秋水湧く波紋をそのまま手にすくう
水菜洗う長い時間を水流し
乳ふふます母なる者に虫が鳴く
ドイツ・ヴュルツブルク
鐘の音のわれを包んで夏空へ
ベルリン
カスターニエの青き実曇天よりもげば
大年の山河も晴れを賜りし
ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る
枯草を踏みおり人に離れおり
稲穂田の隅にごぼごぼ水が鳴り
パソコンを消して露散る夜となりぬ
来たぞ来たぞいつもの目白が蜜吸いに
野ばら咲く愛のはじめのそのように
スイートピー眠くなるほど束にする
白バラの空気を巻いていて崩る
竹落葉わが胸中を降るごとし
富士登山
夏星を登りぬ一歩を岩に置き
胸うちに今日の夏野を棲まわせる
さわやかに行きし燕の戻り来る
わが視線揚羽の青に流さるる
水に触れ水に映りて蜻蛉飛ぶ
水菜洗う長い時間を水流し
乳ふふます母なる者に虫が鳴く
ドイツ・ヴュルツブルク
鐘の音のわれを包んで夏空へ
ベルリン
カスターニエの青き実曇天よりもげば
大年の山河も晴れを賜りし
ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る
枯草を踏みおり人に離れおり
稲穂田の隅にごぼごぼ水が鳴り
パソコンを消して露散る夜となりぬ
来たぞ来たぞいつもの目白が蜜吸いに
野ばら咲く愛のはじめのそのように
スイートピー眠くなるほど束にする
白バラの空気を巻いていて崩る
竹落葉わが胸中を降るごとし
富士登山
夏星を登りぬ一歩を岩に置き
胸うちに今日の夏野を棲まわせる
さわやかに行きし燕の戻り来る
わが視線揚羽の青に流さるる
水に触れ水に映りて蜻蛉飛ぶ