ブログ句会保存版②

2008-03-26 01:21:16 | Weblog
■ブログ句会保存版②/2008年1月1日~2008年2月29日
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien117/

入賞発表/11月18日(日)~30日(金)

2007-12-01 05:10:34 | 会員一覧
■入賞発表

□高橋正子選

【最優秀】
★花すすき山の際まで銀色に/池田加代子
上五の「花すすき」がうつくしい。白く銀色にやわらかに輝くすすきが山の際まで押し迫って一面を埋めている。「山の際まで」は、すすきが咲くところまでのぎりぎりの景色が捉えられている。(高橋正子)

【特選/7句】
★銀杏散る梢の先の天真青/かつらたろう
銀杏が散る。梢の先が触れる天は、真青である。銀杏黄葉と真青な天の色の対比が美しいことは、もちろんだが、「銀杏散る」という動きのある現実と、梢の先という確かな観察が相俟って、実のある句となった。(高橋正子)

★新しき落葉だまりを登校す/安藤かじか
子ども達が登校する朝は、、新しく降った落葉が風に寄せられたのだろう、落葉だまりがあちこちにある。その落葉を靴で踏み蹴散らしながら、登校する子どもは、自然のなかのひとつとなって健康だ。(高橋正子)

★ジャムの香の部屋に溢れて外は雪/丸山草子
外は雪が降り、暖かい部屋にはジャムがくつくつ煮える香りが漂っている。ジャムの匂いに、外の雪まで清々しく匂うようだ。(高橋正子)

★朝替えし畳夕には子が遊ぶ/橋秀之
張替えの終ったばかりの畳の新しい香りや、子供のはしゃぐ声まで聞こえてきました。過ぎてきた今年と、迎える年のことなども思いました。楽しく暖かい日常がうかがわれて、好きな句です。 (あみもとひろこ)

★冬の日に余韻短く竹軋む/竹内よよぎ
竹が雪の重みで折れたのでしょうか、あるいは冬の季節風に撓る時の音でしょうか、いづれにしろ乾いた冬の空気の中を乾いた短い音が響いてくるようです。「余韻短く」が冬の季節感をよくあらわしているように思いました。 (藤田荘二)

★日翳ればストーブ音を高く吹く/碇 英一
日が翳り、寒々とした室内をたちまち温めてくれるストーブのありさまを的確に捉えられていて、力強いストーブの音が温かさを広げてくれるようです。(藤田洋子)

★早や畝に冬菜の緑あふれけり/吉田 晃
枯れ色深まるこの時期、早くも畝を彩る冬菜の緑が目に沁みるよう。目にあふれる冬菜の鮮やかなみずみずしさに季節の喜びを感じます。(藤田洋子)

【入選Ⅰ/15句】
★山道の落葉を踏めば落葉の音/多田有花
山道に散り敷く落葉を踏んで歩く詠者の姿の彷彿と表現した句、特に下五の「落葉の音」が効いて佳き句と思います。(宮本和美)

★砕け散る波を真下に石蕗の花/池田多津子
青い海、砕ける飛沫その上に咲く石蕗の花の黄色が印象に美しく見えてきて好きな句です。(甲斐ひさこ)

★列車の窓にかりがね仰ぐ日本海/堀佐夜子(正子添削)
旅に出た感慨が鋭く伝わります。「かりがね」と「日本海」の取り合わせが、絶妙です。(渋谷洋介)

★百幹の竹伸び切って冬に入る/篠木 睦
今年の若竹がみな十分に成長し初めてに冬を迎える新しい希望が見え好きな句です。(平田 弘)

★満天の冬星に撞く朝の鐘/黒谷光子
寒さが厳しい冬の夜明け、集落へ夜明けを告げる鐘を撞く。見上げる空には夜明けの光りに消え入る前の冬の星座が煌く。夜明け前の寒さが感じられまた鐘の音が聞こえそうな句である。(古田けいじ)

