看護学生 まとめノート

自分でまとめた授業・教科書内容のメモです

小児10

2008-04-17 04:15:28 | 小児
1. 与薬                        
5つのR + 手洗い
→正しい薬であること
 正しい量であること
 正しい患者であること
 正しい与薬方法であること
 正しい時間であること
     
1) 経口与薬
・錠剤よりも散剤を使用する→体重や年齢で量の微調整ができる
・散剤は透明の容器に入れたほうが、溶かした場合の状態が分かりやすい
・白湯で溶かす。白湯の量は薬の性質や量で決める
・乳児には、幼児よりもゆるめに溶かす。乳首に入れて吸わせる
・注射器での与薬では、口角から少しずつ入れる。体は抱くか上体を起こす
入れたら嚥下を確認して、再度入れる。・・・・・嚥下障害のある子は他の方法で
   ・薬が飲めたらほめる
   ・注射器の内筒は、注射で使用するもの以外は黄色や赤などで色付けしてある
   
   ・「薬を飲まないと注射だよ」など、脅していけない
   ・満腹時は嫌がったり、嘔吐することがある→哺乳と哺乳の間や直前の空腹時に!
   ・ミルクや哺乳食には混ぜない:ミルク嫌いや偏食の原因になる
   ・2歳まではNsが補助
   ・児の疾患や治療に対する理解や気持ちを把握する
   ・内服後の不快感、効果、副作用の観察

2) 坐薬
・下部直腸を取り巻く血管は門脈系には入らずに下大静脈を経て直接全身循環系に入るために、効果発現が速やか・肝での初回通過効果を免れる。→薬を吸収しやすい
・潤滑油を使う(水でもいい)
・乳児は足を上げて肛門が見えるようにする
・大きい子は側臥位になり、しっかり膝を曲げ、口で息をさせる…腹筋の緊張を取る
・内肛門括約筋を通過するまで入れる→1~2cm


・便塊の確認は正確には出来ないのでしなくていい

   ・30分ほどで効果出る
   ・下痢や直腸肛門の障害がある小児には利用できない
   ・乳幼児は膝が腹部につくように曲げる
   ・学童期は腹圧がかかりにくい左側臥位にして膝を曲げてもらう
   ・深呼吸・ハアハアと声を出すとリラックスして肛門括約筋の弛緩を促せる
   ・乳幼児は安静にさせる ・小児は「うんちじゃないから出さないでね」
   ・乳幼児は坐薬が体温で溶かされる10~15分後に排出されてないか確認


3) 貼り薬
・経皮的 …胸、背中、上腕
・汗で取れやすい時は上からテープで止める

☆処置は処置室で、ベッドの上は安全な場所

4) 輸液(抹消静脈持続点滴)
・人形でのデモンストレーションをして子どもがイメージしやすくする
・穿刺部位:①手背静脈 ②頭骨静脈 ③足首…利き腕じゃない方、クセ
                      おしゃぶりをしない方(家族に聞く)
                      つかまり立ち年齢以降ダメ(9ヶ月
・24Gを使用
・固定方法は病院やNsで様々。シーネを使用…良肢位にする。圧迫しない
・ドレッシング材をつかって挿入部位が見えるようにする。ループを作って固定
・親指は使えるように出す。他の指も見えるようにし、チアノーゼの有無
・外す時は、はさみで切らない。ていねいに手で外す
・輸液ポンプ→充電が出来、持ち運びができる
・シリンジポンプ→少ない量の点滴
・観察:手首の巻き具合→きついと壊死を起こす
    子の機嫌、ストレス
    皮膚の浮腫(血管じゃなく、組織内に入ってしまっている場合)
    指の色、爪の色、 バイタル、嘔吐、下痢、発熱、体重、テープのかぶれ
    知覚の異常、 圧迫、点滴への理解、食事摂取状況、遊び、行動制限、清潔
   など



  ・体液の喪失がある児に水・電解質・栄養の補正・維持を行う
  ・与薬目的
  ・歩行・利き手・癖・習慣など生活や発達成長でアセスメント
  ・輸液速度、目的、セットにあった物品の準備
  ・穿刺により逆流を認めたら、点滴ラインを接続、固定
  ・シーネに角度をつけたりガーゼを挿入するなどする
  ・高さの変動によって滴下数が変化:患者が動いた後や、体位が変わった後に注意
  ・「歩く時は点滴さんを連れて行ってね」
  ・不足が発生しても、急速に補ってはいけない
  ・最低8時間ごとにはIN-OUTバランスを算出。オーバーフローの有無確認
  ・上肢が使える場合:カードゲーム、お絵かきなど穿刺部位以外の四肢を使った感覚遊び、視覚的に楽しめる工夫を!
  ・穿刺部をビニールなどで保護してシャワー浴:その後消毒
  ・衣服の着脱→そでにゆとりのあるものを

2. 検査
 ☆スタンダードプリコーション(標準予防策)は、感染症の有無に関わらず病院でケアを受ける全ての患者に適用する予防策であり、血液・体液・汗を除く分泌物・排泄物・損傷皮膚・粘膜に適用される予防策。すべての患者に対して、手洗い・手袋・マスク・ガウン・器具・リネンなどの予防策を実践することが求められている。

1) 骨髄穿刺…マルク針
・骨髄:造血器官。白血病などの血液の病気で
・処置前に排便・排尿を済ます。
・うつ伏せ寝をして、顔は横向きでNsは顔観察。→呼吸を阻害しないように
・お腹にタオルを当てる→安定しやすい
・一人は腕を持って、一人は殿部、大腿部を持って児を固定

   ・十分なプレパレーションが必要
   ・鎮静剤を使用する場合:嘔吐による誤嚥防止のために処置前絶食
   ・スタンダードプリコーション
   ・小児自身から情報を得ることは小児の処置に対する主体的な参加を促すのに必要
   ・後上腸骨稜:腹臥位




   ・「元気な血がいっぱいできているか調べるんだよ」など、目的の分かりやすい説明
   ・「消毒は冷たいよ」など、小児が体験する感覚の説明
   ・「泣いてもいいんだよ、でも動かないでね」と体位固定について説明
   ・局所麻酔を貼付
   ・排尿誘導
   ・塩酸プロカインアレルギーの有無、ショックを受ける児もいる
   ・「痛かったら手をぎゅっと握ってもいいよ」
   ・針を抜いたらガーゼで圧迫止血。小児固定解除。
   ・穿刺部位:イソジン消毒、滅菌ガーゼと圧迫固定用テープで固定:皮膚トラブル注意
   ・30~1時間後に止血確認
   ・剥離剤を用いると皮膚への刺激抑えられる
   ・検査後は30~1時間は床上安静を保つ
   ・鎮静剤を用いた場合は観察が大切
     
2) 腰椎穿刺…ルンバール針
・脳圧、髄液を検査、中枢神経系の疾患診断、治療効果の判断。 髄膜炎
・体位の固定2人、処置1人
・側臥位になり、へそを見てもらう 足を上げて、腰の下にこぶしを入れる
・児には具体的に説明をする

  ・両側の腸骨稜を結んだヤコビー線が第4腰椎を通るのでヤコビー線を基準とし
   第3.4腰椎間に穿刺
  ・仙骨から第5、第4~
  ・腰椎穿刺の合併症:脳ヘルニア、頭痛、髄膜炎
  ・禁忌:頭蓋内圧圧亢進症状、穿刺部周囲に化膿巣がある
  ・「頭の中に、ばい菌がいないか調べるんだよ」・・・発達段階や理解力に合わせて
  ・「えびさんみたいにできるかな」
  ・排尿誘導
  ・できるだけ腰椎間が広く開くように腰部を丸くして固定
  ・皮膚から髄腔までの距離が正しく判断できるように背面を処置台に対して垂直に!



  ・静脈性の鎮静剤を使う場合、バイタルを行い、酸素吸入、吸引を準備(脊髄でも同様)
  ・穿刺時、下肢のしびれがあると誤って穿刺している証拠。小児自身に確認する
  ・年少児は泣き方、表情、下肢の動かし方に注意
  ・髄液:正常では無色透明 検体容器に穿刺針が触れないようにする
  ・滅菌ガーゼで圧迫:髄液の漏出を防ぐ
  ・髄圧の変化による頭痛、吐き気、嘔吐を防ぐ:頭部を挙上しないように仰臥位保持
  ・バイタル測定:検査後2時間まで定期的に行う 頭痛。吐き気。嘔吐に注意
  ・2時間は安静が必要


☆子にとってのプレパレーション…心理的準備
 ・その子としっかりと向き合い、不安やストレスを軽減すること。
 ・一人ひとりに合ったものを
 ・処置をスムーズに済ますためにするのではなく、自分にとって必要だと分かってもらうことが大切
 ・ストレスの軽減、子の協力が得られるようになる
 ・親の不信感・子の喪失感→心の障害となる
 ・発達レベルに対応して行う、好きなものを使うなどが大切

☆子どもを「ほめる」とは
 ・処置後などにする
 ・自信をつけたり、自分でも出来るという喜びを感じてもらう
 ・成長発達にもつながる
 ・「ほめる」=看護である
 ・取引的な人間「@@出来たら***あげるから」→ご褒美がないと頑張れない
 ・ほめない→ただの苦痛
 ・ほめ方の工夫:子の性格などの考慮

