ふわふわな記憶

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咲-Saki- 第159局 「準備」 感想

2016-05-21 17:20:00 | 咲-Saki-
咲-Saki- 第159局


以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第158局 「前夜」 感想)




千里山女子 ~託す者と託される者の物語~


チームとして

 千里山女子・3年の中牟田琴音さんが登場。怜は5位決定戦に出場するにあたり、6番手である彼女に深く頭を下げた。別に悪いことをしているわけではないが、3年の中牟田琴音さんにとっても最後のインターハイ。全国ランキング2位の高校の6番手という実力者であり、3年間千里山女子というチームで頑張ってきたのだから、インターハイに出たいという思いはずっと抱いていたはず。

 不本意ではあるにせよ、怜が倒れたことによって一度は現実のものになりかけたインターハイ出場のチャンスがなくなってしまったのだから、彼女の気持ちを考えるなら、怜が彼女に一言声を掛けるくらいは筋なのかもしれないね。

 これからの千里山女子というチームのために「後輩にいいポジを残すには私より園城寺やからな」と言ってのけるところは素直に感心しちゃうね。中牟田琴音さんも同じ3年生ですから、ずっと近くで見てきたのでしょう。怜、セーラ、竜華。先鋒・中堅・大将というチームの要所を担い、現3年生レギュラーとして千里山を牽引するために頑張ってきた3人の姿を。かつて、セーラも言っていた「自分自身のポジションよりもチームが強くなる方が嬉しい」と。千里山というチームは、どこまでもそういう想いを受け継いできたチームなんだと感じさせられる。これこそが長年全国強豪校としてインターハイに君臨する所以なのでしょうね。



負けられない

 託す者と託される者。描写の大小はあれど、どちらにも想いがあって、どちらにも物語がある。今度こそ負けられない想いをまた一つ背負った怜は竜華と一緒にお風呂に入りながら明日の闘いに想いを馳せるのであった・・・。って、なんでやねん!なんでこの2人、大浴場とかでもなしに普通に一つの浴槽で一緒にお風呂入ってるのん?この後...とか考えちゃうと期待が湯煙のごとく沸き立っちゃうよね!(今回は湯気立ってないけど)


 そうそう、お風呂に入るのも『咲-Saki-』の魅力だった。前回の永水&宮守のお風呂回に引き続き今回もお風呂回です。第155局の咲さん&和のお風呂回もあったけど、ここ最近のバスルーム描写率の高さにはニヤニヤ驚きを隠せないじぇ....。これが「前夜」の破壊力なのか・・・。(←意味不明)
 



高遠原中学麻雀部 ~あの頃と今~



完全に一致

 小学4年生の頃に入院した際、麻雀を教えてくれた同室の友人たちから和へ応援のメッセージが届いていた。こういうのは良いね。インターハイ最後の山を明日に控え、和が麻雀を始めるきっかけになった人たちからの応援の言葉が届くというのはなかなかどうして感慨深いものがある。

 それにしても、和の上家に座っている人は『シノハユ』の真深さんに見えなくもない?まぁ、今回の描写だけでは珍しい後ろ姿というわけでもないから似た人というだけかもしれないけど、あれこれ考える余地があるのは楽しくて良いことだじぇ。



 さてそうこうしていると、和の携帯にとある人物から着信が入る。


すばらっ!