★日当たりの水仙の芽が寄り添うて/おおにしひろし
「寄り添うて」に、水仙の風情がよく言い表されていると思いました。花開く時期を待っている水仙のかわいい芽を目にした時の作者の心の動きが伝わってくるようです。(臼井愛代)

★冬薔薇の飾ることなく風にゆれ/上島笑子
飾ることなく、自然でありのままの姿を見せながら風に揺れる冬薔薇の凛とした姿を思い浮かべます。(臼井愛代)

★冬晴の光りに白きベイブリッジ/大山 凉
光あふれるような冬晴の日、空と海の青の間でベイブリッジの白が眩しく映えているすがすがしい情景に触れた作者の感動が伝わってきます。(臼井愛代)

★母子像に冬の木洩れ陽ほしいまゝ/尾 弦
横浜の米軍機墜落の巻き添えとなった母と二人の子を追悼する「愛の母子像」を詠まれた御句であろうと思います。「冬の木洩れ陽ほしいまゝ」に作者の溢れるようなあたたかい心を感じ取ることができます。(池田加代子)

★冬晴れて港に架かる橋空へ/小川美和
美しく晴れた冬の港。「港に架かる」の表現に、港湾全体をまたぐような大きい橋が見え、さらに青い空へと気持ちが広がっていきます。(池田加代子)

★踏む土の匂いほのかに落葉降る/大西美緒
初冬の明るい日差しの中、落葉が一枚また一枚と舞っています。穏やかな情景です。その中を歩かれる作者の心情もまた穏やかなのでしょう。(多田有花)

★禅寺に朝日差しきて冬紅葉/藤田洋子
厳しい修行の続く禅寺、そこにも紅葉の華やぎがあります。朝日に照らされればなお、その美しさは格別です。(多田有花)

★冬はじめ確とあおあお暁けの星/藤田裕子
冬に入り、空も冬の色を見せ始めました。「確とあおあお」に冬の暁のしんと冷え
た空気を感じ、身の引き締まる思いがします。(池田多津子)

★僧の持つ袋に青き冬野菜/祝 恵子
お寺の精進料理に使われるのでしょう。重く提げられた袋の中の野菜の青さにその
新鮮さを思います。(池田多津子)

★冬晴の母子像に掛く千羽鶴/かわなますみ
横浜で見た母子像を思い出します。掛けられた千羽鶴とともに穏やかな冬の日差し
を浴びている母子像に心休まる思いがします。(池田多津子)

【入選Ⅱ/27句】
★ひといろの村となりたる吊るし柿/大給圭泉
どの家も吊るし柿の簾に覆われている。温かい柿のいろに包まれ、まるで"ひと色の村"になったとの里の村の景が目に浮かびます。(志賀たいじ)

★まっすぐな線路に積もりし無垢の雪/飯島治蝶
始発列車のために、除雪車でしょう、、{無垢の雪}でよく表現がされていて好きな句です。(吉川豊子) 

★牛二頭放され草食む冬ぬくし/松本和代
長閑な冬の牛の放牧、もうすぐこの二頭も牛舎にいれられるのかも知れませんね。(祝 恵子)

★雪吊の庭師の交はす加賀訛/宮島千生
兼六公園だけでは、ないでしょうが庭師が実際に雪吊り作業をしている所を見たいものです。同じ仕事をしている仲間として共感を呼ぶものがあります。加賀訛 効いています。(澤井 渥)

★海にそい雪に埋もるる千枚田/吉川豊子
海にそった千枚田の風景、その上に雪が積もってゆく美しい絵のような風景が広がります。(丸山草子)

★門前を銀杏黄葉の一色に/まえかわをとじ
山寺の門前に大きな銀杏があり今が真っ盛りに紅葉している景が目に浮かぶ平明簡潔な句で好きだ。(國武光雄)

