がんの治療薬として再承認されたサリドマイドが、四肢の短縮など胎児の奇形を引き起こす仕組みを、東京工業大と東北大が動物実験で解明した。四肢の形成に重要な役割を果たすたんぱく質の働きを、サリドマイドが阻害していたという。奇形を招かない類似の新薬開発につながると期待される。12日付の米科学誌「サイエンス」で発表した。
東工大の伊藤拓水研究員、半田宏教授らは、磁性のある微粒子と磁石を使いサリドマイドが「セレブロン」というたんぱく質と結合することを突き止めた。
次にセレブロンの機能を調べるため、魚のゼブラフィッシュの受精卵に、セレブロンを作らないようにする物質を注入。生まれたゼブラフィッシュに、胸びれが生えなかったり耳が小さくなる奇形が生じた。さらに、ゼブラフィッシュやニワトリの受精卵で、セレブロンがサリドマイドと結合できないよう操作した後、サリドマイドを投与すると、胸びれや翼が生え、奇形を招く性質が抑えられることを確認した。
セレブロンはヒトでも四肢の形成にかかわるとみられ、研究チームは「がんなどの治療薬としてのサリドマイドの有効な作用に、セレブロンが関係しているのか今後調べたい」と話す。
サリドマイドは1950年代以降、鎮静・催眠剤として世界的に服用されたが、大規模な薬害が起き販売停止となった。その後、98年に米国がハンセン病の治療薬として承認。血液のがん「多発性骨髄腫」の治療薬としても米国が06年、日本が08年に承認するなど、多くの国が認めている。【須田桃子】
【関連ニュース】
がん細胞:守るたんぱく解明…新薬開発に道 都臨床研など
たんぱく質:がん守るたんぱく解明 新薬開発に道--都臨床研など
挑戦のとき/12 北海道大電子科学研究所教授・永井健治さん
健康ナビ:コラーゲンは肌に効くの。
植樹:桜やクヌギ植える 創立100周年で入所者ら--菊池恵楓園 /熊本
・ 「政治家より偉い」橋下知事、自衛隊入隊予定者激励(産経新聞)
・ 国内最後の空港? 茨城空港が開港 (産経新聞)
・ 奈良のシカ、腹部に矢 文化財保護法違反容疑で捜査(産経新聞)
・ <訃報>菅谷孝子さん73歳=元清泉女子大副学長(毎日新聞)
・ 自民・与謝野氏らが新党結成ではなく党改革実現を目指すことを確認(産経新聞)
東工大の伊藤拓水研究員、半田宏教授らは、磁性のある微粒子と磁石を使いサリドマイドが「セレブロン」というたんぱく質と結合することを突き止めた。
次にセレブロンの機能を調べるため、魚のゼブラフィッシュの受精卵に、セレブロンを作らないようにする物質を注入。生まれたゼブラフィッシュに、胸びれが生えなかったり耳が小さくなる奇形が生じた。さらに、ゼブラフィッシュやニワトリの受精卵で、セレブロンがサリドマイドと結合できないよう操作した後、サリドマイドを投与すると、胸びれや翼が生え、奇形を招く性質が抑えられることを確認した。
セレブロンはヒトでも四肢の形成にかかわるとみられ、研究チームは「がんなどの治療薬としてのサリドマイドの有効な作用に、セレブロンが関係しているのか今後調べたい」と話す。
サリドマイドは1950年代以降、鎮静・催眠剤として世界的に服用されたが、大規模な薬害が起き販売停止となった。その後、98年に米国がハンセン病の治療薬として承認。血液のがん「多発性骨髄腫」の治療薬としても米国が06年、日本が08年に承認するなど、多くの国が認めている。【須田桃子】
【関連ニュース】
がん細胞:守るたんぱく解明…新薬開発に道 都臨床研など
たんぱく質:がん守るたんぱく解明 新薬開発に道--都臨床研など
挑戦のとき/12 北海道大電子科学研究所教授・永井健治さん
健康ナビ:コラーゲンは肌に効くの。
植樹:桜やクヌギ植える 創立100周年で入所者ら--菊池恵楓園 /熊本
・ 「政治家より偉い」橋下知事、自衛隊入隊予定者激励(産経新聞)
・ 国内最後の空港? 茨城空港が開港 (産経新聞)
・ 奈良のシカ、腹部に矢 文化財保護法違反容疑で捜査(産経新聞)
・ <訃報>菅谷孝子さん73歳=元清泉女子大副学長(毎日新聞)
・ 自民・与謝野氏らが新党結成ではなく党改革実現を目指すことを確認(産経新聞)