                 

小児9

2008-04-17 04:13:07 | 小児
乳児―動く、泣く いかに機嫌よくはからせてもらうか
   意思を尊重して説明と同意を得る
   選択肢の提示
   安全、安楽、満足のいくように
   短時間ですませる
   無理強いしないように
   分離不安があるが、頑張りを認め、自信を育てる
   手洗いを必ずし、手を温める
   母にも安心感を与える(声かけ)
   五感を使い、患者の理解(分かりやすい言葉)で、年齢に応じた器具。
   成人より変化が大きいので、治療効果、ケアのすすみを知るためにも定時的な観察
バイタルの意義:異常の早期発見、早期対処のため
身体測定はNs2人で行うこと
発育、栄養の状態を見る
体重で薬の量を決める
体重で食事、薬の効果を見る
皮膚の状態をみて、虐待の疾患・・・おこりうること

① 身長:栄養、骨、筋肉の成長、異常の発見
2歳までは臥位で行う
小数点2位まではかる
体の変形が激しい場合:メジャーやひもを使う
目と耳のラインを平行にする
屈曲を伸ばす
② 体重:栄養、水分、薬の必要量を
浮腫、脱水の経過、効果
授乳後、入浴後、排便で変化する
学童期の子どもは測る前にトイレにいかせる
落ちないようにみとく
カウプ指数:[体重(g)÷身長(cm)2]×10…22↑、19~15、13↓
ローレル指数:[体重(g)÷身長(cm)3]×104…160↑、140、100↓
肥満度:[(実測体重kg-標準体重kg)÷標準体重kg]×100…+30%↑、
+15~-15%、―20%↓


③ 胸囲
メジャーで測る…摩擦で皮膚が傷つかないように
生まれたとき、頭>胸
小数第1位まで
1ヶ月で頭=胸
1年で成人の80%にまでなる
大泉門(1歳半で閉じる)と小泉門…泉門直径=(a+b)÷2
④ 腹囲
⑤ 骨、歯 P48表2-8

・看護師の役割
   ①安全の確保 ②正確な測定 ③環境の調整(室温の調節) ④プライバシーの保護
・体重測定
(乳幼児)おむつを取り、全裸で体重計に乗せる。児から目を離さない。
(幼児・学童以上)プライバシーの保護に努め、小児を下着1枚にして体重計に乗ってもらう。
・小児の体重増加と体重計の選択
身長測定 側臥位での測定=90cmまで 
      立位では足を60度に開く(扇形)
・形態的特長
体重 生後3~4ヶ月→2倍
   生後1年→3倍
身長 出生後1年→1.5倍
頭囲(33cm)>胸囲(32cm)
泉門直径=(a+b)×0.5       
成長面:体重3~4ヶ月で2倍(出生時3000g)
             身長1年で1.5倍(出生時50cm)



バイタル:安静が必要。苦痛が少ないものからする
① 呼吸
回数、リズム、速さ、チアノーゼ、胸郭・口角の形成異常
未熟:40~90、新生児:30~80、1歳:20~40 2,3歳:20~30、5歳:20~25
15歳~:15~20
② 脈拍
必ず1分間はかる
橈骨動脈だけじゃない。…側頭動脈。どうしてもだめなら心音をきく
熱があがると10~15回早くなる
出生時100~80、1~3ヶ月:100~220、2歳まで:80~150 10歳~:55~90
③ 血圧
マンシェットの幅
上腕1/3 
幅が広い→低い
  狭い→高い
左右差がある
年齢 マンシェット幅
3ヶ月 3cm
2歳 5cm
3歳 7cm
4歳 7cm
5歳 7cm
6歳 9cm
7歳 9cm
8歳 9cm
9歳 12cm
10歳 12cm
11歳 12cm
12歳 12cm



④体温
環境は24℃が適度
発汗は拭く
協力が得られないときはだっこなど
口腔内はしない
直腸温:全年齢で実施、未熟児、新生児でよく使う。下痢をしていたらだめ。
破損はないか、消毒をする。グリセリンを塗って、1~3cm入れる
口腔内:+0.2~0.4 直腸:+0.4~0.8



小児8

2008-04-17 03:42:13 | 小児
小児看護論 テスト ☆小児看護学2 P21~
①新生児:4w未満
① 低出生体重児:2500g未満
② 極低出生体重児:1500g未満
③ 超低出生体重児:1000g未満
④ 低出生体重児:成長・発達、健康状態
⑤ 36w6d未満:早期産児
⑥ 37w~41w6d:生期産児
⑦ 42w以降:過期産児
⑧ HFD:在胎週数のわりに出生体重が大きい(90パーセンタイル以上)(成熟異常)
⑨ LFD(ラージ):さらに身長も
⑩ LFD(ライト):在胎週数のわりに出生体重が小さい(10パーセンタイル以上)(成熟異常)
⑪ SFD:さらに身長も
⑫ ハイリスク新生児:危険性が高い3つの要因
-①母の原因 ②新生児の原因 ③産科的原因
① 糖尿病、内分泌、甲状腺、高齢初産婦、20歳未満初産婦、妊娠中毒症、貧血、ウイルス(風疹など)、トキソプラズマ、喫煙、飲酒
② 在胎週数、低出生体重児、LFD、HFD、早発黄疸、血液型不適合
③ 多胎分娩、遷延分娩、前置胎盤、胎盤早期剥離、帝王切開、機械の使用、など
⑬ ハイリスク因子ありでも、問題がなければ一般的ケアを継続する。母子分離を少なくし、観察を続ける。
⑭ 低出生体重児の皮膚: 赤黒い、しわしわ、皮下脂肪がない
⑮ 健康児の皮膚:ピンク、なめらか、皮下脂肪がある
⑯ 低出生体重児のプロポーション:3,4頭身(頭が大きく見える)
⑰ 健康児のプロポーション:4,5頭身
⑱ 低出生体重児の生活力:弱くて不活発、うとうと眠っている、時に甲高い声、低体温、
             飲み方が弱い
⑲ 健康児の生活力:しっかり飲む、ちゃんと泣いて飲みたがる、動きも活発
⑳ 低出生体重児の爪:柔らかくて指頭を越えていない
21 健康児の爪:硬い、指頭を越えている
22 低出生体重児の性器:陰嚢内に睾丸が降りていない、小陰唇が覆われていない
23 健康児の性器:陰嚢内に降りている、小陰唇は大陰唇に降りている
24 生理学的特徴:①体温が産生されるには褐色脂肪細胞が必要だが、皮下脂肪が少ないた     め、消費される脂肪(カロリー)が少ない
         ②体表面積が広い
         ③呼吸は肺が未発達の為に弱い→虚脱に陥りやすい→呼吸中枢が未発達→反射が弱い→肺のサーファクタント不足→無呼吸症候群になりやすい
         ④咳嗽反射が少ない→誤嚥が起こりやすい、自分の唾液にさえ
         ⑤消化器:嘔吐→低栄養、 脂肪の吸収が上手くいかない
         ⑥肝臓→ビリルビンの処理不足→早すぎる黄疸(生理的新生児黄疸)
         ⑦グリコーゲン貯蔵不足→低血糖になりやすい
         ⑧血管→弱く、傷つきやすく、出血が起こりやすい→頭蓋内出血
         ⑨循環血液量の不足→貧血
26 低出生体重児は生命の危険が大きく、看護の役割:的確な救命・救急の実施、起こる前から予測して早めに手が打てるように見つける。
27 命を守るだけでなく、後遺症を防ぐケアの実施、後遺症なき生存、→小さいほどエネルギーを消耗させないように必要最小限のケア
28 ☆①低出生体重児の発達に適した環境を整え、②低出生体重児のストレスに対する行動を理解し、ストレス行動がおきないように扱う③子どもの養育に家族を取り込む
29 親子間の愛着の形成…母子だけでない、父も!
30 低出生体重児が生まれそうだと分かったら、急に出てこないように。出来るだけ長く胎の中に!
31 母体搬送:できるだけ母子を離さないように、すぐにNICUに入れられるように配備
32 母への家庭訪問も良い
33 NICU:新生児集中治療室
34 NICUの特徴:①救急・救命ケアの場 ②成長・発達する場 ③母子愛着の形成の場
35 NICUの構造:感染を受けやすいので「清潔隔離」としてのの役目もあるNICUの部屋から外の空気が外にでるような構造。外の空気を中に入れないようにしてある。→室内を陽圧にする
36 清潔な操作の為に患者1人ごとに手洗いを実施し、肘まで洗う。冬でも半そで。
37 愛着の形成の為に、母子の面会はあるが、その際にも清潔が大切。同胞の面会は大抵ダメ。