★見慣れたる山近く見え初冠雪/澤井 渥
何時も見慣れている山の初冠雪は感動いたします。その山が近く見える楽しさをサラッと詠んだ良い句だと思います。(まえかわをとじ)

★自転車を北風に立ち漕ぐ中学生/國武光雄
北風に向かって自転車を漕いでいるたくましい中学生の姿が見えてきます。(小河原宏子)

★沖に出て鳶に冬天限りなし/あみもとひろこ
沖を高く飛ぶ鳶には、人間の視線以上に水平線が遠くにある。高くあがればあがるほど、冬空は遠くまでのびているのであろう。(吉田 晃)

★落葉掃き日々の暮らしとなりにけり/松本千恵子
冬に入り、桜、欅、銀杏など樹木の種類により、次々と散る落葉。掃けども掃けども、また落葉。掃くことが日常となった。落葉掃きが日常化した作者の心の吐露が一つの句に結実しました。共感する一句です。(飯島治蝶)

★光りけり雨滴も丸く花八手/古田けいじ
★日のまぶし屋根より雪の剥がれ落つ/小西 宏
★葉牡丹をちりばめ園の花時計/湯澤まさえ
★冬木の芽まだささやかに兆すのみ/臼井愛代
★横浜の空澄み渡り冬鴎/井上治代
★冬来るかもめの声の鋭き日/藤田荘二
★潮風に銀杏黄葉の色深む/渋谷洋介
★洗い上げ白菜白く輝けり/小河原宏子
★石仏の雪頭(こうべ)よりとけはじむ/志賀たいじ
★ひぃそりとなお美しき石蕗の花/平田 弘
★手の平にまだ暖かき橡の餅/宮本和美
★寒蜆泥のすべてを吐かせられ/おくだみのる
★内湾に並びし徐ノやいわし雲/高瀬哲朗
★彫り深き初冠雪の赤城かな/小口泰與
★ビル群にあかあか沈む冬の街/甲斐ひさこ
★裏表見せてくるくる木の葉散る/柳 あき
★かぶ買いて煮物酢の物漬け物に/河野啓一

※今年の入選発表と互選は、今回が最終回となり、次回は、2008年1月1日からとなります。(主宰 高橋信之)

□好きな句/11月18日-30日

2007-12-01 04:50:48 | 互選
高点句(11月18日-30日)最終結果

50名の方々から50句の投句があり、<好きな句の選>締め切りまでに41名が選に参加されました。以下は、<11月18日-30日>の最終結果です。すべて1点として集計しています。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/20点】
◎ひといろの村となりたる吊るし柿/大給圭泉

【次点/16点/同点2句】
○砕け散る波を真下に石蕗の花/池田多津子
○満天の冬星に撞く朝の鐘/黒谷光子

(集計/臼井愛代)

入賞発表/11月11日-17日

2007-11-21 16:26:46 | 入賞発表
■入賞発表

□高橋信之選

【最優秀】
★矍鑠と大根畑を義兄行ける/堀佐夜子
「大根畑」と「矍鑠(かくしゃく)」とした老農夫との取り合わせがいい。年を取っても、丈夫で元気のいい「義兄」だ。血のつながりはないが、親しい兄である。「義兄」が効いた。(高橋信之)

【特選7句】
★咲き誇る山茶花風に色こぼし/平田 弘
一木にびっしり山茶花が咲き誇り、風に揺れて花の色がこぼれてゆくようです。美しい景が見えてきます。(藤田裕子)

★一樹ずつ雑木紅葉の始まりぬ/藤田洋子
冬の深まるにつれ雑木の紅葉も早まってくる。静かに自然の移り変わりを見る作者の平安な心情が見えそうだ。(おおにしひろし)

★山深くどんぐり落ちてまだ青き/竹内よよぎ
木を離れてあまり間が無いどんぐりに気付いた作者の小さな発見があります。小さな変化を重ねて少しずつ季節を進める自然のサイクルを思います。(臼井愛代)

