■お知らせ■

2007-02-22 00:36:40 | 案内

猫柳 おおにしひろし撮影


■2月賞は、大給圭泉さんの俳句に決定しました。下記アドレスをクリックして、ご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien105/

■名古屋の古田けいじさん近況
今日は合唱団の演奏会本番です。県芸術劇場コンサートホール、1800席を、多分満席にしての演奏会です。飯守泰次郎指揮、名フィルでベートーベンの「荘厳ミサ曲」を、140人で歌います。
Dona Nobis Pacemは作曲者が、ナポレオンの残した戦争の傷跡の社会へ平和が訪れることを願って叫んだともいわれます。
昨日がコンサートホールでのオケ合わせ、今日は午後からゲネプロ、6時半開演、90分立ちっぱなしの本番で、老体にはきついですが一瞬の感動を求めて頑張ろうと思っております。

■3月1日、銀座鳩居堂で開かれている虹玉さんの義姉臼井千里さん(岐阜大垣在住)の書展を鑑賞してきました。国際的な賞を数々受けておられます。ぜひ、ご覧ください。水煙発行所からは、お祝いに胡蝶蘭の花鉢をお贈りしました。(信之・正子)
期間は、2月27日から3月4日までです。時間は午前11時から午後7時(最終日は午後5時まで)

■2月28日、午後8時から9時の間のTBSラジオに、信之先生が電話出演をいたしました。よしもと芸人の佐久間一行(さっくん)の上野公園中継の俳句を指導、採点をしました。めずらしい企画でした。
http://www.tbsradio.jp/pod/blog/2007/02/post_202.html
http://mycasty.jp/saku/html/2007-03/03-01-656291.html

■□伝言板(重要な連絡事項があります。)
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien118/


■好きな句(互選)/2月19日-2月25日

2007-02-22 00:19:23 | 互選

白れん おおにしひろし撮影


■58名の方々から58句の投句があり、互選締め切りまでに56名が互選に参加されました。以下、2月19日-2月25日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。投句されていない方の選は、集計の対象になっておりませんことをご了承ください。

【最高点/20点同点2句】
◎風にきらきら流氷の海うごく/志賀たいじ
◎一火より拡げ山麓大焼野/野田ゆたか

【次点/19点】
○ブラウスの袖を満たせし春の風/かわなますみ

【18点】
○紐ゆるむ母の荷造り春菜着く/かつらたろう

【17点/同点2句】
○和紙干さる春の水音すぐ近く/池田多津子
○光曳き真一文字の春の波/篠木 睦

【14点】
○菜の花の風吹くままに黄のうねり/あみもとひろこ

【11点/同点2句】
○菜の花の岬へ雲の集まれリ/大給圭泉
○受験子に朝のオムレツふっくらと/藤田洋子

【10点】
○雨降れば雨の匂いの沈丁花/池田加代子

【9点】
○菜の花や畦駈けてゆくランドセル/國武光雄

【7点/同点2句】
○竣工の止水壁より春水落つ/おおにしひろし
○雪吊りに弛みのいでし今朝の風/大山由紀

【6点】
○踏青や空腹なれど良きむかし/安丸てつじ

【5点/同点7句】
○薔薇の芽の真紅が光返しおり/臼井虹玉
○青麦の色鮮やかに豊かなり/大山 凉
○俎板を洗いて一字のさよりかな/小河原銑二
○芽柳の揺れに程よき湖の風/黒谷光子
○雀らの降(ふ)り春の日を拾いいる/小西宏
○地軸回り春の眠りを妨げず/齋藤良一
○日脚伸ぶ響き新や豆腐売り/松原恵美子

(集計:多田有花)

■好きな句(互選)を下の<コメント>にお書き込みください。
①下記の<投句一覧句/2月19日-2月25日>の中から選んでください。
②好きな句(互選)を5句選んでください。もっとも好きな句1句にコメントも付けてください。
③互選は、3月4日まで許されますが、互選集計の対象は3月1日の午前0時までに書き込まれた<好きな句(互選)>に限ります。
④投句をされていない方も互選に積極的に参加してください。選をいただくと、作者は喜ばれます。ただし、投句されていない方の選は集計の対象にはならないことをご了承ください。