小児看護論
① 超低出生体重児:1000g未満、在胎週数も30w未満が多い→2500g前後で退院できる
② 呼吸循環状態など、生理的な機能が安定するのは週数34wごろ
③ 睡眠・覚醒状態がはっきりし、元気に手足を動かすなど運動機能も十分に発達:37w
④ 自分の周囲の様子に興味を示すなどの社会的反応が発達:38w
⑤ ストレスを与えないことが大切:触れたり、周囲の物事・声かけも控える。そっとする
⑥ 体温管理:皮下脂肪が薄い・体表面積が広い・中枢神経系が未熟性→低体温
⑦ 低体温→代謝亢進→酸素消費量増加→グリコーゲン消費促進→低酸素・低血糖
⑧ 呼吸管理:呼吸窮迫症候群になりやすい
⑨ 経管栄養中:無呼吸発作が起こりやすい:無呼吸発作を発見したらすぐ手を洗って体に手を当てる
⑩ チアノーゼをほっとくと、脳にいく酸素がが少なくなり、脳障害が残ることがある。
⑪ 心拍数は100/分以下、呼吸停止15秒以上になると、アラームが鳴るようになっている
⑫ 動脈血で酸素分圧Pao2が50~60mmHgに保たれることが大切
⑬ 循環の管理:動脈管が完全に閉鎖しにくいこと。…心雑音が聞こえる
⑭ 出血しやすい→頭蓋内出血しやすい→ストレスを与えないようにする
⑮ 循環状態:生後72時間が最も変化しやすい
⑯ 感染予防:外の清潔も大切。医療者の注意、規則を守ること、が大切
⑰ 不安定なときは汚れた部分だけをふき取る程度にするのが良い。
⑱ 安定したら清拭や沐浴をする
⑲ 栄養管理:なるべく母乳ですることが望ましい
⑳ 1mlずつあげる 注射器に入れて自然圧で降りるように、ピストンを押さない
21 出生後、しばらくは経管栄養だが、32w以降は協調運動が出来るようになり、経口での栄養摂取可能となる
22 ☆栄養チューブの長さ=身長×0.2+7cm
23 2500gぐらいになったら哺乳瓶を使う 普通のだと大きいので、低出生体重児用の小さいものを使う
24 授乳をしたら、その後、滅菌水で白湯を入れる 1mlの乳だったら0.5ml程
25 呼吸の変化を見て、チアノーゼを観察
26 ディベロップメンタルケア:目標は超低出生体重児の成長・発達を促すこと
27 ストレス、騒音、光、睡眠、発達段階によっても異なる、ネスティング(鳥の巣篭もり)
28 カンガルーケア:父母の体温で体温維持(オムツのみ)
29 他にもタッチケア、マッサージ、
30 家族への看護:生まれる前に心の準備、生後、一緒にかかわり、自信を持たせる
31 自分のせいだと不安、自由に話せる場、気持ちの表現、相談に乗る
32 同胞:受け入れられるように一緒に考える
33 退院後のフォロー:早くに療育を進める

疾患

1.高ビリルビン血症
ビリルビンの値が一定の基準値以上に上昇して、治療を必要とする場合の黄疸。

① 原因:母児間の血液型不適合による溶血、脳血腫などの閉鎖腔内への出血、感染症、未熟性など
② 原因が認められない場合:特発性高ビリルビン血症
③ 看護:皮膚色の観察(自然光のもと)、黄疸は顔面から四肢へと。出生直後は多血なため紅色に見える
     全身状態の観察。黄疸出現→哺乳力低下、泣き声弱く、睡眠多い、モロー反射が弱くなる。
     排便を観察。胎便が遅れると再吸収されてしまう

2.核黄疸
 高ビリルビン血症を放置すると、ビリルビンが脳組織に結合して神経障害を残す。
筋緊張や哺乳力の低下、その後、筋緊張が高まり、そり返り体位(後弓反張コウキュウハンチョウ)が見られる
治療:①光線治療:光の量と交換輸血量は体重で決める
         40~50cmで4000ルクス当てる。目の保護(アイマスク)、性器
         保育器内の温度血チェック、子どもの体温も高温にならないように
②交換輸血:ABO不適合なら、Oを準備する。家族の許可が必要


小児7:教科書

2008-04-17 03:40:45 | 小児
第6章
26、P448~ 隔離
隔離目的①水痘や流行性耳鼻下腺炎などのような人から人へ感染する疾患に罹患している
場合に、他児への感染を予防するために感染源である小児を隔離するというもの(不潔隔離)
隔離目的②骨髄移植や化学療法中の患児のように、易感染の小児を他の患児からの感染を予防するために行われる隔離であり、清潔隔離あるいは逆隔離とよばれる。

27、活動制限のある小児と家族への看護
・ネフローゼ症候群の急性期のように著明な浮腫があり、循環不全があるような時期には安静が必要である。
・ベッド柵、転落、術後、固定、
・治療のための安静(腎疾患):糸球体腎炎*小児の急性腎炎症候群の中で最も頻度が高い。
血尿、浮腫、高血圧の主症状で急性発症する。治療は対症療法で、安静と水分・塩分・タ
ンパク質制限の食事療法が基本。

28、在宅療養
①意義と背景:・慢性的な健康問題を持ちながらも、医療処置を継続すれば
症状がコントロールできる子どもが増加
       ・入院期間の短縮化がはかれる
       ・保健福祉施策が整備されてきたこと
       ・持ち運びが出来て操作が簡単な新しい医療機器が開発されたこと
②在宅導入期:具体的に準備し、在宅療養を始めるまで。 総合的なアセスメントが必要
        ・退院後の継続的看護、地域の保健師や訪問看護ステーションとの連携に積極的に取り込む
        ・自宅が遠方にある場合は、子どもや家族と相談のうえ、主治医が近隣の病院にあらかじめ子どもの情報を伝えて、緊急時に対応してもらう体制を整えることで、子どもと家族が安心して在宅療養に取り組むことができる
③在宅継続期:生活に適した方法を検討。親のストレスとサポート
  発達段階に即した健康管理と日常生活のケア
① 乳児期:母親は自責の念や、漠然とした不安を抱えている。心身ともに疲労困憊してしまう母親もいる。成長・発達や体調の改善など家族とともに喜び、育児に対する自信を高めるようなかかわりが重要
② 幼児期:就園は子どもの社会生活の始まり。Nsは親とともに子どもの社会参加を喜ぶとともに支援する。健康問題や医療処置の必要性を伝えることが処置に対する子どもの理解や関心を高める
③ 学童・思春期:できるだけまわりの友人と同じ生活を送りたいと考えて悩み、ときには家族に怒りをぶつけることがある。子どもの主体性を尊重しながら見守ることの重要性を家族に理解してもらうことが望ましい。

④医療。社会資源
 ・チーム医療におけるコーディネーター
 ・保健福祉サービスの活用:相談の窓口を紹介できるシステムを整えることが重要
 ・教育機関との連携:教諭に対して、子どもの病状や医療処置の説明を行う
           学校側の支援体制の充実や、医療と教育の連携が今後の課題

在宅への流れ
① 入院
② 在宅への意思決定
③ 在宅導入期
④ 在宅準備期
⑤ 院内外泊
⑥ 在宅移行期
⑦ 院内外泊
⑧ 退院
⑨ 在宅継続期



小児6:教科書

2008-04-17 03:39:59 | 小児
外来における小児と家族の看護
10、外来看護の果たす役割はますます増大している。
・感染症が疑われる小児が来院した場合には隔離室に移動。
・初診や重篤な場合、診察・処置。検査などの診療の流れや目的についてもわかりやすく説明し、不安の軽減をはかる。→両親の協力を得る。異常の早期発見。訴え以外の異常
・6ヶ月以上を長期入院という

11、外来の設備
・待合室は小児を対象とする外来に必要な設備として、遊べるスペース、おもちゃ、本、小児用ベッド、小児用トイレ、授乳用スペース、給湯設備をそろえる。
・感染症の小児のために隔離室
・色彩や飾りつけに工夫をこらし、小児が安心して過ごせる環境を整える。

12、事故防止・感染防止
安全面での配慮が必要。年少児の転倒や、いす・診察台・体重計からの転落に注意。

13、入院が小児に及ぼす影響と小児の反応…大切な人との別離
①乳幼児期:喃語、不十分、情緒不安定、適応能力
      多くは母親に生活の大部分を依存している
      4歳以降→会話、社会性の発達、生活の自立、吸収、知識、好奇心
②学童期・思春期:学習習慣、ゲーム、友人、社会復帰(家庭・家族)に意欲がなくなる
         抗議(抵抗)→絶望(あきらめ)→否認(無関心) 物・人・生活

14、小児の入院が家族に及ぼす影響と家族の反応
・両親は自分たちの対応が悪かったのではないかと罪責感を抱くことが多い。
 ・小児との別離:家族は小児が入院することで喪失感を味わうことになる。しかし、もともとの親子関係、家族関係などによっても異なる。年少の同胞は、入院中の年少児の場合と同様に分離不安を体験する。








小児の入院環境
15、小児の入院環境の特徴
   小児病棟:小児がかかっている診療科を問わず、小児であれば原則的にどのような疾患であっても入院できる病棟
小児科病棟:小児科を受診している小児のみが入院する病棟であり、その他外科や耳鼻科・整形外科などの診療科にかかっている小児は、それぞれの診療科の成人患者と同じ病棟に入院する。
混合病棟:いろんな診療科の患者で構成されている
・少子化傾向と経済効果の観点から小児科病棟や小児病棟が閉鎖され、混合病棟に入院する小児の数が増えてきている。
16、入院形態
1945年GHQの指導:完全看護制として従来の付き添いを廃止する方向に向かい、
          小児の入院においても母親は付添い人として扱われるようになった。
17、物理的環境
 ・病室:感染症が疑われる小児や重症児のための観察室
     感染源となる小児を収容する隔離室
     抵抗力が弱く、易感染状態の小児のためのクリーンルーム
     母子室、大部屋、個室
・設備:ベッド、床頭台、ロッカー、手洗い用シンク
    壁面やカーテンなどにも子どもらしい色彩や模様がされているとよい。
18、病室以外の施設・設備:楽しい装飾を施し、おもちゃや本を備える。
              トイレや洗面所など、サイズや構造に配慮が必要となる。
19、人的環境:医師、看護師、ボランティア、保育士、チャイルドライフスペシャリスト(遊びへの関り)、
   看護体制は、プライマリー制をとり、入院から退院まで家族や小児に対して一貫した看護が行われるようにする。