★亜浪忌の空の明るさ帳に書く/おおにしひろし
亜浪忌の初冬の空の明るさも嬉しく、句帳に記す作者。日々自然体で俳句に向き合っていらっしゃる姿勢もうかがえるようです。(藤田洋子)

★茶が咲いて都の真中匂いけり/まえかわをとじ
茶の花の清楚な佇まいと、それが都の真中で匂うという優雅さが相応しく、印象に残ります。(臼井愛代)

★幾たびも落葉する音聞きにけり/柳 あき
落葉の時期の、乾いて静かな感じがとてもよく伝わってくる御句と思います。(臼井愛代)

★銀杏黄葉透きて見えきし空の青/藤田裕子
街路路の銀杏黄葉が散ってきて木の隙間から青い空が見える晩秋の景が見えます。(大給圭泉) 


□高橋正子選

【最優秀】
★花八手葉を青々と雨走る/あみもとひろこ
冬がきても八手の大きな葉は、青々としている。それに雨がさっと降りかかると、葉は一段と、青々と、またつやつやとしてくる。「雨走る」で句が生きた。(高橋正子)

【特選7句】
★一樹ずつ雑木紅葉の始まりぬ/藤田洋子
雑木紅葉は、日向にある木、日陰の木、大きな木、小さな木、それぞれのテンポで紅葉する。一樹一樹の個性が織り成して紅葉の美しさを見せてくれる。紅葉もよく見ると、一樹一樹に始まっているのだ。(高橋正子)

★銀杏黄葉透きて見えきし空の青/藤田裕子
銀杏黄葉が少しずつ、落葉していくと、隙間に空の青い色が覗いてくる。銀杏黄葉と空の青とが対比されて明快な色調が楽しめる。それが自然のなす美しさであるのがうれしい。(高橋正子)

★山深くどんぐり落ちてまだ青き/竹内よよぎ
山深く入ると、そこは全く森の世界。落ちて間もないどんぐりの青さに、森が生きいきと生きていることを知らされる。(高橋正子)

★茎桶に水満々と大小あり/湯澤まさえ
茎桶は、茎漬をする桶。茎漬は、大根や蕪など茎ごと漬物にするもの。いろいろの種類の漬物をするのだろう、大小の桶に水が満されて、茎漬の準備がされている。冬の用意がはじまった生活が詠まれている。(高橋正子)

★しぐれつつ明けて暮るるも湖北かな/黒谷光子
朝にしぐれ、夕べにしぐれるうちに緩やかに一日の過ぎる、湖北の初冬の風情が映し出されています。「暮るるも」の「も」がのびやかでいいですね。(小西 宏)

★枯野には未だなりきれず薄照る/甲斐ひさこ
枯野と呼ぶことが控えられるほどのつややかさを湛えている、薄の美しい姿を目に浮かべます。(臼井愛代)

★茶が咲いて都の真中匂いけり/まえかわをとじ
茶の花の清楚な佇まいと、それが都の真中で匂うという優雅さが相応しく、印象に残ります。(臼井愛代)

【入選Ⅰ/15句】
★日々(にちにち)の暮らし定まり冬に入る/井上治代
詠み手の日々の穏やかで確かな暮らしぶりが偲ばれます。無駄がなくてすっきりした詠みが好きです。(志賀たいじ)

★研ぎ澄みて冬の朝のもの光る/碇 英一
暑い暑いといっていた2ヶ月前が嘘のように冬の寒さがやって来ました。急な寒さだけに朝の光りも研ぎすまされている感じが強い。自然と季節の移り変わりを見つめる眼に感服。(古田けいじ)

★新しき句帳真白く冬に入る/尾 弦
いろいろな思いを込めた古い句帳から、何も書いていない真新しい句帳へ、「真白く」と「冬に入る」がうまくつながっていると思いました。「冬に」に、きりっとしまった語感があり、作者の句作りへの思いが伝わるようです。(藤田荘二)