■投句一覧58名1人1句/2月19日-2月25日(高橋正子抽出)

★陽に寄ればそこにフリージア香る窓/笠間淳子
★春うらら休みしヨットは陸の上/小河原宏子
★雪吊りに弛みのいでし今朝の風/大山由紀
★桃の花子のやさしさにふと気づく/井上治代
★菜の花の黄浮き立たせ厨午後/藤田裕子
★受験子に朝のオムレツふっくらと/藤田洋子
★明々と菜の花畑へ夕陽射す/古田けいじ
★踏青や空腹なれど良きむかし/安丸てつじ
★玄関に桃の花活く花鋏/堀佐夜子
★一火より拡げ山麓大焼野/野田ゆたか

★一勢に草を前進春の鴨/祝 恵子(添削)
★トンネルを出て朝霧の春港/岩本康子
★春早し鳥居の彼方に田の光る/多田有花(添削)
★菜の花の岬へ雲の集まれリ/大給圭泉
★竣工の止水壁より春水落つ/おおにしひろし
★和紙干さる春の水音すぐ近く/池田多津子
★大漁旗浜風集め旧正月/下地鉄
★旧正月に帰省する子に嫁話/やまなかみゆき
★足音の春めく街を走りぬけ/平田 弘
★風にきらきら流氷の海うごく/志賀たいじ

★光曳き真一文字の春の波/篠木 睦
★一鉢の香艶やかにヒヤシンス/上島笑子
★薔薇の芽の真紅が光返しおり/臼井虹玉
★雀らの降(ふ)り春の日を拾いいる/小西宏
★雨降れば雨の匂いの沈丁花/池田加代子
★水濁し蛙の背に蛙かな/渋谷洋介
★ごうごうの激つ瀬近く蕗の薹/小口泰與(添削)
★青麦の色鮮やかに豊かなり/大山 凉
★芽柳の揺れに程よき湖の風/黒谷光子
★ブラウスの袖を満たせし春の風/かわなますみ

★日を返しいっせい泳ぐ初めだか/竹内よよぎ
★ものの芽の動きをしかと疑がわず/甲斐ひさこ
★青空へ枝黒々と芽吹き初む/尾 弦
★武蔵野の匂いを残し水温む/黒沼風鈴子
★春禽のいのいちばんに朝の窓/丸山草子
★草青む関東ローム層の土/飯島治蝶(添削)
★曇る日の菜の花一面晴れやかに/小川美和
★いぬふぐりこまかき紫散らしけり/おくだみのる
★蕨から上尾まであり春の空/中村光声
★梅咲くや畳の部屋を板の間に/松本和代

★沈丁花庫裏は日当たり良きところ/湯澤まさえ
★菜の花の風吹くままに黄のうねり/あみもとひろこ
★お日様をぐるりと回す花菜かな/安藤かじか
★涅槃門潜ればぬくし大師像/宮島千生
★紐ゆるむ母の荷造り春菜着く/かつらたろう
★菜の花や畦駈けてゆくランドセル/國武光雄
★日脚伸ぶ響き新や豆腐売り/松原恵美子
★朝日受け群落さやか菫草/河野渓太
★俎板を洗いて一字のさよりかな/小河原銑二
★星空が遠のいていく冬の街/辻 保宏

★地軸回り春の眠りを妨げず/齋藤良一
★ひさかたの天より散りくる梅の花/高橋正道
★母の里今が盛りの杉の花/鈴木誠子
★昃ればぼんぼり淡く梅匂う/清水清正
★業間のラジオ体操鳥雲に/阿部 昭
★豆まきの声たからかに宮の内/吉川豊子
★芽吹く樹に風を見ている日暮れかな/矢野文彦
★枯葉の森を通って小さな美術館/野仁志水音

■投句不参加/2月19日-2月25日
碇 英一・高橋秀之・友田 修


■入賞句/2月12日-2月18日

2007-02-21 22:53:43 | 入賞発表
■入賞句/2月12日-2月18日
■高橋正子選

【最優秀】
★冴え返る秩父の嶺に陽のあたる/尾 弦
「冴え返る」は、暖かくなってきたかと思うと、また冬に戻ったようになることをいうが、それでも冬とは違って、日差しには明るさも見える。冴え返るなかに、秩父の嶺に陽があたるのを見るうれしさがある。(高橋正子)

