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"Uniqueness, impact and magic" - Joi Ito (MIT Media Lab)

応用倫理学再び

2015年03月21日 | Weblog
授業で Drawbridge Exercise という、おとぎ話のような題材でディスカッションをした。

原文はこちら

要約すると、お城に王様(baron)と王女(baroness)が住んでいて、嫉妬深い王様が「橋を渡って城の外に出てはいけない」と王女に忠告するも、王女はそれを破って愛人(lover)の所に出かける。帰り道に橋の前で狂人(madman)に遭遇し、「橋を渡ろうとすれば殺す」と言われ、愛人、船頭(boatman)、友人(friend)に助けを求めるもそれぞれの理由で断られてしまう。結局橋を渡ろうとした王女は狂人に殺されてしまう。

計6人の登場人物について、王女の死に最も責任がある(responsible)と思う順に並べなさいというのが問題。

簡単なようで実はいくつも論点が隠されている。チーム5人で全員一致を目指して議論する課題だったが、45分議論しても収束せず、その後のクラス全体でも大激論になって面白かった。

学部1年の夏学期に「応用倫理学」という授業を受けたなと思い出した。金田一少年の事件簿(アニメ)を見てカルネアデスの板について考えた記憶。

ビジネススクールでこんな事に時間を割くのは意味があるのか? というのは別の話。

この授業の教授はこれまでで最高だった。誰かが発言するとわざわざその席までやってくるという何とか白熱教室並のエンゲージメント(写真左)。これだけでもクラス全体の集中度はかなり変わってくる。

日本の大学が学ぶべき点は多い。

P.S. - 次回投稿でいくつか論点を書くので暇な人は原文を読んで考えてみてください。


ウルルン

2015年03月15日 | Weblog
前回投稿がネガティブな内容になってしまったので、1ついい話。

留学が決まる前から偶然知り合いだった、自分の興味のある業界で働いている年配のフランス人の人がパリ在住なので、「引っ越してきてようやく落ち着いたので都合のよいときにパリでお会いできるでしょうか?」と依頼したところ、「良ければ金曜の夜に家に来てもらえれば夕食ごちそうするよ」というお誘い。

過去2回会っただけで世代も違うのに、自宅(マンション)に誘ってくれるというのは自分の経験では考えられない話。奥様(歴史小説作家)はご不在でしたが、息子さんと共にフランスの家庭料理を楽しませて貰いました。



フランス生活

2015年03月15日 | Weblog
そろそろフランス生活についてもコメントを。自分の学校は特殊で、キャンパス内だと全くフランスにいる感覚を失うので、パリか旅行に行かないとフランスにいる実感が湧かないのが問題。

【良い点】

・食材(特にワインとチーズ)

とにかくワインが安い&豊富。街のスーパーで数ユーロの安いものから売っていて、10ユーロとかでおいしいワイン・シャンパンが飲める。フランスの家庭では食事の後にチーズ (and/or デザート) を食べるので、チーズも超豊富(フランスの地方ごとにチーズがある)。色々料理してる人によると、野菜とか他の食材も安くておいしい。

ただ、自分の街だとアジア食材がほとんど手に入らない。

・旅行

ヨーロッパなので当然ながら国内・国外と1日で色んな所に行けます。パリからユーロスターでロンドンまで2時間半、TGVでベルギーまで1時間半、ジュネーブまで3時間など。しかし自分は忙しくてこれまでほぼ全く行けず。

【ダメな点】

・交通

パリまでの近郊電車が30分に1本しかないんですが。パリ市内も乗り継ぎが面倒です。TGVとかユーロスターの発着駅が複数に分かれてます(東京と上野みたいな)。車もパリと他都市の幹線道路は良いとして、パリ中心部だと首都高速とかないので時間によってはかなり渋滞。

永遠に再開発してる東京と、都市開発という概念が全くなさそうなパリ(およびその他ヨーロッパ都市)のどちらが良いんでしょうか?

・生活が不便

自分の街にはコンビニもスタバもファーストフードもないです(駅前のマック1件だけ例外)。驚くべきことに日曜はほぼ全ての店が閉まってしまい、大型スーパーも昼12時で閉店。パリでさえ日曜はユニクロとか閉店してるので、法律で決まってるっぽいです。公共サービスも最悪。銀行は平日も12:15 - 14:00 まで昼休み。郵便についても、日本からの小包の配達で一度家に来て不在だともう二度と来てくれず、自分で郵便局に平日取りに行かないといけない。

・英語通じない

これは日本と同じですが。ただ日本人からすると、イギリスが隣国のくせに全く英語喋れないのはどうなのかと言いたくなる。

そういう訳で、忙しい・効率が重要な今の自分の立場からすると、マイナスの方が多い気が。旅行するには素晴らしいけれど、将来仕事で住みたいとは思わないです。そういう意味ではやはりロンドンの方が遥かに良さそう。

【シャンパーニュ地方】

日帰りでシャンパーニュ地方の町ランス(Reims) に行ってシャンパンのセラーを見学(車で片道2時間半)。地下壕のようになっていて、全長 18km あるとか。その地下空間を利用してモダンアートの展示までされていて、さすがフランス。訪問したセラーの中では最古の1874年のシャンパンも展示されてました。

ちなみに基本情報ですが、このシャンパーニュ地方で生産されたものだけを「シャンパン」と呼びます。シャンパーニュ地方以外のものは「スパークリングワイン」になります。