 スマホを太ももの上に乗せて喋るすばら先輩である!差し入れを持ってきてくれた後輩へのお礼とせっかく久しぶりに再会出来たというのにあまり話せなかったこともあって、わざわざ電話をくれたようで。「今日はすばらなタコスをありがとうございます」と言っているけど、Aブロックの準決勝は昨日のはずだから、これだけは誤植かな?当日は敗戦の事実を受け止めるのに精一杯だっただろうから翌日に電話を掛けてきてくれたのでしょう。

練習試合でプロの皆さんと何度打っても

2万点以上は削られたことがなかったのが売りだったんですけどねぇ

ご期待にそえませんでした・・・


 こう語るすばら先輩だけど、あの試合におけるすばら先輩は大きな役割を果たしてくれたよね。それこそ、彼女の献身的な協力なしには宮永照の連荘を止めることは出来なかったのだから。数字という結果の上でそうは判断されなくとも、読者の目から見れば期待以上の活躍をしてくれたとも言える。

 そんなすばら先輩に対し、優希が「私が代わりに宮永照の首をとるじぇ!」と意気込むところは頼もしいじゃないですか。チームに勢いを付ける特攻隊長という意味でも優希は先鋒に向いていると思う。


 そして、すばら先輩との会話から和は在りし日の高遠原中学麻雀部を振り返る。


敬語

 かつて、和はすばら先輩がどうして後輩の自分たちにまで敬語で話すのかと聞いたことがあった。僕個人としては敬語キャラって結構好きだし、すばら先輩が言うようにクセでそうなってしまうという気持ちは凄く良く分かるんだけど、敬語で話すことが楽ということは、相手との関係性にどこか距離を置こうとしていることの表れでもあるよね。

 たとえば、いつもタメで話している人でもなにか気まずい頼みごとをする時とか稀に素で敬語になっちゃう時とかあるじゃないですか。つまりはそういう事で、仮に無意識だとしても心の距離を感じているからこそ敬語で話してしまうというのはあるのかもしれない。


でも...

もしいつか気心の知れた同い年の友達ができたりしたら

普通にタメで話せるようになるかもしれませんね


 すばら先輩が言っていたこの言葉を思い出し、何かを感じるところがある様子の和。和もまた誰に対しても丁寧語ですからね。ムロやマホに対しても、家族に対しても、そして優希や咲さんに対しても・・・。まぁ、全国大会以前の和は咲さんのことを「宮永さん」と呼んでいて、今では普通に「咲さん」と呼んでいますから、確実に距離は近付いているはずなんですけどね。


 とまぁそれは置いといて、何ともすばらなタイミングで電話中のすばら先輩を呼びに姫子がやってくるのだった。


友達

 すばら先輩にも気心の知れた同い年の友達が出来たのだと知り、笑顔を浮かべる和と優希。何ともあたたかみのあるお話ですばらじゃないですか。優希の恰好が完全にはっちゃんスタイルになってて、これもう浴衣着てる意味ないなとかっていうツッコミをするのが野暮なくらいに良いお話でした。姫すばの今後の益々の発展を心から祈るばかりです。そうつまりは、すばら先輩かわいい!これに尽きる。(←これが重要)


 
新道寺女子 ~これが私たちのベストオーダー~


監督/先生

 場面は変わって、ミーティング中の新道寺。新道寺の監督とコーチもこれでやっと登場か。『阿知賀編』で登場しなかっただけに本編で登場する機会が来るとは思わなかったじぇ。この監督、麻雀打つとき魔法とか使えそうな雰囲気を醸し出してるなぁ...。なんて、冗談めいた話だが、本当に魔法使えるキャラが『シノハユ』に登場しちゃったからね。そう、奇跡も、魔法も、あるんだよ。


 それはさておき、準決勝の結果を踏まえ、自分が本当に先鋒で良いのかと監督、もとい先生に再度確認を促すすばら先輩。


友清さん

 出た!5位の友清さん!まだ1年生だったんだね。友清さんも監督もコーチも他のメンバーも誰一人としてすばら先輩が先鋒を務めることに異論はないようで。エースになれる力はなくとも誰かに必要とされる力がすばら先輩にはある。たとえ、捨てゴマであっても、チームが勝つために必要な大事なコマですからね。

