咲-Saki- 第147局
以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第146局 「絶望」 感想)

親の倍満と数え役満、立て続けに豪快な和了りを重ねる爽の活躍によって、先鋒戦終了時から一度も変わらずに2位を死守し続けてきた姫松がついに3位に後退。親番とはいえ、たったの2局で2位姫松との9万点近い差を一気に逆転し、ダンラスから2位に浮上した爽の強さはまさに怪物そのもの。圧倒的エースという前評判以上の活躍を見せたよね。
目を疑うような事象も確かに麻雀では表向きは「偶然」で済むけれど、身の回りに起こることとなればそうはいかない。「事故や事件に巻き込まれてもいつも無事」なんていうことが続けば爽を気味が悪いと思う人もいるだろう。
言うなれば、特別な力を持つ者であるが故に抱く問題である。衣がかつて抱いていた孤独、そしてもしかしたらすこやんが抱いているかもしれない心残りも持つ者故の苦悩という意味では実質的に近いものがあるのかもしれない。
でも、誓子ちゃんと揺杏はオカルトチックな爽とも普通に接してくれたのだと。2人のおかげで楽しい日々が送れているのだと。モノローグだけれど、爽が感謝の想いを明らかにするシーンは何ともすばらだね。高3最後の夏――みんなと挑む最初で最後のインターハイの舞台、その頂上まで手が届こうとしているのだ。あとは精一杯手を伸ばすだけ。もうひと踏ん張りだ。
だが、このインターハイが「最後の夏」なのは末原さんもまた同じだ。1年生2人と、3年生2人で行われている準決勝大将戦、今回は完全に3年生の想いが語られる回だね。

末原さん、洋榎ちゃん、真瀬由子ちゃん、姫松の現高校3年生トリオの出会いは素直なのか、素直じゃないのか分からないやり取りから始まった。確かに「末原ってゆうたか なかなかやるやんけ 気に入ったわ」なんていう声の掛け方だと、「お前の実力を認めたから一緒につるもうぜ」と言っているように聞こえる...w由子ちゃんでなくても「くそダサよー」と思うレベル。
でも、「実力を認めたからつるむ」のではなく「ただの普通の友達からお願いします」という洋榎ちゃんの誘いに思わず笑顔がこぼれる末原さん。最初からきっとこれが言いたかったんだろうけど、この不器用なやり取りが彼女たちの仲を深めたのならすばらだね。
1年の8月、インターハイを見学していた末原さんは同じ1年生でとんでもない怪物、宮永照の存在を知る。そして、そんな時末原さんは善野監督から、秋に行われる近畿大会のレギュラーに入れるつもりだと告げられた。

末原さんの早和了りは昔の善野さんのスタイルに酷似したものだった。それが、善野さんの打ち方を意識した結果のスタイルなのかはわからないけれど、早和了りを目指すなら現代風の加速をした方が末原さんには合っているという善野さんのアドバイスのおかげか、近畿大会ではチームに大きく貢献出来た模様。
でも、上を目指せば目指すほど世界の広さが見えてくるものだ。末原さんも自分の成長に壁を感じていた。

「特別な力を持つ者」にも苦悩はある。でも、持たざる者は持つ者に憧れるものだ。そして、憧れが強くなればなるほど、自分との差を思い知らされる。強者の打ち方を意識しすぎるあまり、善野さんがアドバイスをくれた「自分の打ち方」を見失いスランプに陥っていた末原さん。そんな末原さんの状態と呼応するかのように善野監督が倒れるのだ。
そういえば、洋榎ちゃんとセーラと一緒に描かれているのは剣谷の椿野さんか。立先生の日記によると「兵庫」と書いてあるし。インターハイ出場校の先鋒を務めている時点で特別なオーダー組をしていないのであればそれなりに優秀であることは間違いないんだろうけど、「とんでもないプレイヤー」とまで言われる実力だったのにはちょっと驚き。あと、ペン入れ後に描かれているもう一人の京都の黒髪の子は八桝高校の選手かな。

意外と言ってしまってはなんだけど、スランプ状態の末原さんを救ってくれたのは赤阪監督だった。多くの人は上級者との比較分析によって自らの上達につなげる。でも、自分と他人を比較することで手が止まってしまうタイプの人もいるのだと。以前にフナQも相対比較については言及していたけど、確かに向き不向きはあるよね。それに末原さんが比較しようとしている相手は「特別な力」――自分の感性・自分だけの信念を持っている人たちだろう。
洋榎ちゃんになぜ
が止まるのかと聞いて「勘」と答えられてしまったように、感覚派の能力者たちと頭を回す理論派の末原さんは違う。
そう、持たざる者には持たざる者のやり方、戦い方がある。自分の能力が怪物たちにはかなわなくても、自分らしさ・自分の信念を貫いていくのだ。確固たる信念がある打ち手には大事なところで牌が応えるのだから。そこには持つ者・持たざる者を隔てる境界線はきっとないのだと思う。
自分が自分なりに出来ることを必要としてくれる人がいる。すばら先輩も同じ思いを抱いていたけれど、それが末原さんが前向きに頑張る原動力になっているんだね。本当に素晴らしい。2回戦で怪物たちの見本市に苦しめられても、考えることを――勝つことを諦めなかったのもきっと必要としてくれるみんなの存在があったから。任された「大将」という役割は重いけれど、必要としてくれる人たちに報いたいという想いは素晴らしいものだ。
姫松高校の回想が終わり、場面は東4局2本場へ。