【特選/5句】
★早春の山路どこかで水の音/多田有花
まるで、「早春賦」の歌のような句で、山路に聞く水がころころと鳴って、春がそこから生まれてきているようだ。(高橋正子)

★笹鳴きや空みずいろに輝ける/池田加代子
笹鳴きが聞こえるころは、日脚も次第に伸びてきて、晴れた日など空が「みずいろ」に輝く。笹鳴きにふさわしい空がある。(高橋正子)

★大欅ひときわ高く新芽吹き/竹内よよぎ
欅は大樹となるが、ほかの木よりも高く聳えて、赤みがかった小さな新芽をつける。その伸びやかさに生命の健やかさを感じる。(高橋正子)

★かまくらの寄つてたんせと灯を点す/丸山草子
かまくらは、雪国の子どもたちを楽しくさせるものであろう。「寄ってたんせ」の言葉もあたたかい。「どうぞ寄ってください。お入りください。」と灯を点す雪国の生活が美しい。(高橋正子)

★子ら見上ぐプラネタリウムの春の星/飯島治蝶
プラネタリウムに映し出された星であるけれど、それを見上げる子ども達は、満天の星に歓声をあげたことであろう。春の星座が子ども達にやさしい。(高橋正子)

【入選Ⅰ/20句】
★水仙の白際立ちて雨となる/矢野文彦
いろいろな物をキラキラと輝やかせていた太陽が隠れ、清楚な白い花の美しさが際立ち、そして雨が降りだす。静かで美しい光景です。(安藤かじか)

★河口より溢れて上る春の潮/池田多津子
「溢れて上る」がいいです。ものみな新しい命の息吹に輝く春らしいエネルギーに満ちています。(多田有花)

★薄氷にひびく神事の触れ太鼓/黒谷光子
「冬の氷と違って薄く消えやすい氷から感じられる、淡くはかない情感と神事に打ち鳴らす力強い太鼓の音の取り合わせがとってもよいとおもいます。(小口泰與)

★胸先にパン抱き帰る春一番/甲斐ひさこ
このパンはフランスパンでしょうか。焼立てのいい匂いがします。春一番の風と相俟って、うきうきした明るい気分が横溢しています。パリジェンヌのいるフランス映画の一シーンを思い浮かべました。よき句と思います。(齋藤良一)

★馬酔木咲く滝音近く高くなり/祝 恵子
馬酔木の花が咲き、滝に近づくにつれ、その音が、だんだん大きく聞こえて来る。早春の山の、清々しい息吹が静かに伝わってきました。(あみもとひろこ)

★神田川光り漉き込む春日和/大給圭泉
懐かしい神田川が春の光を漉き込み、耀いている情景が嬉しい。(中村光声)

★鶯や昔渡しの有りしところ/おおにしひろし
昔は渡し舟に乗る人達が日々集まっておられて便利で長閑でしたでしょう。今は鶯の声が響くだけの静かな川辺になったのですね。(大給圭泉)

★靴音のついてくる路地春銀河/中村光声
足音のコツコツとした響きが春の空に広がる感じが出ているようにおもいます。(辻 保宏)

★鳥帰る残る水面のゆれやまず/鈴木誠子
鳥が北へ発った後の水面のゆれやまなかった、実景なのでしょうが"ゆれやまず"に鳥たちへの寂しさやら旅への祈りなど作者の思いの深さを感じます。 (志賀たいじ)

★きらめきは振り返り見る春の海/友田 修
句の構成に新鮮さがあり、好きな句です。(尾 弦)

★花ミモザ葉を銀色に輝かせ/小河原宏子
★明けていく春の初めの空の色/野仁志 水音
★綿の穂を束ねて花屋の猫柳/笠間淳子
★晴れる日も曇る日も窓の桜草/藤田洋子
★春雷の過ぎし朝空染みもなく/大山 凉
★強東風の星ふる夜は句誌ひらく/小川美和
★地平線春の夕日の膨らめる/松原恵美子
★源流の飛沫を受けて蕗の薹/清水清正
★山土を埋めし海港よもぎ萌ゆ/小河原銑二
★海光る浪花の春はもうそこに/高橋正道