20、入院の受け入れ:ヘルスアセスメント(P438)

21、入院時オリエンテーション:オリエンテーションでは入院の目的、病棟内の説明、施設の使用方法などはもちろん、病棟スタッフの紹介、受け持ち看護師が決まっていればその自己紹介があると安心感につながる。また、同室児やその家族への紹介は、その後の人間関係づくりに重要である。病棟の日課や規則の説明も重要であり、入院時のヘルスアセスメントで得た小児の日常生活に関する情報を参考にしながら、小児や家族の疑問・ニーズについて話し合い、これまでの生活とのギャップを可能なかぎり少なくする。
小児看護論 まとめ☆6 

22、入院生活への適応をたすける看護(乳幼児):入院生活に早くなじめるように環境を整えることが重要。

23、入院で気をつけること:遊び、学習、清潔(口腔、陰部、背部)←体力を消耗させないように。衣服(普段着、寝具)、睡眠、仲間意識、睡眠、名前を読む、羞恥心、トイレットトレーニング、体重測定、お土産、母のひざの上での健診、母の手作り

24、事故防止:ベッドやいすからの転落、ベッド上や廊下・病室での転倒、チューブトラブル、投薬ミス、院内感染、

25、退院に向けての援助:入院初期の段階から、退院後の生活を見据えた看護援助が必要になる。




小児5:教科書

2008-04-17 03:38:48 | 小児

28、薬品投与の
・作用発現の速さ:静脈内注射>吸入>直腸内適応>筋肉内注射>皮下注射>内服
・作用の持続性:内服>皮下注射>筋肉内注射>直腸内適応>吸入>静脈内注射

・検査は正確・安全・迅速な施行 が大切
・検査前の心の準備(プリパレーション)、機械に触らせ、安心感を与える。


注射は小児にとって経口投与より確実だが、痛み・恐怖・ストレスがあるため、第一選択肢にはなりにくい。
量が微量であることが多く、正確にはかることが大切。

・ディスポーザブル注射器:プラスティック製。針はステンレス。
・針の太さ単位:ゲージ数。数が大きいほど細い。小さいほど太い。
・皮下注射:23G、 筋肉内注射:22、21G 静脈内注射:21G
・刃面長=ベベルという。
・12度=RB(レギュラーベベル) 18度=SB(ショートベベル)
・注射針の表示:21G×1と4分の1 RB :太さ×長さ(インチ)・針先の角度
・1インチ=25mm
29、皮下注射
・同じ部位ばかりに打たないようにする。
・抜針の際、アルコール綿を穿刺部にあて、すばやく針を抜き、穿刺部位を押さえ、薬液の浸透と吸収を助けるために穿刺部位を軽くマッサージするのが一般的だが、インスリン注射など、持続効果を目的とする薬物の場合は、数回抑えるだけでよい。
・角度:20~30度で入れる
・穿刺部位:皮膚と筋層の間の皮下組織に注入
・穿刺部位:上腕肩峰と肘頭を結ぶ線の下1/3の部分。
      腹部、大腿など

30、筋肉内注射
・小児ではほとんどない。筋の異変が現れるのであまりしない。
もしするのなら、臀部(でんぶ)、上腕にする。



31、静脈内注射・・・・・・小児では多い。

・小児で用いられる抹消静脈(5箇所)
前腕正中静脈、橈骨皮静脈、手背静脈弓(しゅはい)、足背静脈弓(そくはい)、前頭皮静脈

・なぜ注射をするのかの説明が必要。
・血液ガス、血液感染検査のために、動脈をとることもある。

輸液のためなど。

輸液管理:体表面積が広く、体内調節機能が未熟で、嘔吐、下痢、発熱による水分不足解消のために。
・輸液経路:①抹消静脈からの確保 ②中心静脈での確保
・1分で、1時間で、どれだけ入れるか滴下速度のチェック P382表4-5輸液セット
・指示量より多く入れることが一番困る。→心臓への負担
・機械任せではダメ
・輸液計算できるように!
・点滴静脈内注射の固定方法:P384図
 ・チューブはループをつくって固定する
 ・シーネ固定の場合、腕の動かしを制限する。爪床色などで循環不全チェックできるように、爪は見えるように巻く。
・P385表 末梢静脈持続点滴中の観察ポイント
 輸液ライン:液量、液残量、刺入部、固定部、ライン
・遊びの工夫:穿刺部以外の四肢を使った感覚遊びなど。
・清潔への援助:穿刺部をビニールなどで保護しての入浴は可能。→終わったら消毒
・衣服の着脱:そでがゆったりしているものを。ホックやマジックテープ

32、抑制:子どもが動くことによっておこりうる事故防止。特定部位安静確保。
抑制説明事項:利点、注意点、出来る遊び・動作、解除目安、解除間の注意点、終了目安。






33、採尿:①無菌採尿:中間尿やカテを用いて尿を無菌的に採取し、尿路感染症の有無
      ②24時間尿(蓄尿):尿の化学成分、量の測定。
持続輸液中の小児、腎疾患小児に実施
・一般採尿:P391図4-4図4-5
・女児の尿パックの貼り方:会陰部にしっかりと貼る
・24時間採尿:こまめに排尿の有無を確認し、排尿後は、ただちに採尿する。

34、採血
・静脈採血:血液の成分や性状を検査、組織や細胞の変化、機能異常診断、治療効果判定の指標
・動脈血採血:動脈血ガス分析や血液培養を行う。



36、骨髄穿刺:造血器疾患・白血病など重篤な疾患の診断・治療効果判定
・痛く、侵襲の大きなのもで、サポートが必要



37、腰椎穿刺:脳圧、髄液性状・成分を検査→中枢神経系疾患、脊髄腔内に薬
・両側の腸骨稜の頂点を結んだ線(ヤコビー線)が第4腰椎を通るので、その線を基準として第3・第4腰椎間に穿刺する。
・背部を処置台に対して垂直になるようにする。膝を曲げ、背部が突き出るようにする。


鼻腔・口腔・咽頭内吸引 P412~

吸引カテ 吸引圧 カデ入の長さ
新生児 6~7Fr 90mmHg前後 10~14cm
乳幼児 7~10Fr 100~200mmHg 10~14cm
学童 10Fr 200~300mmHg 14~16cm




蘇生法
(人工呼吸法)
①呼吸不全の観察 ②気道確保 ③人工呼吸

・気道確保
頭部後屈顎先挙上法:顎先に人指し指をあて顎先を持ち上げて気道確保
下顎挙上法:最も有効。下顎角の後部にあてた両手の指を垂直に持ち上げる
      受け口になるように下顎を前方に持ち上げる

(心肺蘇生法)
小児の心マッサージでは圧迫しすぎないために指2~3本で行う。 1分100回




小児4:教科書

2008-04-17 03:37:26 | 小児
小児看護論 第3章 症状を示す小児の看護
A― 一般状態
① 不機嫌…何らかの原因で健康が妨げられ異常が生じている可能性がある
② 啼泣:3歳頃から何らかの目的を持って相手の反応をみながら泣くことが出てくる
     心理的な孤独や不安・ストレスが原因となっていることも多い。
     啼泣がなにを意味しているのかを見極めて、小児にかかわることが必要
     「寂しいね」「こわいね」など、小児の体験の言語化を助けることが有用
     腸重積症をおこしている小児は間欠的な啼泣がみられ、
脳障害が疑われるときはかん高い泣き方が認められる
③ 不機嫌、啼泣のポイント
① 生理的欲求:空腹、おむつよごれ、甘え、睡眠
② 痛みの有無:四肢の動かし方、切傷、打撲など、触ると泣く、発赤、腫脹、
衣服のしめつけ、異物混入
  ③随伴症状の有無:発熱、発疹、下痢、嘔吐
  ④その他:環境温度、両親の不在、(9ヶ月~母親を追う)

B― 痛み
①小児の痛み:痛みは主観的で個人的なものであり、客観的にアセスメントすることが難しい症状のひとつである
      苦痛で心身を消耗させ、小児の日常生活行動や成長・発達を妨げる症状
      一方では、組織への障害や損傷を警告し、危険から身を守らせる生態防御反応のひとつであり、両義性をもつ
②子どもの痛み経験に影響する要因
① 成長発達段階
② 子どもの特性
③ 状況的
④ 行動的
⑤ 生理学的+心理学的+経験的