末原さんの超早和了りによって、爽の連荘はストップ。今回の末原さんの和了りによって、臨海:153200点、有珠山:94100点、姫松:92700点、清澄:60000点となった。
善野さんから受け継ぎ、いくのんが買ってくれた超早和了りを武器に怪物たちに挑む末原さんがめちゃくちゃ主人公っぽいね。今回咲さんは一言も喋っていないどころか卓の全体が描かれている最後の一コマにぽつんと描かれているだけで実質登場してないまである。ステルスモモも思わず感心してしまうステルスっぷり。
さて、3年生組の見せ場が続いているけれどそろそろネリーが動き出すのかね。依然として臨海の独走は続いているけれど、個人収支がマイナスになったネリーはきっと手の内を晒してくるんだろうなぁ。
大将の本来的な役割はみんなが戦ってきた結果である点数を託され、チームを勝たせること。究極的に言ってこれに尽きる。極端な話、個人収支がマイナスになろうともチームが勝ち上がればその役割を果たしたと言えるし、個人の収支よりもチームの順位を意識した打ち方が出来る選手が大将としては優れている。準決勝Aブロックの大将戦で見せた穏乃の立ち回りはまさに理想形だったと思う。
でも、ネリーの言葉の端々には、インターハイは自身の見せ場であり、団体戦を個人戦と捉えている節がある。ダヴァンの暗闇に始まって、アレクサンドラ監督の指示を守らずに手の内を明かしてしまうことのツケはどこかで回ってくるんだろうか。それともそんなフラグさえも踏み潰す圧倒的な怪物なのかなネリーくんは。いずれにしろ、大将戦はどんな展開が待っているのかワクワクが止まらない...!
次回は9/18発売号で掲載予定。ここからステルス咲さんの独壇場っすよ!!
以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第146局 「絶望」 感想)

最後の夏
親の倍満と数え役満、立て続けに豪快な和了りを重ねる爽の活躍によって、先鋒戦終了時から一度も変わらずに2位を死守し続けてきた姫松がついに3位に後退。親番とはいえ、たったの2局で2位姫松との9万点近い差を一気に逆転し、ダンラスから2位に浮上した爽の強さはまさに怪物そのもの。圧倒的エースという前評判以上の活躍を見せたよね。
目を疑うような事象も確かに麻雀では表向きは「偶然」で済むけれど、身の回りに起こることとなればそうはいかない。「事故や事件に巻き込まれてもいつも無事」なんていうことが続けば爽を気味が悪いと思う人もいるだろう。
言うなれば、特別な力を持つ者であるが故に抱く問題である。衣がかつて抱いていた孤独、そしてもしかしたらすこやんが抱いているかもしれない心残りも持つ者故の苦悩という意味では実質的に近いものがあるのかもしれない。
でも、誓子ちゃんと揺杏はオカルトチックな爽とも普通に接してくれたのだと。2人のおかげで楽しい日々が送れているのだと。モノローグだけれど、爽が感謝の想いを明らかにするシーンは何ともすばらだね。高3最後の夏――みんなと挑む最初で最後のインターハイの舞台、その頂上まで手が届こうとしているのだ。あとは精一杯手を伸ばすだけ。もうひと踏ん張りだ。
だが、このインターハイが「最後の夏」なのは末原さんもまた同じだ。1年生2人と、3年生2人で行われている準決勝大将戦、今回は完全に3年生の想いが語られる回だね。

2年前
末原さん、洋榎ちゃん、真瀬由子ちゃん、姫松の現高校3年生トリオの出会いは素直なのか、素直じゃないのか分からないやり取りから始まった。確かに「末原ってゆうたか なかなかやるやんけ 気に入ったわ」なんていう声の掛け方だと、「お前の実力を認めたから一緒につるもうぜ」と言っているように聞こえる...w由子ちゃんでなくても「くそダサよー」と思うレベル。
でも、「実力を認めたからつるむ」のではなく「ただの普通の友達からお願いします」という洋榎ちゃんの誘いに思わず笑顔がこぼれる末原さん。最初からきっとこれが言いたかったんだろうけど、この不器用なやり取りが彼女たちの仲を深めたのならすばらだね。
1年の8月、インターハイを見学していた末原さんは同じ1年生でとんでもない怪物、宮永照の存在を知る。そして、そんな時末原さんは善野監督から、秋に行われる近畿大会のレギュラーに入れるつもりだと告げられた。

