしているはずです。
わずか5歳の子どもに背負わせるものが大きすぎる気もしますが、あの親、あの子なら何とかしていける気がしてしまいます。
エンドロールが主題歌ワンコーラスで終わるという、ごく短いものであることも、おそらく幼小児向けだからだと思います。
夢と幻想とファンタジーに溢れながらも、現実にしっかりと足をつけた感のある「おとぎ話」であろうと、わたしはそんなふうに思ったんですよ。
それはきっと、それほど長くはない日本の児童文化においては、戦後に著しく非難された類の、そういうものに近い感じのものです。
違うのは、主人公をはじめとする登場人物たちが、自立していることですかね。主体的に動いて動いて、物語が展開しているところが現代っぽいかなと。
わたしが、この親子ならやっていけるかなと思ったのも、きっとこの自立というキーワードが立っているからなのだと思います。

今まで、ジブリ作品といえば、結果論的大人指向の作品が多かったので、そういう点ではスリルや白熱といった要素は薄かったかもしれません。
でも、子どもや子どもと一緒に見る分には、すばらしくよい作品だと思います。
わたしのヘタレな感想なんかほっぽっておいて、理屈抜きで楽しんでいただきたい作品です。


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