④ 小児の痛みのアセスメント:痛みの強さ、質、部位、継続性の側面


④家族がとらえる小児の痛み経験に関する情報は有用。小児や家族のコミュニケーションを行うなかで情報を得るものである

⑤ 痛みの生理学的影響、姿勢、啼泣の有無、意識状態や睡眠状態などをアセスメント
フェイススケールやビジュアルアナログスケールを使用
⑥ セルフレポート・テクニック:個人の性格が反映されてしまう
6歳以上の小児では有効かつ重要視すべきアセスメント方法
⑦ 薬物を用いる看護ケア
  小児の痛みを医師に伝え、モニタリングすることが重要
  全身作用性のもの、局所麻酔薬のもの
  副作用に対する適切なモニタリングとケア
⑧ 薬剤を用いない看護ケア
-①体位の工夫:安楽まくらなど使用、小児が好む体位を保持する
-②環境調整:処置室や手術室などに小児にとってなじみのキャラクターや絵などで装飾することで不安や恐怖感の軽減。睡眠や安静が確保されるように。可能な限り両親がそばにいれるように配慮することが重要
-③注意転換法:痛み以外のものに集中させる方法。年少児では床上での遊び、絵本の読み聞かせ、テレビやビデオを見る。小児自身の好みを大切にし、小児自身で選択できるようにすること
-④リラクゼーション:深呼吸やゆっくりした呼吸を促す。気分転換をするとリラックスにつながる
-⑤マッサージ:手を握る、さするだけでも安心
-⑥温罨法・冷罨法:頭寒足熱。よく考えて使用

-⑦家族の支援:家族によっては小児にどう接したらいいのかとまどい、親自身が小児に対するケアのコントロール感を失うことがある。ふだん家族が行っているケアが行えるように支援し、ケア方法を指導するとともに、ケアの方法を家族と一緒に考え、行い、ケアへの参加を促す

C― 呼吸循環系の症状
1.呼吸困難、鼻閉・・・自覚症状
①呼吸困難の原因:①酸素欠乏などによる大気中の酸素分圧の低下
         ②気道異物や喘息などの換気不全
         ③肺炎や心疾患などによるガス交換の不良
         ④貧血や一酸化中毒などによる酸素運搬能の低下(ヘモグロビン)
⑤糖尿病などによる組織での酸素利用障害
⑥過換気症候群やヒステリーなど心理的要因  
⑦呼吸中枢の不安定
②呼吸困難の主な症状
-①乳幼児:多呼吸、陥没呼吸、チアノーゼ、呻吟、ふきげん、食欲低下
-②年長児:起座呼吸(寝られない)、活気のなさ、食欲低下

③動脈血ガス分析の解釈
 ・PaO2↓ PaCO2↑:換気不全
 ・PaO2↓ PaCO2↓:拘束性換気不全
 ・PaO2→ PaCO2↓:過換気症候群

④a.呼気性呼吸困難:呼気延長、長期続くと胸郭はビール樽状になる。
《症例》気管支喘息(発作性の呼吸困難、乾性ラ音)、肺気腫
b.吸気性呼吸困難:吸気延長
《症例》上気道閉塞(鼻疾患による閉塞、気管支異物)
c.混合性呼吸困難:呼気性・吸気性の合併したもの。呼吸数増加となる。
《症例》肺炎、胸膜疾患、心不全など







⑤ 看護の実際
-①気道確保:異物や分泌物、吸引などで十分に除去する
         気道確保できなければ、生命維持に支障が起きることは明らか。
         必要に応じてエアウェイの使用、①気管内挿管②気管切開を行う
         準備をしておく
       吸引カテ 吸引圧 カデ入の長さ
新生児 6~7Fr 90mmHg前後 10~14cm
乳幼児 7~10Fr 100~200mmHg 10~14cm
学童 10Fr 200~300mmHg 14~16cm

2.チアノーゼ:皮膚や粘膜が青紫色に見える状態

E― 消化器症状
1.嘔吐:胃内容を逆行性に口から吐出ことをいう
① 原因:延髄の嘔吐中枢の興奮によっておこる
② 冷罨法は幼児以降にはOKだが、乳児にはNG
③看護の実際:二次的に生じる誤嚥や脱水などの予防と改善
      ・仰臥位で嘔吐すると吐物を気管内に吸い込んでしまい、窒息や肺炎の危険
      ・右側臥位がいい
      ・重度の場合は輸液療法によって確実に水分・電解質の補給を行い、症状が改善することを確認する
      ・嘔吐後には口腔内の不快感があるので、幼児以降の小児にはうがいをすすめる。また、嘔吐後は吐物をただちに片付け、換気を行うなど誘発を防ぐ
      ・乳児の場合は器質的な問題がなくても授乳後の排気が十分に行われないと寝かせた時に嘔吐する
2.下痢:水様の便を排泄
     2,3週間続く:慢性下痢症
     それより短い:急性下痢症
① 急性下痢症:原因①感染性 ②感染じゃないもの
急性下痢症の大半は感染性下痢症であり、ウィルス性下痢と細菌性下痢とに大別
ロタウィルス下痢症は冬季に多く発症。白色下痢便と嘔吐が主症状、発熱伴うこともある
そのほかの原因:呼吸器感染症などに伴う二次的症状、食物アレルギー、心因性

②下痢の特徴:①下痢の出現した時期 ②下痢の回数・量 ③便の性状(色、かたさ、血    液・粘膜・膿の混入の有無、におい)
       緑→ビリルビン、黒・タール→血、顆粒(白いぶつぶつ)
③硬さについて: 硬い順①軟便 ②泥状便 ③水様便

④下痢に看護:二次的に生じる脱水や皮膚のトラブルの予防と改善、気分の不快緩和
 -①食事・栄養の調節
    ・ミルク濃度を下げる(下痢予防が一番)
    ・腹部の保温、オムツの取替え
    ・冷たい食品、脂肪や繊維質が多い食品、刺激の強い食品など避ける
    ・良い物:(ひどい時)白湯、薄いお茶、重湯、野菜スープ、りんごジュース
         (まぁまぁ)煮込みうどん、食パン、薄い味噌汁、ウエハース
    ・悪い物:アイス、冷たいのみ物、から揚げ、魚、卵、牛乳、肉、さつまいも
ごぼう、海藻
 -②皮膚の清潔の保持:殿部の発赤など
           ・オムツ交換や殿部浴をできるだけ頻繁に行う
           ・口腔ケアも!
           ・カンジダ→鵞口瘡(がこうそう)→肛門にまで→ピオクタニン(紫)
           ・オムツ交換後の手洗い!
-③早期改善、脱水、水分摂取、菌交代現象、口腔ケア

F― 水分・電解質異常
1.脱水:なんらかの原因で体内の水分喪失、水分摂取不足が生じ、体液欠乏した状態
 ①原因:①全体水分量が高い
     ②体液における細胞外液の割合が高い
     ③体表面積が大きく、不感蒸泄が多く、水分の代謝が速いため、
1日の水分必要量が成人に比べて多い
     ④尿細管機能および糸球体濾過機能など腎機能が未熟で、尿濃縮能が低い
     ⑤感染や胃腸炎など脱水の原因疾患に罹患する機会が多く、疾病にかかると
経口的な水分摂取量が少なくなりやすい
      新生児 乳児 成人
全体水分量 75~80 65~70 55~60
外液 40 30 40
内液 40 40 40

      新生児 乳児 幼児 学童 成人
不感蒸泄 30 50 40 30 20
尿量 20~70 70~90 40~50 30~40 20~30
水生理的必要量 60~100 120~150 80~90 60~70 40~50
② 脱水の原因となりうる病態と症状
水分摂取量:輸液量不足、経管栄養量の不足
体液喪失:嘔吐、下痢、ドレナージからの排液、多尿、不感蒸泄(発熱、発汗、身体運動、高温環境)、多呼吸
③ 脱水の症状:皮膚の弾性度(ツルゴール)→軽度:つまむとすぐ戻る、
大泉門(乳児)→重症:非常に陥没
         神経症状:機嫌が良くない  <傾眼、眠りがち  <こん睡状態
              うとうとしてる   興奮状態
               (意識障害)    (けいれん)    (けいれん)

④ 脱水量(軽症、中等症、重症)…乳児:5% 10% 15%、年長児:3% 6% 9%

⑤ 電解質の異常
-①Na:140±5Eq/l…130↓、150↑
-②K(心筋に働く):3.5~5 Eq/l…3.5↓(心電図ST下降、T波平低化)、5.5↑
 ―③Ca
-④Mg

⑥1時間尿量
~1歳 1~5歳 6~11歳 11~14歳
8ml 20ml 26ml 30ml

⑥ 看護:・補給:採血をすることで、小児の1日の水分必要量を基本に、経口的な水分補
         給を行う
    ・清潔保持での感染症・合併症の予防:下痢により殿部・陰部が不潔になる。
        口唇・口腔の乾燥がある場合には、傷が出来やすく唾液も粘稠となり
不潔になりやすい。
静脈内持続輸液をしている場合は、点滴刺入部の固定部からの感染を予防するため、保清する。
    ・保温:環境温の調節
    ・家族の支援