 将棋だってそうじゃない。機動力のある飛車、斜めに睨みを利かす角、左右四方見渡せる金、攻撃の要である銀、飛び越えて動く桂馬、真っ直ぐに進む香車。そして、最前線に立つ歩。「自分の王を守り、相手の王を詰める」という目的を達成するために、動きの違う8種類の駒がそれぞれの役割を与えられる。大ゴマだけじゃ将棋は成り立たないもんです。

 そりゃ、誰だってなれるならエースになりたいはず。でも、自分にない力を嘆いても始まらない。自分が出来ることでチームの力になれるならその役割を精一杯果たそうという心意気は見事なものですよ。動き方こそ違えど全てのコマに共通して言えることは前進できないコマなんてないってことですから。



 しかしあれですね。友清さん、熱烈にすばら先輩のことを推すその姿勢実に好感が持てます。漂う圧倒的な後輩ポジションオーラ。全国の後輩の皆さん!後輩というのはこういう子の事を言うんですよ!どっかの王者高校のスーパーノヴァさんみたいに先輩に「私のためのハンデづけお疲れ様でーす」とか言っちゃう後輩様とは違うのです。


 .......と思っていたら、当の後輩様の登場である。


星が良く見えるんだ

 何やら、部屋の明かりを消して特訓(意味深)をしている照と淡。これ、卓を見る限り2人で4人麻雀を打っているのか。準決勝では穏乃にやり込められた淡だけど、決勝戦は準決勝よりも更にパワーアップしていそうだ。対戦相手を下に見るきらいがあった淡も自分の能力が看破された上での敗北を知って精神的にも成長しただろうし。(ちなみにおもちも成長してるし。→dreamscape)


 星が良く見える――まず間違いなく、準決勝と決勝で淡に変化があるとすれば「星」に関係があるのだろうけど、どんな力に繋がるんだろう。照のギギギーやたかみーのオーラス親番ハーベストタイム、淡のスーパーノヴァ。白糸台の底も未だ見えないままで楽しみだね。

 ネリーの「飛翔」もどこで仕掛けてくるか分からなければ対策が打ち辛いし、穏乃も山の頂上に近づき更に力が高まっているようだし、決勝大将戦は一体どこまで僕らを驚かせてくれるんだろうか。果たして淡が見る星は「白星」になるのか「黒星」になるのか。そして、我らが希望の星・咲さんはこのメンツを相手に花を咲かせることが出来るのか。要注目ですよ!


 次回は、6/3発売号で掲載予定。この前、150局目を迎えたような気がするのにもう次で160局目ですね。


7 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-05-21 18:03:17
これで一通り各校の前夜を描いたか。
次回から5位決定戦開始かね
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Unknown (Unknown)
2016-05-21 18:06:01
淡や穏乃を見ていると、「早く決勝大将戦見たいから
他の試合早く終われー」と思ってしまいそうになる。
まずは5位決定戦を楽しみたいから、決勝大将勢には
あまりアピールしないでほしかったり。
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Unknown (Unknown)
2016-05-21 18:26:01
管理人さんは淡には手厳しいですねw
準決勝までの淡は油断全開でしたからそういう面で決勝に向けての成長が楽しみなのは同意です
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Unknown (Unknown)
2016-05-21 18:32:33
ときが謝る理由はないような...?と思ったけど確かに倒れたことで出場の可否が不明になってれば補員も準備をしなければならなかったと思うと迷惑は掛けたってことになるのか
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Unknown (Unknown)
2016-05-21 19:30:55
暗闇、二人きり、おもちが大きくなった
ここから導き出される答えは・・・
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Unknown (Unknown)
2016-05-21 19:37:39
>暗闇、二人きり、おもちが大きくなった
ここから導き出される答えは・・・

やめて差し上げて、咲さんのライフはもうゼロよ!
わたしもテルーと特訓したいです
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Unknown (Unknown)
2016-05-21 23:32:42
友清ちゃん1年生で校内ランキング5位とかなかなかにエリートじゃないか!全中で和と対局してたりするのかしら
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