★朴落葉ばさりと一枚空抜ける/藤田荘二
朴の葉が一枚ぱさりと落ちて、気がつくと空が抜けるように青い。晩秋の一瞬の自然のとぎすまされた緊張感がとらえられ見事と思いました。(竹内よよぎ)

★手袋に鴉のくれた実の紅さ/かわなますみ
手袋は何色だったのでしょうね。赤い実をポトンと鴉が呉れた、童話を読んでいる様な句で好きな句です。(堀佐夜子)

★菊の香の子の命日の墓包む/大山 凉
菊の香に包まれているお墓の前で子を思う気持ちが伝わってきます。いつまでも心の中に生きておられるのでしょう。(丸山草子)

★冬の夜膝の童の心地よく/上島笑子
心地よいのはお子さんもお母さんも、でしょうね。ひとときの平安を感じます。「冬の夜」が生きています。(多田有花)

★柿すだれ夕日のあたる箪笥店/安藤かじか
取り合わせがよく、切れ味のいい句。「箪笥店」のぶっきらぼうさがなんともいいですね。(尾崎 弦)

★紅葉散る我が誕生日森を行く/古田けいじ
枯色深まる森の澄んだ空気に、散りゆく紅葉がひときわ鮮やかに感じられ、お誕生日ならではの感慨深さです。(藤田洋子)

★神無月実りのあとの黒き畑/笠間淳子
実りの秋を過ぎ黒々とした畑の、静かでやや侘しさのある自然の姿に、神無月となる季節感が漂っているようです。(藤田洋子)

★山に雪二十世紀も食べ頃に/宮本和美
遠望の嶺に雪の見られる季節を迎えるものの、ちょうど食べ頃となる実りの果実を味わう嬉しさを感じます。(藤田洋子)

★鯊沖へ落ちてより海荒れだせり/澤井 渥
水温が下がるにつれて深い場所へ移動するという鯊ですが、次第に荒れ出す海のありさまに、秋から冬の海への季節の変化を感じます。(藤田洋子)

★外出や赤子に白きコート着せ/飯島治蝶
風が寒くなり、赤ちゃんの外出には気を遣います。コートの白がまっさらな赤子の清らかさにふさわしく、ふんわりと温かな気持ちになります。(池田多津子)

★冬めきてさらに色濃き針葉樹/多田有花
周りが冬めいてくると針葉樹の青がひときわ濃く見えてきます。針葉樹の青さに冬を一層強く感じることを改めて確認しました。(池田多津子)

★鴨あそぶ堰の水音高まれり/小川美和
越冬のためにやってくる鴨が次第に増えてくるのでしょう。多くの鴨が悠々と泳ぐ、豊かな水の流れです。(池田多津子)

【入選Ⅱ/23句】
★水鳥を連れて羽田の帰り船/小西 宏
夕日のなかを釣り船が帰ってくる。水鳥が船に付くように乱れ飛ぶ。情緒たっぷりの句です。(島津康弘)

★手庇にまだ見ゆ一羽冬の雁/志賀たいじ
家族同士の結びつきが強く、常に一緒に行動する雁。暮易き日に、一羽でいる雁の様子を心配しながら、じっと見ている作者の優しい心根が伝わって来ます。(飯島治蝶)

★山間の美術館出で紅葉道/おくだみのる
美術館で絵等の鑑賞をした後、外へ出て紅葉のきれいな山道を歩き、芸術の秋を満喫されたことが伺えました。また、この句からゆったりとした時間の流れを感じさせていただきました。(井上治代)

★座席少し倒してみたり冬の旅/祝 恵子
旅の列車の中のひとこまに、のんびりと寛いだ旅の様子が思われます。(黒谷光子)

★一湾を囲み明るい蜜柑山/池田多津子
黄色に満ちた蜜柑山が湾をくるりと囲んでいる景がとても美しく見えてきて、好きな句です。(甲斐ひさこ)

