「小さな政府(小泉構造改革)」=格差社会

格差問題を中心とした考察 ※コメント、トラックバックは受け付けません

松下(パナソニック)は死んだ~綱領・信条・7精神だけ残しても

2008年09月05日 | 小泉構造改革

松下電器産業がパナソニックに社名変更する10月1日以降も、創業者の故松下幸之助氏の制定した綱領・信条・7精神などを各職場ごとに唱和する「朝会」を続ける方針を固めたとのこと。

“経営の神様”と呼ばれた幸之助氏の理念を全従業員に徹底する場として必要と判断したというが、実際に行っている企業行動とかけ離れた理想を社員に押しつける勝手な話だ。


私も松下グループの社員だった当時(1985~1990年頃)、朝会で社歌を斉唱、歌い終わると綱領や信条などを唱和していたが、その当時は「企業は人なり」を感じ取れる会社だったため、特に違和感は無かった。

それが中村邦夫社長以降の松下は、

「平気で社員をリストラする」(反 和親一致、礼節謙譲)

子会社、孫会社に無理矢理、子会社化した上で役員を送り込みプロパー社員までをクビにする」(反 和親一致、感謝報恩、礼節謙譲、公明正大)

偽装請負を行う」(反 公明正大)

「尼崎のディスプレイ工場建設に当たって、兵庫県から補助金を不正(道義的)受給する」(反 公明正大、産業報国)


など、とんでもない自己エゴの会社に成り下がったのだ。
元グループ社員の恨みはものすごいものと思う。
(ちなみに私はリストラされた訳ではない)


まさに小泉構造改革の民間版を実行する企業となってしまったのである。



その潮流を汲む経営者達が、社名をパナソニックに替えて「企業は利益のみ」の企業ポリシーを隠し、幸之助氏の綱領・信条・7精神だけは継続するなどといった厚顔無恥な決定をしても社員はしらけるだろう。

むしろ、中村邦夫版「綱領・信条・7精神」を定め、企業ポリシーと実際の行動を一致させる方が適切ではないのか。

幸之助氏は天国で泣いているぞ!と言いたい。

*************** 松下幸之助氏が言う遵奉すべき精神 ***************

一、産業報国の精神
産業報国は当社綱領に示す処にして我等産業人たるものは本精神を第一義とせざるべからず 一、公明正大の精神公明正大は人間処世の大本にして如何に学識才能を有するも此の精神なきものは以て範とするに足らず

一、和親一致の精神
和親一致は既に当社信条に掲ぐる処個々に如何なる優秀の人材を聚むるも此の精神に欠くるあらば 所謂烏合の衆にして何等の力なし

一、力闘向上の精神
我等使命の達成には徹底的力闘こそ唯一の要諦にして真の平和も向上も此の精神なくてはかち得られざるべし

一、礼節謙譲の精神
人にして礼節を紊り謙譲の心なくんば社会の秩序は整わざるべし正しき礼儀と謙譲の徳の存する処社会を情操的に美化せしめ以て潤いある人生を現出し得るものなり
一、順応同化の精神
進歩発達は自然の摂理に順応同化するにあらざれば得難し社会の大勢に即せず人為に偏する如きにては決して成功は望み得ざるべし

一、感謝報恩の精神
感謝報恩の念は吾人に無限の悦びと活力を与うるものにして此の念深き処如何なる艱難をも克服するを得眞の幸福を招耒する根源となるものなり