『ศัตรูคู่ขวัญ』
【第13話】
時は過ぎ、ロッスコンは男女の双子をもうけていました。一方、プミポンは海外でダーダーと結婚し、しばらくそこで人生を送っていました。
プミポンはタイへ戻ることになり、ヤオラックの家に寄ろうと決意します。ポントーパットと会いたかったからです。しかし会えたのはヤオラックでした
「あら大変。誰かと思えば、弟クン。」
「母さんはそんな面じゃなかったけどな。」
「でも変ね。あなたのお父様は私のような人間と一緒にいることを選んだわ。あなたの素敵なお母様じゃなくてね。」
「僕は父さんに会いに来たんだ。あなたとゴチャゴチャしたくない。」
「5、6年音沙汰なしで、突然やって来るなんて。彼が亡くなったかどうか確かめに来たのかしら?遺産を得ようとして。」
「そもそも半分は母さんものなんだ。逆に困って身もだえしている人間を訴えるなんて時間がもったいないだけだ。」
「私のことを言っているなら、誤解よ。私は彼の財産ではなくて、彼そのものを愛しているからね。そして彼も私のことをとても愛してる。一緒にいられさえすれば、もう何も誰も必要ないわ。お母様によろしくー」
プミポンは、父・ポントーパットが弱っていることを知る機会を逃してしまうのでした。
***
ヤオラックはお構いなしで、他の男と交際をし始めていました。しかしその日、ポントーパットはその事実を知ってしまいます。ヤオラックが外でプミポンをケンカしている時に、ヤオラックの携帯電話を見てしまったのでした。
***
「何してるの?」
「パットって誰だ。どうして毎日、何度も電話をかけてくるんだ」
「私のことでしょ。」
「他に男がいるんだな?そいつに乗り換えようとしているんだな。」
「詮索はやめて。私の返して。」
ヤオラックは携帯電話を取り返そうとしますが、ポントーパットにぶたれてしまいます。
「私を殴るとはね。」
「言いなさい、パットって誰なんだ。」
「私が彼と何かあるとしたら、なぜかしらね。」
「こんな事するのか、おい」
ポントーパットとヤオラックは取っ組み合いになり、ヤオラックは銃を手にします。
「また私をぶったら、その時は・・・」
「この毒蛇女が!」
「離婚を受け入れないのはなぜよ。他の人に邪魔されたくないなら、早く離婚届にサインしなさいよ。サインしないなら、夫面しないで。」
ヤオラックは出て行こうとしますが、ポントーパットはつっかかります。
「お前をどこにも行かせるか」
「はなして。」
「だめだ。お前は死ぬまで私と一緒だ。」
二人はもみ合いになり、銃声が鳴り響きます。ポントーパットが倒れます。
ヤオラックはポントーパットが倒れ、流血しているのを見て、驚きます。ポントーパットは死んでしまったと思い、言葉が出ません。ヤオラックはあわてて逃げ去るのでした。
***
プミポンはウッタラディットまで車を走らせ、偶然、子供の姉弟が溺れているところに遭遇します。プミポンはすぐに助けます。そして、その二人がロッスコンの子供であることは知らぬまま、二人を家まで送ってあげるのでした。
***
プミポンは二人を家まで送り、自分の孫がよくわからないほど老いたポンおばあさんと会います。ちょうどその時、ヤオラックが戻って来ます。
「ヌーナー!プラカット!」
「お母さん」
子供達はプミポンからはなれ、母親の元に走ります。プミポンは声がロッスコンのものだと覚えていました。プミポンはとまどい、振り向く勇気がありません。
「お母さん、ものすごく探したのよ。わかってるの?何ともないわよね?」
「これからはこんな事しちゃだめよ。お母さん、心臓が止まっちゃうわ。あら、誰を連れて来たの?」
シーウィパーが尋ねると、ロッスコンは目をやり、プラカットがすかさず答えます。
「優しいおじさんだよ。おじさん、これが僕のロッスコンお母さん。」
プミポンがゆっくり振り向き、ロッスコンは驚いて青ざめます。強い憎しみが沸き起こり、涙が出ます。プミポンはきまりが悪く、シーウィパーにワイをします。
「元気だった?長い間、会わなかったわね。」
「はい。たまたま子供達と出会って、送りに来ました。」
「プラカット!ヌーナー!こっちおいで。早くお母さんのところへ来なさい。聞こえないの?」
ロッスコンは強い口調で子供達を呼び、子供達は驚いた様子で戻ります。
「おじさんは・・・」
「口ごたえしない!家に入りなさい!」
ヌーナーは口をつぐみます。もう何か言う勇気はありませんでした。シーウィパーはただならぬ状況を察知し、プミポンとロッスコンを残し、孫たちとポンおばあさんを家に入れます。
「どうして子供をしかるんだ。何も悪い事はしていないぞ。」
「私の子よ。私がどうしようと、いいでしょう。あなたには関係ないわ。」
「ああ、そうか。亀の子が溺れ死にそうになっても、構わないからな。時間をとって、旦那に子供達の面倒を見てくれるよう頼むことだな。」
ロッスコンはプミポンをぶとうと手を振り上げますが、思いとどまり、こぶしを強く握ります。
「私のことよ。出て行って。私の子供に二度とかかわらないで。行って!」
***
ロッスコンは苛立ちながら家に入り、子供達を棒で叩きます。シーウィパーは見ていられず、止めに入ります。ロッスコンは正気を取り戻し、一人、部屋で涙を流すのでした。
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ロッスコンの暮らしは、教職を去った後、困難を極めていました。シーウィパーとポンおばあさんの助けを受けながら、菓子売りをしていましたが、稼ぎは少なく、かつての家は手放し、他の場所に引っ越さねばなりませんでした。
プミポンはストジットの農場に滞在し、ロッスコンを探るのに時間を割いていました。
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ポントーパット、離婚してなかったのか・・・。
レーカー夫人が元気になっていて良かった。