★満潮の河口に睦むしろちどり/篠木 睦
しろちどりが満潮の河口の周りを気ぜわしく走り回わり睦みあう愛くるしい姿,先に広がる青い海までが見えるようです。(大山 凉)

★穏やかな日和の似合う石蕗の花/大給圭泉
石蕗の花は葉に光沢があるためか、ふしぎな存在感のある花のように思います。初冬の日和にしっくりと咲くさまが見えるようです。(小川美和)

★遥かなる阿蘇の五岳や冬霞/岩本康子
雄大な阿蘇の五岳に流れる冬霞寒さを忘れさせる 長閑な感じが好きです。(平田 弘)

★小春日の軒に盆栽海女の家/島津康弘
普段、男勝りの荒々しい仕事に励む女性の内面の繊細さを感じたが否、盆栽は男の趣味かな?じゃやっぱり男っぽい方かなと思ったり・・・。小春日ってことはこの時間は海で仕事なの?それとももう寒いから漁には出ないのかな・・等々想像が膨らむ好きな句です。何より潮の香る景が目に浮かびます。(宮島千生)

★日溜まりのあるうれしさに冬の蝶/吉田 晃
冬は日差しがありがたいものです。そのうれしさが伝わるよく伝わり好きな句です。(上島笑子)

★こぼれ日に蕾ふくらむ八重小菊/吉川豊子
薄日がさし蕾がふっくらと膨らんできて可愛い八重の小菊が目に見えてきます。(小河原宏子)

★秋海を白く滑りて渡し舟/松本千恵子
日差しが降り注ぎ、風もなく穏やかな秋の一日の海、渡し舟が航跡を残しながら進んでいます。気持ちもゆったりとしてきます。(多田有花)

★秋入り日受けてものみな耀けり/河野啓一
つるべ落としの秋の日没、その光を浴びてすべてのものが茜色の染まっています。ほんのひとときの、しかし、かけがえのない美しい一瞬です。(多田有花)

★博多場所鬢付け匂う電車かな/國武光雄
鬢付けの香りは、大相撲らしさを感じさせてくれますね。今年もまた力士たちがやってきた博多の街、初冬の欠かせない風物詩でしょう。(多田有花)

★冬ざれやあらぬ方より鶏の声/小口泰與
荒涼とした冬の景色のなかで突然聞こえる鶏の声。「あらぬ方より」という言葉が句をひきしめています。(多田有花)

★暮れ初めし商店街に零余子買う/臼井愛代
食べ物の旬がわかりにくくなったてきていますが、ここにはしっかりそれが生きていますね。零余子はどのように調理されたのかなと想像します。(多田有花)

★小春日の天まで届け園児の歌/高橋秀之
★掌に余る大王松の落葉かな/渋谷洋介
★豆腐屋のぬくもりのある新豆腐/松本和代
★雪吊りの縄に雀の留まりおり/丸山草子
★冬暁にきりりとしまる樹影かな/かつらたろう
★上潮の川煌きて冬浅し/宮島千生
★笛鳴ると空駆くごとく鹿走る/小河原宏子(正子添削)

□好きな句(互選)/11月11日-17日

2007-11-18 13:14:12 | 互選
互選高点句(11月11日-17日)最終結果

50名の方々から50句の投句があり、互選締め切りまでに44名が互選に参加されました。以下は、<11月11日-17日>の互選最終結果です。すべて1点として集計しています。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/13点】
◎しぐれつつ明けて暮るるも湖北かな/黒谷光子

【次点/11点/同点3句】
○菊の香の子の命日の墓包む/大山 凉
○咲き誇る山茶花風に色こぼし/平田 弘
○日溜まりのあるうれしさに冬の蝶/吉田 晃

(集計/臼井愛代)