【入選Ⅱ/33句】
★絵硝子の灯るチャペルや春の雪/大山由紀
ステンドグラスの色と春の淡い雪の色の対比が面白いと思います。(古田けいじ)

★白梅のただ一輪にシャッター押す/堀佐夜子
カメラのファインダーに一輪の白梅がクローズアップされて迫力のある句です。それだけに梅の白さが際立ちます。 (小河原銑二)

★春一番仏間ひととき香篭もる/野田ゆたか
線香のにおう仏間に座す作者。一人か大勢か知らぬが、昔ながらの祖先をまつる良き家庭が偲ばれる。 (安丸てつじ)

★まんさくの花を透かして淡き空/岩本康子
まんさくの花びらは紐状で黄色です。其の間から空を透かして見ると早春其のものの薄い空色の空が見える。春が来た事への喜びの句だと思います。(堀佐夜子)

★春の寺バリトンのような経ひびく/やまなかみゆき
お坊さんはいつもお経を読んでいるせいか、声のよい人が多いようです。お堂も広くて響きもよくて、春ののびやかな光景が感じられます。 (小河原宏子)

★流氷の行方は風に乗るままに/志賀たいじ
流氷というスケールの大きな自然が、解けて風まかせに動いていくのを見守る、その心の広さと春の予感が感じられます。(笠間淳子)

★初蝶のちいさき姿しておりぬ/臼井虹玉
今年はじめての蝶を見る。春はまだ浅く、蝶の姿はあまりにも小さい。この今にも壊れてしまいそうな蝶の姿を通して、しかし自然はわたしたちに確かな季節の訪れを伝えようとしてくれている。(小西 宏)

★チェンソーの音響かせて春の風/松本和代
春風にのってチェンソ-の音とともに、木のかおりや、おがくずが舞うようすが、よく伝わってきます。(小川美和)

★白椿木組みのガラス窓照らす/あみもとひろこ
現代建築では使えなくなった木枠のガラス窓。昔の手作りガラスの歪みのなかに白椿が輝いて見えてきました。好きな景です。(野田ゆたか)

★ゆらゆらと寄り来し金魚の水ぬるむ/安藤かじか
人の気配を感じると餌を求めて寄って来る金魚達のいつもの習性を「ゆらゆら」と詠んで季語にピッタリ。我が家の金魚鉢にも春が来ました。 (宮島千生)

★腰かけし石の丸みや梅ましろ/村井紀久子
石に腰掛け仰ぐ白梅。石の硬さでも冷たさでもなく「丸み」を感じられた作者の、早春の喜びが伝わります。(かわなますみ)

★野の果に母の家あり春浅し/齋藤良一
野の果に母の家があると言いながら、実はその「母」は既に他界してそこには居られないのかもしれない。あるいは「母の家」そのものが心の中の「野の果」にある風景なのかもしれない。早春の淡い時節が来ると様々な想いとともに思い出す心象風景と読みました。(友田 修)

★春立つやおにぎりの塩ひかえめに/井上治代
★雛の軸祖母のしぐさも見えてきし/藤田裕子
★楤の芽の堅きに小さき色の見え/古田けいじ
★賜りし版画や雪の心字池/安丸てつじ
★春風に風船ひとつ流れゆく/高橋秀之
★時を待つ沈丁花の濃ゆくなり/平田 弘
★しなやかな手から零れつ海苔摘女/篠木 睦
★浮く鳥の揺られ流るる春の水/小西宏
★迎春花母の故郷恋しくて/渋谷洋介
★山風のいよよ吹きけり春障子/小口泰與
★草萌の遠目の岸辺ひろがりぬ/かわなますみ
★大路行く市民ランナー梅真白/黒沼風鈴子
★貴婦人の白き真珠に白き梅/おくだみのる
★雨音も明るさを呼び牡丹の芽/湯澤まさえ
★紙芝居囲む父子に光る風/宮島千生
★枯原のそこだけ明るき春の雨/かつらたろう
★鈴音を立て猫過ぐ黄水仙/國武光雄(添削)
★春一番菜花は遠く波に揺れ/河野渓太
★新海苔ののぼる食卓良き香り/辻 保宏
★春浅し花屋の前の人だかり/阿部 昭
★観音堂小箱たづさえ針供養/吉川豊子