⑦ 教科書2のP505より
溺水
病態生理:①水が肺胞内に進入し、窒息する湿性溺水
     ②吸入した水の刺激による咽頭反射で咽頭けいれんを起こし窒息する乾性溺水
     ③水の寒冷刺激による副交感神経反射で心臓が停止する、液浸症候群
また、水の寒冷刺激にはいる水が、淡水か海水かによって病態が異なる。
淡水:肺胞虚脱、循環血液量増加
海水:肺水腫、循環血液量減少
汚水:肺炎や敗血症などの感染症
・溺水は交通事故に次いで多い、不慮の事故による死亡原因
・0~1歳の溺水の多くは家庭の浴槽でおこっている。浴槽の残り湯習慣をなくしたり、子どもが一人で浴室に入れないようにするなど、保護者への指導が重要
・自発呼吸の有無、心停止の有無、意識状態を把握し、救急処置を行う
・救急時のABC:気道確保、自発呼吸、循環

熱傷
・タバコの火を押し当てたなどの痕は虐待の可能性

深度 傷害組織 外見 症状 治癒期間 瘢痕
I度
(epidermal burn) 表皮・角質層まで 発赤、充血 痛み、熱感 数日 残らない
浅達性II度(SDB)
(superficial dermal burn) 表皮・有棘層、基底層まで 水疱、発赤、腫れ、湿潤 強い痛み、灼熱感、知覚鈍麻 約10日間 ほぼ残らない
深達性II度(DDB)
(deep dermal burn) 真皮・乳頭層、乳頭下層まで 浅達性II度とほぼ同じだが、やや白くなる。 浅達性II度とほぼ同じだが、知覚鈍麻が著しい 約3週間 残りやすい
III度
(deep burn) 真皮全層、皮下組織 壊死、炭化、乾燥、白い 無痛、知覚なし 自然治癒なし 残る

受傷面積の計算法:小児:5の法則(ブロッカー)  成人:9つの法則(ワレス)
        ・ランド・ブラウダーの法則
看護:清潔が一番!!! 感染予防のため創部処置は無菌的に行う



新生児期の黄疸:新生児は胎児の時、母体からの栄養は赤血球で受けとっているため、赤血球が多く、かつその寿命も短いためにビリルビン産生量が多いのに対して、
ビリルビンを処理する肝臓の機能が低いために生理的黄疸になる。2~3日で発現。
4~5日でピーク(12mg/dl)、7日で自然に消滅


小児3:教科書

2008-04-17 03:34:01 | 小児
小児における疾患の経過と看護
1、慢性期の特徴
慢性疾患=治癒を期待することが困難な疾患
・主として、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象となっている悪性新生物・慢性腎疾患・慢性呼吸器疾患などが範疇に含まれる。
・良くも悪くもならずに症状が安定した状態で持続することがある。
・子ども・家族→発達的危機 :影響しあう
       →状況的危機 :
①安定した家庭生活の支援
・看護師は親の話をよく聞き、親としての自身の揺らぎ、望むように子どもにかかわれない悔しさなど、話の背景にある気持ちを理解するように努める。
・親に対する継続的な教育的支援に携わる必要がある。
・小児に同胞がいる場合、慢性期の小児との生活は、その同胞の生活にも影響を及ぼすことにもなる。同胞への間接的なかかわりも大切である。
②安定した社会生活への支援
・学校関係者との連携
学校生活の場においても療養が無理なく継続して行えることを視野に入れて検討することが望まれる。そして、学校関係者からの理解と協力を得て。学校でも療養を継続できる環境の調整が求められる。
・友人からの反応
病気が原因で友人が自分を中傷する、あるいは周囲が異なる扱いをすることは傷つく体験となる可能性がある。一方、友人が他の人と同様に接してくれ、自分のことを気にかけてくれることは心強く感じるものである。
子どもの成長の過程において友人付き合いは重要であり、慢性期の小児においても例外ではない。
疾患があることで友人付き合いがゆがめられたり、友人と同じように振舞うために本人の療養に負担となっていないか、 必要時、方法の安定をはかる。

・患者家族会などの当事者とよい連携をはかることも大切な活動である。

2、急性期の特徴
健康状態が急激に悪化
症状が激しく、病状の進行が速い。生命の危機にいたる病状の悪化がおこりやすい。
救命や生体機能の維持が優先
①小児の反応
・身体的苦痛だけでなく「死んでしまうのではないか」というような切迫感を伴う激しい不安や恐怖を感じやすい。また、不穏な心理状態になり、いっそう苦痛が強まる、という悪循環に陥りやすい。
こうした状況の小児では、大声で泣き叫んだりする。
②生命の安定
・小児の生命の危機に対する身体管理が優先
・救急のABC=Air Way(気道確保), Breathing(呼吸)Circulation(循環)
・一時的に抑制を要する場合もある。
・モニタリングを持続的に行う。
・小児のコミュニケーションは制限されやすいが、声かけやタッチングを行う
・モニター音や器機の動作音などの非日常の要素をなるべく軽減し、小児の好きな音楽を流すなど環境面に配慮する。清拭に加えて、部分浴や洗髪を取り入れたり、オムツ交換をこまめに行うなど、清潔による心地よさを提供することが大切。また睡眠の確保も大切。
・小児の意識が回復したとき、それらの処置の目的や必要性について、小児が理解できるように説明する。
・身体の露出は最小限にするなど、ひとりの小児としての尊敬を忘れずに接する。
③家族の看護
・治療の意思決定に向けての支援が求められるが、そのためにも、まず、家族が気持ちを表出できること、家族と医療者との間での信頼関係が形成されることが重要であり、深刻な状況にある小児の家族ではとくに初期の段階での情緒的支援が求められる。

3、周手術期の小児と家族の看護 P281~
  小児の周手術期の特徴            手術の適応、緊急手術、計画手術
・手術を受ける小児の反応
①新生児期:形態的な特殊性や中枢神経系の未成熟が著しい。
       術中の低体温が起こりやすく、予防的管理が必要。
① 乳幼児期:母子分離不安が強く、環境の変化への適応も十分ではない。情緒不安定や
日常生活習慣の退行がみられることもある。
③学童・思春期:知的能力や精神機能の発達も著しいが、反面、具体的なことについて十分説明されないと大きな不安を感じやすい。また、年長児ほど、外見上の変化や今後の生活への影響について不安が大きく、また、プライバシーが守られないことに脅威を感じやすい。
・手術を受ける小児の家族の反応:最終的に承諾書にサインするのは法的保護者である。
手術の必要性が生じた時の家族への支援は非常に重要。
・絶飲食と最終経口摂取:全身麻酔下での手術では嘔吐や逆流誤嚥防止で絶飲食とする。
しかし、年少児ほど脱水や低血糖に陥りやすいため、絶飲食にはいる直前の最終経口摂取は積極的に促す必要がある。
特に輸液中でない小児には水分の最終経口摂取時間に小児が入眠中であっても必ず起こして与える。
・前投薬:前投薬与薬後にはバイタルサインを測定し、ベッド上臥床安静としてベッド柵は必ず上げるようにする。
・移送と申し送り:ネームバンド装着(氏名、年齢)

・手術室・回復室での看護
観察は看護師が行う。母についてもらえるようにする。冷たいベッドに寝かせない。ドレーン・カテーテルの注意、備品の準備
☆プリントより (11/29分)
①低出生体重児→IgG、IgA、IgM欠如→易栄養状態
②低出生体重児→腎機能の未熟→腎臓でのナトリウムの再吸収不十分→低ナトリウム血症
              →重炭酸塩の吸収不全→水素イオン→代謝性アシドーシス
                         アンモニア     ↓
                         排泄不十分     ↓
                                 電解質補正


③ 保育器のまま、気候に慣らしてコットに移す:気候馴化 という
④ 直腸温:36.5~37.5℃
⑤ 腹壁温:36~36.5℃
⑥ 腋高温度:36.5~37度
⑦ これらの温度は酸素の消費が少なくいい。
⑧ 輻射熱遮断フードの有効性:フード35度、保育器内35度
⑨ 寒いだけで子どもは死ぬ
⑩ 保育器は連絡があったらすぐ温める。その際、児が何gなのか必ず聞き、それで温度調節を行う。1000g=35,6℃
⑪ 湿度は90%
⑫ 熱の喪失:主に対流(空気と保育器)と輻射(皮膚から周囲の物体に熱が移る)による
⑬ 保育器を35度にしても下がることがある。
⑭ 体にサランラップを巻いて保護もあり。帽子をかぶせる。:体温を逃がさないように
⑮ 保育器の窓を長く開けると体温が下がる
⑯ 保育器の中で体重を測りたいときには、ハンモックなどで引っ掛けて吊り下げ型の体重計を使う。ハンモックや風袋を使うが、それは冷たいといけない。器内に入れて温めておくことが必要
⑰ トリアージ・ガイドライン:全身状態→緊急度分類表→バイタルサイン
⑱ 蘇生:SPo2 90%以下
⑲ 緊急:SPo2 94%以下
⑳ 準緊急:SPo2 94%ぐらい
21 ショック:痛みの刺激に反応しない
22 ☆生命の危機に影響している因子
   症状の悪化と合併症を起こすリスク
   身体的苦痛と安楽のニーズ
   現在現れている症状の原因
   基礎疾患との関連性
   基本的生活習慣がどのように障害されているか
   患児と家族の援助を必要とする心理的ニーズ