□好きな句(互選)を下の<コメント>にお書き込みください。
①下記の<投句一覧/11月11日-17日>の中から選んでください。
②好きな句(互選)を5句選んでください。もっとも好きな句1句にコメントも付けてください。
③互選は、11月23日(金)まで許されますが、互選集計の対象は、11月20日(火)の午後6時までに書き込まれた<好きな句(互選)>に限ります。
④投句をされていない方も互選に積極的に参加してください。
ただし、投句されていないの選は集計の対象にはならなことをご了承ください。

■投句一覧50名1人1句/11月11日-17日(高橋正子抽出)

01.幾たびも落葉する音聞きにけり/柳 あき
02.神無月実りのあとの黒き畑/笠間淳子
03.秋海を白く滑りて渡し舟/松本千恵子
04.しぐれつつ明けて暮るるも湖北かな/黒谷光子
05.手庇にまだ見ゆ一羽冬の雁/志賀たいじ
06.茶が咲いて都の真中匂いけり/まえかわをとじ
07.山間の美術館出で紅葉道/おくだみのる
08.菊の香の子の命日の墓包む/大山 凉
09.山に雪二十世紀も食べ頃に/宮本和美
10,咲き誇る山茶花風に色こぼし/平田 弘

11,秋入り日受けてものみな耀けり/河野啓一
12,鯊沖へ落ちてより海荒れだせり/澤井 渥
13,花八手葉を青々と雨走る/あみもとひろこ
14,博多場所鬢付け匂う電車かな/國武光雄
15,枯野には未だなりきれず薄照る/甲斐ひさこ
16,冬ざれやあらぬ方より鶏の声/小口泰與
17,一樹ずつ雑木紅葉の始まりぬ/藤田洋子
18,冬めきてさらに色濃き針葉樹/多田有花
19,暮れ初めし商店街に零余子買う/臼井愛代
20.亜浪忌の空の明るさ帳に書く/おおにしひろし

21.銀杏黄葉透きて見えきし空の青/藤田裕子
22.矍鑠と大根畑を義兄行ける/堀佐夜子(正子添削)
23.座席少し倒してみたり冬の旅/祝恵子
24.一湾を囲み明るい蜜柑山/池田多津子
25.満潮の河口に睦むしろちどり/篠木 睦
26.穏やかな日和の似合う石蕗の花/大給圭泉
27.日々(にちにち)の暮らし定まり冬に入る/井上治代
28.遥かなる阿蘇の五岳や冬霞/岩本康子
29.小春日の天まで届け園児の歌/高橋秀之
30.水鳥を連れて羽田の帰り船/小西 宏

31,冬の夜膝の童の心地よく/上島笑子
32,紅葉散る我が誕生日森を行く/古田けいじ
33,研ぎ澄みて冬の朝のもの光る/碇 英一
34,朴落葉ばさりと一枚空抜ける/藤田荘二
35,日溜まりのあるうれしさに冬の蝶/吉田 晃
36,掌に余る大王松の落葉かな/渋谷洋介
37,手袋に鴉のくれた実の紅さ/かわなますみ
38,新しき句帳真白く冬に入る/尾 弦
39,鴨あそぶ堰の水音高まれり/小川美和
40,外出や赤子に白きコート着せ/飯島治蝶

41,豆腐屋のぬくもりのある新豆腐/松本和代
42,小春日の軒に盆栽海女の家/島津康弘
43,茎桶に水満々と大小あり/湯澤まさえ
44,雪吊りの縄に雀の留まりおり/丸山草子
45,冬暁にきりりとしまる樹影かな/かつらたろう
46,上潮の川煌きて冬浅し/宮島千生
47,柿すだれ夕日のあたる箪笥店/安藤かじか
48,山深くどんぐり落ちてまだ青き/竹内よよぎ
49,こぼれ日に蕾ふくらむ八重小菊/吉川豊子
50,笛鳴ると空駆くごとく鹿走る/小河原宏子(正子添削)