のんのブログ

日々の生活や気になったことなどについて徒然記します

消滅する言語

2005-04-10 23:00:37 | Weblog
今地球上で2週間に1つの言語が消滅しているという。言語というのは、物ではなく、ある一定の形を持たない。また言語と方言の区別も細かくみると、ここといった明確な線引きはないことがあるし、また言語は民族、政治と極めて密接な関係があるため、同じ言語でありながら、国家のちがにより別の言語として認識せざるを得ない例など実例をあげて紹介している。多くの要因のため、世界の言語数は研究者によって大きく変動して認識しまっているため、実際の正確な値を知ることは難しく、また消滅していく言語の数を正確に判断することが難しく、しばしば楽観的な数字を提示してしまう学者が多い、本書では著者の分析により5000~7000の言語が現存しており、2週間に1つの言語が消滅していると分析している。言語の多様性は、文化、家族の違いなどに根ざしており、英語の家族表現の乏しさなどを実例にあげ紹介している。言語の保存はなぜ必要なのかを、保存の方法論の議論に交えながら、様々な角度から分析している。最終的な結論は、民族の文化を誇りに思うことを肯定する為に必要だといっているようだ。詳しくは読み返す必要がある。言
語の保存には、言語の再生にはどんな方法が用いられており、成果はどうなのか。言語を保存するには、どんな困難が伴うのかを本書を通じて知ることができる。著者の主張の毒をつくやくしゃのあとがきもいい。環境問題、経済問題、人権問題などおおきな問題に隠れてしまっている言語の消滅問題の今をつく本。わからなかった所を読み返したい。

ウェクスラー家の選択

2005-04-09 16:33:04 | Weblog
ハンチントン病とは、優勢遺伝する遺伝病として現在認識されている。この病は、起きている間に勝手に体中の筋肉が痙攣を起こして、症状は進行することがあっても回復することがないという進行性の病でありおおよそが40代で発症する。発症が遅いため、既に子供があり、子供にも発症リスクが伴う。このものがたりは、ハンチントン病を発症した母を持つ家族のハンチントン病との戦いを記した本である。父はハンチントン病の研究を進めるために、基礎研究に資金援助を行う機関を設立、次女はその先陣を切ってハンチントン病と戦う。そして長女である著者はこの戦いを本に残す。ハンチントン病という得体のしれなかった病を、様々な角度から分析し、あるベネズエラの大家族の家系の発見と、遺伝子工学の最先端の技術が、病気の原因が遺伝子にあることを証拠として突き止めることにつながった。さらにヒトゲノムが解読される遙か以前に無謀とも思われた、原因遺伝子の染色体上の位置を断定、さらに遺伝子の特定、解読に成功する。この成功とはまた別個に、遺伝子診断による、発症前診断による、発症の有無が個人そして家族に与える迷い、悩み、希望、絶望が本人の体験を通じて赤裸々に語られる。愛とは、家族とはなにかを考えさせられる本だ。最後にハンチントン病で現在苦しんでいる人々に勇気をそしてハンチントン病の治療方法の早期発見が実現するよう祈りたい。