終末期の小児と家族の看護p293~ (1/10)
・終末期:現在の医療レベルでは基礎疾患の治癒の可能性が望めず、死期が近いこと。
生命・死についての小児のとらえ方
① 健康児にとって:小児にとって生命や死ぬことの意味は、その小児の発達段階や生活体験などの影響により異なる。健康な小児における死の概念の発達に関しては、思考の発達段階と関連すると考えられている。
② 5歳以下:死の不可逆性が理解できない。「眠り」「別離」など、一過性のもの
③ 5~9歳:死の概念の具体化、擬人化(アニミズム)、罰
④ 9歳以上:死は避けることはできない、生命の終わり、永遠の別れ
⑤ 小児は周囲の環境との相互作用によって、物事についての認識の仕方を変化させながら成長している。その小児におかれた環境により「生」や「死」についての認識は多様であるが、死の不可逆性や普遍性についての理解は、おおよそ10歳前後であるといえる。
⑥ 白血病の子どもたちが疾患について知っていく過程
-①これは病気だ
-②薬の名前と副作用を覚える
-③治療や目的を知る。いつか治る
-④まだ死なない。他児の死の見聞をしない場合はこの段階止まり
-⑤自分の病気は死ぬんだ



⑦ 子どもが他児の死に直面した場合
-①幼児:子どもがして欲しいことをする。一緒にいる時間をもつ
-②学童:「○君死んだの?」うそはつかずに亡くなったと言い、今の気持ちを聞く
     話の内容を避けるのではなく、尋ねてきたことは答える
     どこまで伝えるか話し合っておく(統一された内容)
⑧・発達段階に応じて具体的に退院時をイメージして子どものペースに応じて時には非言語的なことも交える
 ・院で生活することの違いについて年長児などにはメリットだけでなくデメリットも伝える。気になったことが分かるまで一緒に考えてみようと伝える
 ・子が気持ち表現できるような環境つくり
 ・子と家族の仲介役を大切
 ・子の気持ちを家族に伝えるときには、子の了解を得ることも必要。自分で言うと言うときもあるかもしれない
(第5章との関連)
⑨小児は周囲の環境との相互作用によって、物事についての認識の仕方を変化させながら成長している。その小児のおかれた環境により「生」や「死」についての認識は多様であるが、死の不可逆性や普遍性についての理解はおおよそ10歳前後であるといえる。
⑩痛みを伴う検査や処置の経験、家族と離れて入院を余儀なくされる分離体験、入院によって自分とは身体状況の違う他の小児の存在を経験したり、同室者の死に直面したりするなどさまざまな経験があげられる
⑪身体的なニーズへの看護ケア…睡眠、休息が大切
⑫消化器症状に対する看護:栄養のニーズ
 ・口内炎、吐き気、嘔吐、便秘、下痢など→薬剤の使用(副作用がある)、小児が食べられるものを食べられる時、食べたい時に提供できるようにしておくことが望ましい
 ・どうしてもだめなときは点滴など静脈栄養
⑬痛み・苦痛に対する看護
 ・気分転換や気をそらすための遊びの提供、マッサージやタッチなどによる物理学的療法などがあるが、いずれもその小児の好みなどの特徴をつかんで行うべきである
⑭不安に対する看護:心理的ニーズ
 ・看護師の態度:必要以上に明るく振舞ったり、急に今まで許可していなかったことを許可したりすることがある。このような態度は小児の不安を増強することが多い
  子どもの意向にそうことが良い
 ・小児への告知:言わなくとも小児自身が感じ取っている場合が多い
 ・孤独感の軽減
 ・家族:できるだけ小児の気持ちにそえるようにする。家族の協力が必要
 ・意思決定支援:出来る限り望むことを行う
小児が終末期にある家族の看護
⑮長期療養後の終末期:家族は否定的な反応を示すが、常に希望を抱いている。Nsはそれを否定せず、支援していくことが必要。
⑯短期療養後の終末期:不慮の事故などで生命の危機に瀕した時、集中治療室などで多種多様な点滴ラインやチューブ、人工呼吸器、モニターなどに囲まれたわが子を受け入れることは容易ではない。変わり果てたわが子を見ることは非常につらい。家族が小児の状態を受け入れることができるように援助することが大切である
⑰同胞への配慮:患児との面会やケアへの参加は家族と相談した上で促す。
Nsからではなく、家族からの説明が必要
⑱在宅での終末期:在宅に移行しても、何かあればいつでも病院に帰れるという配慮、また地域の利用できるサービスの調整などを提示。
⑲小児をなくした家族の看護:話を聞いてくれる人の存在が大切である(グリーフケア)




小児2:教科書

2008-04-17 03:32:13 | 小児
第一章疾病・障害をもつ小児と家族の看護
・疾病・障害が小児と家族に与える影響 

1、疾病・障害に対する子どもの反応 
疾病・障害の受け止め、理解
・2歳以前→病気へのはっきりした認識またないと考えられ、苦痛や不安を病気と結びつけて理解することは難しい。
・2~6歳ごろ→病気のことを全体的で感覚的な現象として表現するが、その理由を十分に説明することはできない。
・7~10歳ごろ→論理的思考が始まって自己と他者の区別をする。病気は外的な理由でおこると理解していた子どもは、次第に自分の身体の一部として表現するようになる。
・11歳~→論理的思考が進み身体のある部分がうまく機能しないこととして病気を理解。
・病気の理解、受け止め方は子どもの発達段階によって違う
・発達情緒、精神発達、社会適応、人格形成に影響

子ども自身の条件
① 年齢 ②発達段階 ③性格
病気に関する条件
① 慢性・急性 ②先天的・後天的 ③病気の性質 ④検査・治療 ⑤入院・自宅 ⑥期間
他者の支援・態度
① 家族 ②医療者 ③友人、地域
病院環境(生活環境…物的、人的、活動)

2、疾病・治療に伴うストレス
自己概念のおびやかし…ボディイメージの変容、不安、恐怖、喪失感
大切な人との別離

3、子どもの疾病・障害に対する家族の反応
健康問題を告げられた家族の反応:ショック→拒否→怒り・悲しみ・罪悪感→適応→再起







小児の健康問題と看護
4、健康問題をもつ小児と家族の看護の方向性
・子どもは成長発達の途上にあることから、その未熟さを補うために周囲の養護を必要としている。 選択肢の提示、心の準備も必要。
5、苦痛の緩和
  治療における意思決定の促進
  →子どもの納得をはかることが必要。子どもが決定することを組み入れていくこと、子どもが処置に対していだく気持ちを表現できる機会を保障することが望ましい。
   自分で決める感覚を持つことができ、治療や検査への主体的な参加が促される。

6、発達段階に即したセルフケアの促進
  ①目標の設定:日常生活の自立度に違いがある。子どもは発達にしたがって自分でできることが増える。就学前には食事や排泄、更衣などの基本的生活活動がほぼ確立。
   したがって、日常生活の自立度に照らし合わせての検討。
  ②発達段階に応じた支援:健康問題や治療の必要性は、子どもなりの理解を促すことが望ましい。乳幼児期から一般的な生活習慣である睡眠や食事・排泄など、栄養バランスや運動習慣に気をつける、手洗いうがい歯磨きなどの清潔行動の自発的行動などが健康管理の基盤。
   学童期では家庭外での友人どうしのきずなが深まる時期。学校側に伝えて教師の理解をはかることを助言。日ごろから家族とこどもが話し合うことで子どもは少しずつ健康管理の必要性や方法について理解を深め、自分で考える部分を拡大することができる。
   思春期では、親からの精神的自立がすすむ。子ども自身が健康状態を評価し、自分に合った方法を見つけ、それを実行・継続できることが望ましい。
   NSは社会生活の節目となる進学や就職の時期に健康管理の動機付けを高める。

7、子どもの日常生活にかかわる看護
  ・遊び、学習、友人との交流支援:生活の中で遊びに集中する時間をもつことによって疾病や治療によるストレスを軽減することができる。重症の子どもにこそ、健康状態に合わせた遊びや学習の場と機会を積極的に提供する。
  ・社会生活の支援:NSはおりにふれ家族の考えや不安を把握し、必要な準備を促す必要がある。学童期には家族が学校側に子どもの疾病や障害について十分な説明を行い、周囲の理解や協力が得られるように支援することが欠かせない。また、思春期には意思決定を促すことが必要。



8、健康問題を持つ小児の家族の看護
  ①親の支援:母が育児を抱え込むと、母親の育児負担の増大や、夫婦のコミュニケーションの悪化を招き、結果的に、育児に積極的に取り組めなくなる。子どもの育児や健康管理を適切に行うためには、親自身が過度なストレスをかかえることなく健康的な生活が送れることが望ましい。
②同胞(兄弟姉妹)の支援:病気をもつ子どもが入院すると、親の付き添いや面会が必要になるため、同胞が家庭に残されたり、祖父母にあずけられたりして、 不安やさびしさ、疎外感が生じやすい。同胞どうしの交流の場を設けて、ピアサポート(仲間どうしで助けあうこと)を高めることが必要
② 家族関係の調節:NSは家族の気持ちをそれぞれに認め、互いのサポート感をたかめるような助言を行う。 家族の経済状況や社会生活についても考慮して、医療費の公的扶助など、活用可能な医療・福祉サービスや患者会の情報などを広く提供すると共に、さまざまな専門職との連携をはかり、子どもと家族のQOL向上をはかる。