成長の壁
末原さんの早和了りは昔の善野さんのスタイルに酷似したものだった。それが、善野さんの打ち方を意識した結果のスタイルなのかはわからないけれど、早和了りを目指すなら現代風の加速をした方が末原さんには合っているという善野さんのアドバイスのおかげか、近畿大会ではチームに大きく貢献出来た模様。
でも、上を目指せば目指すほど世界の広さが見えてくるものだ。末原さんも自分の成長に壁を感じていた。

持たざる者の苦悩
「特別な力を持つ者」にも苦悩はある。でも、持たざる者は持つ者に憧れるものだ。そして、憧れが強くなればなるほど、自分との差を思い知らされる。強者の打ち方を意識しすぎるあまり、善野さんがアドバイスをくれた「自分の打ち方」を見失いスランプに陥っていた末原さん。そんな末原さんの状態と呼応するかのように善野監督が倒れるのだ。
そういえば、洋榎ちゃんとセーラと一緒に描かれているのは剣谷の椿野さんか。立先生の日記によると「兵庫」と書いてあるし。インターハイ出場校の先鋒を務めている時点で特別なオーダー組をしていないのであればそれなりに優秀であることは間違いないんだろうけど、「とんでもないプレイヤー」とまで言われる実力だったのにはちょっと驚き。あと、ペン入れ後に描かれているもう一人の京都の黒髪の子は八桝高校の選手かな。

自分の信念
意外と言ってしまってはなんだけど、スランプ状態の末原さんを救ってくれたのは赤阪監督だった。多くの人は上級者との比較分析によって自らの上達につなげる。でも、自分と他人を比較することで手が止まってしまうタイプの人もいるのだと。以前にフナQも相対比較については言及していたけど、確かに向き不向きはあるよね。それに末原さんが比較しようとしている相手は「特別な力」――自分の感性・自分だけの信念を持っている人たちだろう。
洋榎ちゃんになぜ

そう、持たざる者には持たざる者のやり方、戦い方がある。自分の能力が怪物たちにはかなわなくても、自分らしさ・自分の信念を貫いていくのだ。確固たる信念がある打ち手には大事なところで牌が応えるのだから。そこには持つ者・持たざる者を隔てる境界線はきっとないのだと思う。
自分が自分なりに出来ることを必要としてくれる人がいる。すばら先輩も同じ思いを抱いていたけれど、それが末原さんが前向きに頑張る原動力になっているんだね。本当に素晴らしい。2回戦で怪物たちの見本市に苦しめられても、考えることを――勝つことを諦めなかったのもきっと必要としてくれるみんなの存在があったから。任された「大将」という役割は重いけれど、必要としてくれる人たちに報いたいという想いは素晴らしいものだ。
姫松高校の回想が終わり、場面は東4局2本場へ。

受け継いだもの
末原さんの超早和了りによって、爽の連荘はストップ。今回の末原さんの和了りによって、臨海:153200点、有珠山:94100点、姫松:92700点、清澄:60000点となった。
善野さんから受け継ぎ、いくのんが買ってくれた超早和了りを武器に怪物たちに挑む末原さんがめちゃくちゃ主人公っぽいね。今回咲さんは一言も喋っていないどころか卓の全体が描かれている最後の一コマにぽつんと描かれているだけで実質登場してないまである。ステルスモモも思わず感心してしまうステルスっぷり。
さて、3年生組の見せ場が続いているけれどそろそろネリーが動き出すのかね。依然として臨海の独走は続いているけれど、個人収支がマイナスになったネリーはきっと手の内を晒してくるんだろうなぁ。
大将の本来的な役割はみんなが戦ってきた結果である点数を託され、チームを勝たせること。究極的に言ってこれに尽きる。極端な話、個人収支がマイナスになろうともチームが勝ち上がればその役割を果たしたと言えるし、個人の収支よりもチームの順位を意識した打ち方が出来る選手が大将としては優れている。準決勝Aブロックの大将戦で見せた穏乃の立ち回りはまさに理想形だったと思う。
でも、ネリーの言葉の端々には、インターハイは自身の見せ場であり、団体戦を個人戦と捉えている節がある。ダヴァンの暗闇に始まって、アレクサンドラ監督の指示を守らずに手の内を明かしてしまうことのツケはどこかで回ってくるんだろうか。それともそんなフラグさえも踏み潰す圧倒的な怪物なのかなネリーくんは。いずれにしろ、大将戦はどんな展開が待っているのかワクワクが止まらない...!
次回は9/18発売号で掲載予定。ここからステルス咲さんの独壇場っすよ!!
そろそろ来そうだな
カ ン
これを出番と言うのは無理矢理だけどww
それだけで十分
後は末原さんが楽しめればそれでいい
目立つの好きそうだし、えげつない反撃ターンが来るんじゃ.....
なんかもう全てをもってかれた
ふなQが言ってたことが気になるけど
とんでもないプレイヤーの椿野さんを圧倒した怜はやはり化け物なんだなぁ。その怜でさえ手がつけられなかった照を見て世界の違いを感じると言ってたのは納得