小児1

2008-04-17 03:28:45 | 小児
発達段階別特徴
① 乳児期:新生児期→出生4wまでの時期(28日未満)
      早期新生児期→出生後1wまでの時期(生後7日未満)
乳児期→新生児期を含めた生後1年までの時期(満1歳未満)
② 幼児期:1歳~6歳未満(小学校入学まで)
      前期:1~3歳未満
      後期:3~6歳未満
③ 学童期:6~12歳未満
④ 思春期:12~18歳ごろまで

成長発達の進み方
① 方向性・順序性がある
頭→尾方向
中心部→抹消部
粗大→細かい
② 連続的だが、なめらか
③ 決定的に重要な時期がある⇒妊娠初期の風疹羅患は子どもの先天性心疾患、
眼症状、聴覚症状をきたす。

図=スキャモンの発達曲線




新生児期:生後4週(28日)未満
       母体の環境から、出世以後の新たな環境に適応することが課題。身体的にさまざまな変化がみられる。子どもと母親が情緒的なきずなを結ぶ時期。
乳児期:生後1年未満
      著しい成長・発達をとげる。子どもは母親。あるいは家族と情緒的なきずなを結ぶことで、人とに信頼関係を形成する基盤を築いていく。
・新生児期:出生後4wまで
・早期新生児期:生後1w未満
・乳児期:新生児期を含み生後1年未満

☆身体的特徴☆
・出生時体重3kg
    身長50cm
    頭囲33cm
    胸囲32cm・・・・4頭身、頭囲>胸囲

・体重:3~4ヶ月で2倍。1年で3倍
身長:1年間で1.5倍
頭囲と胸囲は1年間で逆転
泉門:小泉門→生後数ヶ月
    大泉門→1歳半
・バイタル
① 呼吸 肺胞数が少なく、ガス交換のための肺胞表面積が小さく、1回換気量も少ない 
     未熟:40~90、新生児:30~80、1歳:20~40 
② 体温出生後:35℃まで降下。その後3、4時間で37℃前後。低体温になりやすい
③ 脈:変動しやすい 120~140/分
④ 血圧:60~90/30~50mmhg


首のすわり4ヶ月
寝返り5~6ヶ月
おすわり7~8ヶ月
はいはい8~9ヶ月
つかまり立ち9ヶ月
ひとり歩き1歳3ヶ月

・視覚:生後1ヶ月は物をじっと見つめる→注視 
生後2~3ヶ月で物の動きを追う→追視
    6~7ヶ月で人見知り
・乳歯は生後6~7ヶ月から生え、2~3歳で上下10本ずつ計20本生えそろう。
6歳で抜け始める。
・便:出生後→胎便 黒色 粘稠性 無臭 細菌なし 腸粘膜上皮・羊水・血液が成分
移行便→黄色 授乳が始まると出る 粘稠度は低下
生後3~5日→黄色緑色の普通便
・生理的体重減少:代謝が多いため、生後3,4日で減少。7~10日で戻る。
・出生後の細胞外液減少は、生後2~3日までに出生体重の5~10%が減少する生理的体重減少としてあらわれる。→細胞外液中の間質液が、尿や不感蒸泄として排泄されることによりおこる。生後7~10日に出生体重に戻る。摂取より排泄の方が多い。
・新生児期の黄疸
新生児は胎児の時、母体からの栄養は赤血球で受けとているため、体内に赤血球が多く、かつ、その寿命も短いためにビリルビン生産量が多いのに対して、ビリルビンを処理する肝臓の機能が低いことなどから生理的黄疸をきたす。生後2~3日目から肉眼で見ることができ、4~5日後がピーク。生後7日以降は自然に消滅。→消えないと核黄疸の危険性

・反射:モロー反射
・睡眠:1日18~20時間
・睡眠の世話
新生児は授乳時間意外の時間はほとんど眠っている。生後6ヶ月ごろまでに覚醒から睡眠への移行時間も定着する。
覚醒時に似た身体や眼球の動きが見られるレム睡眠:身体の睡眠、記憶、学習
身体や眼球の動きがないノンレム睡眠:大脳の睡眠、成長ホルモン、体温低下
・起床から12~14時間経過すると、メラトニンが松果体から分泌される。深夜ピーク

乳幼児突然死症候群(SIDS):胎内環境。生後の環境因子。うつ伏せ寝をさせない。喫煙×
1歳未満(☆4ヶ月がピーク)の睡眠中 乳児死亡原因3位

☆心理・社会的特徴☆
・愛着形成 乳児は早い時期から人に対して笑う、声を出すなどの社会的な反応を示し、やがて母親に対する特別な反応へと発達をとげる。(母子相互作用)・・・愛着
分離不安、人見知りも現れる






幼児期:生後1年以後から6歳ごろまでの就学前まで
      精神・運動機能は目覚しく発達する。日常生活を構成する食事・排泄・睡眠・清潔・更衣などの生活習慣を確立するとともに、自律性・主体性が育つ時期・
幼児期・・・1~6歳未満  前期1~3歳未満。後期3~6歳未満
☆身体的特徴☆
・4歳ごろには体重5倍、身長2倍、大泉門は1歳半ごろまでに閉鎖
・乳歯は2~3歳で上下10本ずつ計20本が生えそろう
・呼吸 2,3歳:20~30、5歳:20~25
・脈 2歳まで:80~150


☆心理・社会的特徴☆
・社会生活を送る上で必要な基本的能力を獲得する時期
・行動範囲が広がり、身の回りのものや出来事に対して強い関心を示す。一方で危険を回避する能力に乏しいので、自己の発生が高くなる。
・食行動の自立:1~1歳半でスプーンやコップを使うようになる。ひとりで食べる
        1歳半でスプーンやコップを上手に使う
        3~3歳半ではしを使い始める
        間食を食事の一部と考えて不足する栄養素や水分を補う必要。(10%ほど)
食事のマナーや食前の手洗いなどの習慣を5歳ほどで。
・手洗い・手ふきは1歳半、うがいを4歳
・感情は1~5歳で増える。 第一次反抗期:2~4歳・・・なくてはならないもの
・排泄行動の自立:2歳前後で練習をはじめる。

・愛着形成、自律性・自発性、感情の分化
・遊びの発達・・・知的発達、運動機能
感覚運動遊び、象徴遊び(模倣遊び):3~4歳最も盛んになる、受容遊び:受身的な遊び
構成遊び:2歳ごろ
   遊びの社会性:幼児の遊びは社会性の発達。
傍観遊び・ひとり遊びは2、3歳で。
並行遊び:ひとりごとを言う
・アニミズム:擬人化。ものにも感情があると信じている







学童期:幼児期以後から12歳ごろまで
      小学校就学後から卒業するまでをさす。心身ともに安定した時期であり、学校生活への適応や友人との交流の拡大など、子どもの社会性が目覚しく発達する時期。
学童期・・・6~12歳未満(一般に小学生)

☆身体的特徴☆
・身体生理機能は成人に近づく
・身長:1年間の身長の伸びが最も多い時期は女子の方が早い
・歯:永久歯は第一大臼歯が6~7歳で萌出
・生活習慣病の予防:食生活、肥満、運動不足、
・近視 ・性教育:清潔にする。性差を身体の大切な部分であると教える
・発育促進現象(成熟早期化現象)


☆心理・社会的特徴☆
・疾病罹患率も死亡率も低い時期である。
・学校で社会性を発達させ、基礎づくりの時期。
・独立、情緒に不安定
・現代の子どもは夜型人間になってきている→睡眠不足。やる気がなくなる。
   ↓
 成長や発達に影響。 生活リズムを整えることが大切
・遊びの三間(サンマ)=時間、空間、仲間の縮小化
・いじめ、不登校、睡眠リズム障害
・家族の愛情とコミュニケーションの重要性・・・朝食抜き、孤食
・生活習慣:食生活、肥満、運動不足、夜型生活
・近視
・性教育:清潔が必要。性差をあらわす部分はたいせつな身体の一部









青年期・思春期:12歳以後、22歳ごろまで
小児から成人への移行期。12歳ごろから18歳ごろは思春期といわれ、第二次性徴があらわれて急速な身体的成長をとげる時期であり、情緒は不安定になりやすい。自我同一性の確立が発達上の課題。

☆身体的特徴☆
・身長・体重・座高・胸囲は11歳まで女子が上回っている。12歳から男子が上回る
・男子:筋肉。女子:脂肪
・体力増進
・2次性徴:ホルモン分泌、精通と初経、骨

☆心理的・社会的特徴☆
①親からの心理的な独立
②第二次性徴の伴う身体変化の受け入れとボディーイメージの確立
③性の衝動コントロール
④アイデンティティの確立
⑤成熟した対人関係の形成
⑥職業の選択
⑦価値観、行動面における自律性

運動不足:時間がない、場所がない、仲間がいない。月経の羞恥心、月経痛
睡眠不足、望まない妊娠、ストレス:学業、人間関係
・不定愁訴の頻度:思春期における内分泌系や自律神経系のはたらきが不均衡になる
他者との交流
・自殺者は女子<男子
・自殺企画は、親や重要他者の注意を引くため、同情を得るため、他者を直接傷付けるかわりに自分の死をもって罰するため、しかえしをするためなどが動機となっている。
思春期になると、大人としてのプライドも芽生えるため、他者に助けを求めたりすることが難しい。その一方、問題がおきても解決するための対処などは未熟なことが多い。
・非行、飲酒、喫煙、DV